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pp audio blog

オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

サブウーファーの修理と測定 YAMAHA YST-SW80

サブウーファが舞い戻ってきてしまい、処分しようとし始めたところ、よく見るとエッジが破れていた...

ネットでサイズがぴったりのエッジが出ていたので、購入して修理を。

エッジの修理は多くの方が特集していますので、ppは、その後の周波数特性を簡単測定してみました。

さて、うまく修理ができて、そのf特はどうでしょうか。

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はじめに

サブウーファーは、好き嫌いが分かれるスピーカです。当方も最初はフルレンジ派なので、邪道だとか、つながりが悪いとか言って、長いこと使わなかったのですが、小口径のフルレンジの中高域を綺麗に鳴らすには、低域を少しカットしてうまく行った経験があり、すっかりサブウーファーファンになってしまいました。

低域の量も簡単に調整できるので、小口径のスピーカの方は一度試してみてはいかがでしょうか。(ただし、サブウーファを入れるときは、フルレンジはLowCutフィルタを使ったほうが、メリットが多いと思います。)

 

YST-SW80

ヤマハの16cmのサブサブウーファで、HighCutの周波数の調整と、位相、そしてゲインが簡単に変えられます。簡単な調整で、かつ簡単に音のレンジを広げることができます。

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中の基板は、トランスを使った電源で、コンデンサも大型が使われています。

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エッジ修理

 エッジは、一見きれいなのですが、半分以上フレーム側で切れていました。

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 古いエッジのゴムは、丁寧に、カッター等刃物を使って、取り除きます。

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これが、時間かかりました。半日作業です。

これを、ボンドX(透明)を使って接着して修理しました。

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推奨は、表から貼り付けるのですが、オリジナルに近いかたちで修繕したかったので、頑張って裏から取り付けました。

測定

測定は、だれでも簡単にできるツールで行っています。

 

測定環境

PCにフリーソフトのWaveGeneで基本波形を生成、DACを介してサブパワーを駆動します。それをiPhoneの内蔵マイクでsonic Toolsで測定します。

 

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生成する周波数は、ピンクノイズやスウィープを使ってピークで観測するのも良いのですが、低域なのでビビリ等、他の周波数への影響を確認したかったので、基本正弦波を

 

10,20,31.5、40,50,60、

70、80、90、100、120、140、200

(/Hz)

としてみました。

 

100Hzが80dB程度になるボリュームに調整しておこないました。

超低域

音ではなくて、空気の波、振動という感じの帯域です。

20Hzでは、スピーカは動いているのがよくみえますが、音圧はわずかです。

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30Hzや、40Hzは、地響きに近い音がちゃんと出ています。

低域

音というか、振動に近い帯域です。

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だんだん裾のが狭くなってきて音圧も上がってきます。

一般的に聞く分には、十分な音量です。

低音域

音として認識されてくる

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裾のが綺麗に狭くなってきて、余計な帯域での振動がありません。

(一般の室内なので、雑音がある程度ありますので、その点ご考慮願います。)

イカット帯域

サブウーファのハイカット帯域にあたる周波数です。

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200HZでも60dBは有にでています。

 

低域f特

これまでの測定を重ね合わせて、f特のグラフっぽく表現してみました。

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綺麗なかまぼこです。ハイカットは、もう少し高域を測定して見る必要があるかもしれませんね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。時を重ねたサブウーファーですが、30Hzから実効帯域で使い方によっては、想像以上の音質アップ、帯域拡大が狙えると思います。

部屋の関係で、大きなスピーカーを置けない方や、小口径スピーカーが好きな方、一度試されても良いと思います。

サブウーファーは、中古で一万円以下で良いものが手に入ります。エッジが壊れていても、時間があれば、結構簡単に直ります。(高域ほど、接着方法に影響されないので、挑戦可能です。)

 

 

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オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。

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PA-200 さらなる電源改善 安定化 (uPC494補正)

PA-200も何度かカスタムしていますが、他のシリーズのアンプが進化しているので、今回どこまで、改善でいるか確かめてみたいと思います。また、今回、電源安定化ができましたので、合わせて書いてみたいと思います。

カーアンプの電源には、スイッチング電源コントローラICとしてuPC494が多くに使われています。(その他のICを見たことが無いくらいです。)

このPA-200はよく観察してみると少し安定していない感じのところがあります。

さて、その症状とは、改善方法とは、どんなことでしょうか。

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電源カスタム

 いつもの電源カスタムをBefre/Afterで比べてみまっしょう。

PA-200の標準は、

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配線が少し多めですが、小さく、まとまっていますね。

 

プリント基板 配線強化

 

その前に、PA-200は、丁寧にプリント基板の配線強化を配線で行っています。

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オリジナルで、少し荒業ですが、合理的な改善が行われています。

 

せっかくカスタムしますので、導線できっちり配線してみます。

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だいぶスッキリしました。
(電位を合わせる、一本だけは残しました。)

一次側

さて、波形を見てみましょう。
一次側は、少し大きめです。これを、電解コン+OSコン+チップセラコンのトリプルで、対策してみました。

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約1/10になります。

(ここまでしなくても良いのかもしれませんけど...)

二次(電力用)

電解コンデンサのみの効果です。

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(縦のスケールが100mV vs 50mVで違っています。ご了承ください)

かなり良くなっています。ですが、波形が間欠動作しているのがわかるでしょうか。

ところどころスイッチングがちゃんと行っていません。

この問題は、次の段階で解説します。

二次電圧 

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こちらも電解コンデンサを220u->470uに変えたこともあり、改善されています。

でもやっぱり、スイッチングが安定していない感じが見受けられます。

 

OpAmp電源

OpAmpの電源は、電解コンデンサとラジアルリードをパスコンにつけるいつもの方法を行います。

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最初は、見たくなかったような電源波形ですが、シャキッとしました。

この改造は、簡単ですので、OpAmpにラジアルリードのパスコン(1uF程度)を装着するのは、おすすめです。

 

電源制御IC uPC494

ここで、技術資料から標準の接続図を見てみましょう。

黄色い部分が、実際の基板と違っています。

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あまり、このICの詳しい内部回路の記述がなく、想定ですが、どうも並列の抵抗が無いと、電源上昇時はよいのですが、Error Ampがオープンコレクタの様におもえるので、他のPA-202等を参照して参考回路にしてみました。

  

電力用リップル(安定化後)

間欠運動が見事に安定化しています。

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同時に10uのチップセラコンもつけています。かなり小さくなりました。

(元の波形が大きかった為、スケールでそう見えるのですが。)

電圧用リップル(安定化後)

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電圧用も安定していることがわかります。

 

カップリング変更

カップリングが、0.22uFだったので、これを1uFに変更しました。

メタライズドフィルムを秘蔵のフィルムにしてみました。

 

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低域が改善されているのと、高域も若干良くなっています。

ゲイン調整のボリュームが20kだったのを10kに変更するため、OpAmpの負帰還の電流値をその分ふやしているのも影響しているかもしれません。

(OpAmpは、4588からOPA1652にしていますがf特には、大きな影響はありませんでした。)

 

まとめ

これまでの電源カスタムの経験をもとにPA-200の電源ノイズの極小化を行ってみました。また、スイッチング電源制御ICの動作が間欠だったのを安定化することもできました。

仕上がり状態

仕上がりは、下記の様にメタライズドを小型のフィルムにしたので、スッキリしています。

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もし、カーアンプをお持ちでしたなら、必ずこのuPC494が使われています。

電源のノイズ対策、極小化をご自分で試してみてはいかがでしょうか。

OpAmpの交換よりもその、音の違いにびっくりされることでしょう。

 

 

 

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可変抵抗器(ボリューム)の音質 PA-302S

PA-302Sをカスタムしていて、当たり前のように交換していたボリュームによる効果があることを測定しているうちに、分かってきました。

さて、その効果と、回路に刻まれた、苦労の跡とは。

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はじめに

 可変抵抗器とは

つまみが付いていて、回転させると音が大きくなるもので、皮膜抵抗に金属の接点の位置が変わって、抵抗値が変わる構造です。この可変抵抗器は、アンプのボリュームや、ちょっとした調整用のボリュームに使われます。

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入力ボリューム

これをアンプのゲインボリュームに使う場合の例として

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ここで、注目したいのは、入力インピーダンスがボリュームの位置で変わらないことです。

最大ゲイン変更の悪い例

ゲインの可変幅を変更するのに、この抵抗値を単純に変えて、最大減衰量を大きくする方法があります。よく見かけますが、

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直列に入る抵抗が、大きくなってしまう落とし穴があります。-5dB程度増やすのにこの代償は、大きすぎると考えます。

ppでは、この方法は取らずに、後段のOpAmpのゲインを変更しています。

 

実機での確認

以外なボリューム変更例(20k->10k)

手元に流れ着いたPA-302Sは、20kに変更されていましたので、元の10kへ、標準の抵抗に戻してみたところ...

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なんと、悪くなってしまいました。

ボリュームの高域補正

回路をよく見てみると、

f:id:MatsubaraHarry:20200420005328j:plainボリュームのガリノイズ防止高域補正が入っています。

この回路は、ボリュームの抵抗値が大きくなると、高域補正の効果が大きくなります。

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それでも、20kHzで、0.5dB程度の効果しかありません。

半固定抵抗器の違い

じつは、20kの抵抗は、いつも使っているメタルシールドのグレードの高いもの(写真左)で、右側が、標準に装着されているボリュームです。

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気を取り直して、10kのメタルシールドタイプのものにして測定してみると。

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高域特性がこんなにも違うことがわかりました。

矩形波での確認

これは、矩形波でも如実にわかります。

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好き嫌いが別れますが、リンギングが大きいのは、これは、矩形波のもとの波形によるものです。

まとめ

いままで、ボリュームは、その安定性で交換していましたが、高域特性にこんなにも違いがあることを改めて知りました。

ボリュームに付いていた小さなコンデンサは、実は、ボリュームの高域の落ち込みを補正するものだったのですね。廉価版のボリュームを使ってでも、高域の劣化を抑えた、ナカミチの技術の方の苦労が伺えます。

 

今は、あまり半固定で入手できるものが少なく、選択肢が少ないので、もっと良いボリュームを探すということも難しくなっていますが、入手できた際には、ボリュームの違いを測定してみたいと思います。

 

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チューニングアンプの見分け方(PA-302S編)

カーオーディオのアンプには、様々な方がチューニングされているアンプがたくさん見受けられます。当方に流れ着いたアンプにもチューニングされたアンプが時折見受けられます。その様なチューニングは、意外と効果が測定できない改造の場合があります。今回は、チューニングアンプを見極めるポイントを、ご紹介したいと思います。

 

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カスタム方法

 アンプのカスタムは、コンデンサの交換やOpAmpの交換がよく見受けられます。チューニングアンプとして出品されているものは、オーディオ用の高級コンデンサを多様して、魅力的に見えるものが多いですが、その効果は、抽象的な表現ばかりです。

以前から不思議で、数値や波形で改善効果を示してくれるとより信用できるのですが、なかなか、お目にかかれません。

電源用平滑コンデンサ

電源用のコンデンサには、大きめの電解コンデンサが使われています。

それらのコンデンサを比較評価すると、どうしても電源用、スイッチング用の電解コンデンサが良い結果になります。オーディオ用コンデンサは、決してコンデンサの基本能力(ESR等)が優れているわけでは、ありません。

(現実のコンデンサには、どうしても多かれ、少なかれ抵抗成分があります。この抵抗成分をESRと呼びます。これが、小さくかつ周波数で変動が少ないのが理論的には良い結果をもたらします。)

オーディオと電源回路 (電解コン の憂鬱 ①)

どちらかというとノイズを発生しないように考えられています。確かに信号ラインに装着すると良いことがあり、カップリングコンデンサや、比較的小型のコンデンサに限られます。

今回のPA-302の例で説明します。

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チューニングされたアンプで、その状態で、波形を確認すると、下記のようになります。

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少し大きめですね。

このうねりは、高調波対策用の標準で付いているフィルムコンデンサ(0.1uF)による効果です。大きいようですが、スパイク状のノイズよりはるかに良質なノイズです。 

電解コンデンサ単体での測定

標準で付いている、高調波対策のフィルムコンを外して、電解コンデンサのみの特性を測定します。

 

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鋭いスパイクが確認できます。このアンプは、きちんと考えて対策をされている証拠です。

これを、同じ容量の4700uFの電源用のコンデンサと交換します。

オーディオ用と電源用の電解コン比較

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ピークのヒゲが少し大きくなっていますが、凹みが小さくなっているのがわかります。

これが、オーディオ用と電源用のコンデンサの特徴がよく現れていると思います。

オーディオ用は、低周波は弱いですが、高周波の特性は、良くヒゲが小さくなっています。

これで、リップルが高周波の傾向の電源には、ノイズがちいさくなり、オーディオ用が良く聞こえる理由ではないでしょうか。

改善例

測定をしながら少しコンデンサの追加を行っています。

OSコンや、大きめのチップセラコンを追加してみますと

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手順としては、

  • 低い周波数を抑制
  • 比較的高い周波数の対策
  • 最終的には高調波の対策

この手順により、効率的、効果的改善ができます。波形のノイズが激減しているのが分かると思います。

スケールを変えて測定が必要な程です。

 

一般チューニングとppカスタム比較

今回の一般的なチューニング状態と、当方で行ったカスタムの最終比較をしてみますと

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こんなにも違います。

この様な結果が出て初めて、ヒヤリングを行うようにしています。

ここまで違えば、音出しは、とても楽しみになり、失敗はありません。
 

適材適所のコンデンサ種類

カップリングコンデンサには、フィルムコンデンサが音が良いと言われるのは、広範囲でESRが小さく、かつ、圧電ノイズが少ないからが理由とされています。

ですが、電源等の場所の電解コンデンサを無理をしてフィルムコンデンサを交換しても、大きな効果は、期待できません。 

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そんな場所には、電源用の長寿命、低ESRのコンデンサや、オーディオ用の電解コンデンサの方が合理的です。

高調波対策

高調波対策として、セラコンやフィルムコンを追加することが見受けられますが、その高調波に適合したコンデンサの必要があります。

単純に追加すると逆効果になる場合があります。

コンデンサの容量を適正値にすると、こんなにも違います。

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小さなコンデンサの追加は、容量が適正か、確認して初めて、有用になります。

高エネルギースパイク対策

大きなスパイクがある場合は、コンデンサの組み合わせや、インピーダンスを下げる改造が効果的です。

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この例では、大きくうねっているのがわかります。

装着する場所も電解コンデンサの場所とは別の、適切な箇所に装着し、適切な容量を装着しないと、改造の意味がほとんど無いか、逆効果になることがあります。

ハンダ打ち直し

 全部ハンダ打ち直しを謡い文句にされていることがありますが、すべてをハンダし直す必要がある場合は少ないです。重要なのは、大きな部品、高温になる部品のハンダの状態を確認して行うことです。

また、ハンダは、一度綺麗に吸い取ってから、新しくハンダ しなくてはなりません。この作業は、とても大変ですので、手作業で行うことは、現実的ではありません。全ハンダ打ち直しの説明を目にされたら、必ず基板の状態を確認が必要になります。

 

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上の例は、だんご状の芋ハンダと呼ばれる状態で、接触不良が発生しています。芋ハンダは、一見はんだ付けしているように見えますが、実は、パターンについていない場合があり、接触不良を起こします。実際に、数件見たことがあります。基板の状態の写真があれば、確認することをおすすめします。

全く問題ない箇所をハンダを行うと、パターン剥がれや、素子へのダメージがあり、あまりメリットがありません。

ハンダの状態は、フィレットと呼ばれる、富士山のような末広がりの形状が求められます。少なくとも、現場でのハンダ付けの経験者なら、だんごの様なハンダは、考えられません。

ハンダの状態を見ると、そのチューニングの方の技量がわかります。

OpAmp載せ替え

OpAmpを載せ替えると気軽に音の変化を楽しめます。スペックの良い、評判の良いOpAmpに載せ替えたチューニングアンプは、魅力的ですね。

ですが、OpAmpの載せ替えには、見落としがちなポイントがあります。

  • 消費電力
     音の良いOpAmpと評判のものには消費電力が大きいものがあります。パワーアンプのOpAmpの電源容量は、ギリギリに作っているもがありますので、この値を超えると電圧が不安定になり、電圧も下がってしまいます。また、電流が増え異常発熱を発生する場合があります。
  • 電圧
     意外と電圧のMAXが小さいOpAmpがあります。人気のOpAmpには18Vが最大のものが多く20V等を印加してしまうと、しばらくすると壊れてしまうことがあります。

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OPA627等は、2個使いのことが多く、電流が倍以上になることがあります。そこまで確認された、チューニング内容で有ることが必要です。

まとめ

チューニングアンプをお求めになる場合

  • 電源には、電源用のコンデンサを使っているか?
  • ハンダは、綺麗なフィレットで処理されているか?
  • 高調波対策にチップコン等、適材を採用しているか?
  • OpAmpの電源等にも対策がほどこされているか?
  • OpAmp載せ替えは、電源電圧と電力も互換可能品か?
  • 信号系統ではない箇所に不適切な大きなフィルムコンデンサを使っていないか?
  • 効果を波形確認等で、行っているか?

これらを、チェックすることで、納得して、ご購入できると思います。

 

いかがでしたでしょうか。アンプの部品の交換もそう単純ではなく、効果を得られるためには、様々な調査、確認が必要で有ることが理解できたのではないでしょうか。

今は廉価版のオシロスコープがありますので、ぜひ、単純に交換するだけではなく、それぞれの効果を確認されてみては、いかがでしょうか。

 

matsubaraharry.hatenablog.com

 

 

 

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パワーアンプ 簡単 おいしいゲイン調整方法(改訂版)

パワーアンプを使っている方も多いと思います。プリメインにパワーアンプを追加した場合や、カーオーディオならヘッドユニットにパワーアンプを追加して、音質アップをしている方も多いかと思います。

その際にパワーアンプのボリューム調整がわからずに、困ったり、大まかに調整していませんでしょうか。

今回は、テスターと調整用の音源で簡単に調整する方法 パワーアンプ、フリアンプをおいしくつかう 調製方法 を綴ってみたいと思います。

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パワーアンプのゲインとは

パワーアンプのゲインとは、アンプの増幅率です。ですが、パワーアンプにゲインを謳っているものが少ないです。必ず記載があるのは入力感度と最大出力容量です。では、ゲインは一体どのくらいなのでしょうか。それを、知らなくてもつなげて鳴らすことはできますし、あまり不自由は感じませんが。

アンプのゲイン

アンプ仕様書を見渡しても、ゲインが、なかなか見つかりませんが、実は、この入力感度と最大出力容量から計算できるのです。

 

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実は、入力感度と出力容量とで、計算できます。(以前投稿した表を再度記載)

 

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40Wのアンプで、0.2Vの感度の場合

入力 0.2Vで 40W出力

するということです。

この場合 

 dB = 20x log10 (√(40/4)^0.5)

     = 36dB

となります。

 

ちなみに 簡単式は

 dB = 20 x log10 (√(W/R)/ V)

  (W:出力容量 V:入力感度電圧 R:公称負荷)

となります。

 

ヘッドユニットの出力レベル

ヘッドユニットは、どのくらいのレベルの信号を出しているのでしょうか。

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仕様書にあるプリアウト最大出力の電圧がポイントです。

この最大出力電圧は、CDの最大音量時 (0dB) の電圧を示しています。これが重要です。

 

スピーカ効率

スピーカ効率は、皆さんご承知ですね。90dB近辺でしょうか。

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これは、スピーカから1mの距離で1Wの電力を供給した時の音圧レベルになります。

 

 

音圧の計算

スピーカまでの流れ

カーオーディオならヘッドユニットからアンプに接続し、スピーカに接続します。

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ホームオーディオならば、DACやCDプレイヤーをプリアンプに接続し、パワーアンプからスピーカの流れになります。

それぞれ、増幅され、最終的にスピーカで音に変換します。

 ソースから音圧計算

音圧は、ソースからアンプすべてのゲインを加算すると計算できます。

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ここでは、カーオーディオを中心にしているのと、計算を簡略化するため、スピーカとの距離を1mと仮定しています。

ソースのレベル

 ソースの平均レベルは、音楽ジャンルにより異なるのですが、-20dBから-10dBあたりでしょうか。これを判断するには、1kHzの正弦波をいつも聞いている音楽の音量を比較すると、レベルが把握でき、計算をより正確にできます。

この時に、いつも聞いているレベルの1kHzの正弦波を見つけておきます。ゲインの調整の時に必要になります。

ボリューム位置

ボリューム位置のレベルは、アナログのボリュームを参照して、算出しました。

(15Aという特性のボリュームが一般的ですので、大まかですが参考にしました)

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簡単計算方法

ボリュームを半分の位置で鳴らした時に、ヘッドユニットやプリアンプの特性が良好になる傾向があるので、その位置を目標にします。

  • 音圧は90dB
     音楽の視聴平均音圧を目安として90dBとしました。
    (じつは、スピーカの効率と同じ90dBを都合上同じにしています)
  • ソースレベル
     ソースのレベルは、ジャンルにもよるのですが-10dB程度
  • ボリューム位置
     半分あたりは、最大の出力から、約-15dB程度としています。

 

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2Vのヘッドユニットの場合

2Vのヘッドユニットは、とても計算上都合が良いことがわかりました。

4Ωのスピーカの場合1Wを出すには、2Vを印加

すれば良いことで、ぴったり、ヘッドユニットの出力の電圧と同じになり、ヘッドユニットの減衰率と、アンプの増幅率が相殺されるようにすれば良いことになります。

表計算でとても都合がよくなります。

 

パワーアンプゲイン = ー(ヘッドユニットボリュームレベル+ソース平均レベル)

 

先のボリュームの表で、半分のボリューム位置は  -15dB

ソースの平均を                 -10dB

合計                      -25dB

 

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アンプのゲインは、25dBを目安にできることになります。

 

4Vハイレベルヘッドユニット時

2Vを基準にすると計算が楽で、4Vの場合は、6dBを加算してあげれば良いので

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 となります。

 

パワーアンプゲイン調整方法

以前も紹介しましたが、必要になるのは、下記の3つのみです。

  • 電圧計(テスター)
     ACレンジの測定できるもの。(デジタルが良い)
  • 基準音源
     waveGene等で作成した、1kHzの-10dB音源データ
     もし、聞いているジャンルの音楽の平均レベルがわかっていれば、そのレベルのデータをご用意ください。
    (waveGeneで簡単に製作できます。)
  • ドライバー
     パワーアンプのゲインは小型のドライバーが必要になります。
     アンプに添付されていることもあります。自分で小さめのものを探して求めるとよいです。ただし、細いドライバーは調整しにくいので、先が細くても持つところは太いものが良いでしょう。時計用の金属の精密ドライバーは、ショートの危険が高いのでおすすめしません。

ベッセル(VESSEL) マイクロ ドライバー 精密 ネジ用 -1.8×50 9900

アンプの事前確認

アンプにスピーカがつながっていても、何もなくても同等の電圧が出るかどうか確認します。D級アンプ等、負帰還回路がない場合、無負荷の場合と有負荷の場合電圧が異なる場合があります。もし、スピーカを繋いだときと電圧が異なった場合は、スピーカを繋いで小さめの音量で調整することになります。

  1. 1kHzを再生します。
     いつもの聞く音量程度で、1kHzを再生します。
  2. 電圧を測定
     その時のアンプの出力電圧とボリューム位置メモします。
     ノートや手帳が良いです。(スマフォで写真でも良いのです。)
  3. アンプの電源を切り、スピーカ接続を外します。
  4. 再度電源を入れ1kHzを再生、電圧を測定
  5.  2.の時の電圧と変わりないことを確認します。

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ゲイン調整

いよいよゲイン調整です。

  1. 1kHz再生
      スピーカの端子を外した状態で、1kHzを再生

    1 _1kHz -20dB.mp3 - Google ドライブ

  2. ヘッドユニットのボリュームを約半分にする
     デジタルでボリュームの数値が表示される場合は、必ずメモします。

  3. 電圧をそのまま測定
     この電圧が現在のゲインの電圧です。
     左右の電圧を測定して、必ずメモしておきます。
  4. 電圧を調整(R側)
     事前調査で測定した電圧に合わせます。
     測定した電圧を合わせやすい切の良い数値で良いと思います。
     
  5. 電圧を調整(L側)
     同じ様にL側を同じ電圧に合わせます。
ゲイン確認
  1. 電源を切りスピーカをつなぐ
     ボリュームも最小にしてから、電源を切ります。
  2. 電源を入れて1kHzを再生
     1kHzの音がボリュームの半分の位置でいつも聞いている音量くらいに
     なっているか、確認。
  3. お気に入りの音楽を再生
     以前と音の比較を確認(楽しんで)ください。 

 

これで、一般的に聞くレベルに調整できるはずです。もし、実際に聞いていてボリュームの位置が大きかったり小さかった場合は、この電圧を数割程度増減して、わかりやすい値に調整することができます。

 

調整のメリットは、

  • いつでも、以前の調整位置に戻すことができる
  • 左右のボリュームを合わせることができる
     これは、精神上安心です。
  • ヘッドユニットの美味しいところが使える
     ボリュームの半分の位置なので、歪の少ないところで使うことができます。
  • ノイズマージンが増える
     パワーアンプのゲインを絞ることになった方は、ノイズマージンが増えます。
     オルタネータ等のノイズが小さくなります。

オーディオは、耳を頼りに調整しがちですが、だれもが生身ですので、その日の体調や、気温、周りの騒音で左右されます。電圧で記録しておけば、ほとんど誤差は出ません。これは、何よりも安心感に繋がります。

 

*注意点

 パワーアンプが大きい場合、ゲインも大きいので、ゲインボリュームを大きく絞ることになってしまう場合が、発生します。その場合は、どうしても、ボリュームによる音の劣化が大きくなりますので、その際は、パワーアンプのゲインを中心に調整することになります。
その場合でも、ゲインのレベルを記録、書き留めておくことができ、再現性をメリットとして、活用いただけると良いと思います。

パワーアンプ容量

出力音量がわかると、パワーアンプの必要な容量の目安を求めることができます。

 

パワーアンプピーク必要容量計算

ヘッドユニットの最大出力電圧は、とても便利な数値で、それ以上電圧が出ないことを示しています。

平均-10dBの音楽の場合は、絶対ピークが+10dBなので、90dBならば、100dBの音量になります。

このとき-10dB で90dB(1W)の出力なので、+10dBなので、

1Wx10倍=10W

 (このときの10倍は、10^(10/20)=3.16より、3.16x3.16=10)

パワーアンプであれば、ピークに耐えうることが容易に計算できます。

仮に-10dBの音楽でピークに耐えうるパワーアンプの出力は、

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40Wのパワーアンプがあれば、96dB(ビークでは106dB)まで対応できますので、十分という計算です。

一方、110dBの爆音を歪みなく聞くためには1000Wのピーク対応のアンプが計算上必要になります。(ですが実際120dBの音量を人が正しく聞けるかどうかは別です。)

 

クラッシク等平均レベルが-20dBぐらい場合

クラッシック等は、音量のレベル差が大きく、平均として-20dBは大きすぎるかもしれません。その状態を90dBで聞くための、ピーク耐力のパワーアンプは、大きくなります。

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スーパーウーファ等の場合

  ウーファ用は、低い周波数の能率がどうしても80dBくらいになりますので、それでも90dBの音量を出すためには、やはり100Wクラスがほしいところです。

 

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 まとめ

パワーアンプのゲイン調整の改訂版として、綴ってみました。

数値から計算する方法もありますが、1kHzのデータを使って、合わせるのが簡単です。

 

ポイントとしては

  • お気に入りの音楽の平均レベルを知る
     -10dB程度か否かで良いと思います。
  • 聞きたい音圧を知る
     概ね90dB程度の効率のスピーカですので、1m離れたところで聞く音量が
     90dB程度(少し大きめ)なのかどうかを知ることができます。

  • ヘッドユニットの有効活用
     ヘッドユニットやプリアンプの美味しいところを使うことができます。
  • 再現性
     同じゲイン、コンディションにすることができます。
     パワーアンプが大きい場合、ゲインをしぼることができない場合でも、
     再現性として、活用頂けます。

自分でも、ヘッドユニットの減衰率と、パワーアンプの増幅率の関係式が得られたのは大きな発見でした。(初歩的ですが)

参考になれば、嬉しいです。

 

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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おすすめ測定器

もうワンランク上の測定、調整を測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

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Nakamichi PA-304 SN比、f特検証

状態の良いPA-304が流れ着きました。早速いつものようにカスタムとその効果を確認してみたいと思います。

今回はPA-202で行ったSN比も測定してみました。さて、電源の改善効果はSN比に現れるでしょうか。

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 メンテナンス

 メンテナンスは、永く使っていただけるよう、電源の耐久性アップと高調波ノイズの極小化。及びOpAmp周辺のメンテナンスを中心におこないました。

  • 電源
    大型のコンデンサは、電源用超低ESRのコンデンサや、OSコンを値中心に、かつSMTの高周波時の低インピーダンスコンデンサを採用。
  • OpAmp周辺
    電源はOSコンと、終端コンデンサとしてラジアルリードのセラコンをOpAmpの電源端子に追加。
  • OpAmpゲイン
    現在主流の5V出力ヘッドユニットにも対応すべく、 初段のOpAmpのゲインを、-6dB下げています。
    よくある入力のゲインボリュームを大きくしてゲイン調整幅を広げるのは、入力に大きな抵抗を入れてしまうことになり、あまり好ましくありません。

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電源改善

電源は、いつものように入力、一次側、二次側(電圧、電力)の箇所を確認し、改善の検証を行っています。

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一次側リップル

標準では、5V程度スパイクノイズがあります。

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これまでの経験を元に0.3V程度まで低減しています。

最初は手探りでしたが、今は、標準カスタム仕様となります。

二次側電力用リップル

二次側は、電力用と電圧用があります。

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電力用は、効果が小さくみえますが、高調波が少なくなっていますので、回路への影響が小さくなります。

二次側電圧用リップル

セラコンの効果を確認するために、基準の波形は、すでに低ESR電解コンを交換した状態です。

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大きめのセラコンの効果がよくわかります。

OpAmp電源

OpAmp電源は、見過ごされやすいですが、初段のカップリングや、ゲインを司る重要な回路です。

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もともとの電源回路のコンデンサをOSコンを基本とパスコン追加で見事に綺麗になります。

基板の長い配線で電源を接続すると、どうしても高調波の暴れがでます。OpAmpの電源端子にディスクリートのセラコンを追加すると綺麗になくなります。精神上もほっとします。

特性検証

 アンプの特性を周波数と、SN比で確認してみました。

周波数特性

このPA-304は状態がかなりよくf特が標準でも良好でした。

改善項目は

  • カップリングコンデンサ交換
     電解コン+セラコン ー>高分子フィルムコンへ
  • 半固定ボリューム
     樹脂製ボリューム ー>金属シールド密閉タイプ
  • OpAmp交換
     超低歪、低消費電力のOPA1652に交換。

を行っています。

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PMLCAPによる効果がわずかに確認できる程度で、ボリューム交換、OpAmp交換後で、高周波数の改善が少し確認できます。

SN比

SN比は、少し厳しい条件(周波数による人の感ずる補正なし)で50kHzまでの範囲で観測しています。

基準として、-60dBの1kHzの正弦波を測定しています。

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波形が、少し太いのが気になりますね。

下の波形は、基準波形(1kHz)の他にどんな周波数のノイズや歪が含まれているかを測定できます。

縦軸は、メモリ20dB(1/10)になり、信号とノイズの差が約30dB程度あることがわかります。

 

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波形が細くなって、高調波ノイズが少なくなっているのが一目瞭然です。

FFTでは35dBが50dBまで約15dB改善していることがわかります。

電源の対策で出力への改善が確認できた証です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。これまでの繰り返しですが、最近追加したSN比の確認は、電源のノイズの改善がきちんと出力にも反映していることが分かったのではないでしょうか。

多くの車載アンプは、DC/DCコンバータを搭載していますので、この高調波対策は、応用範囲が広いです。

ぜひ、お手持ちのアンプの蓋を開けて、改善してみてはいかがでしょうか。

 

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Nakamichi PA-202 の歪率 S/N比 を 廉価版オシロSDS1102で測定

前回PA-202をメンテナンスして、かなり良好な状態になりました。では、このアンプは、どの程度の性能になっているのでしょうか。

周波数特性は、何度も測定していますが、SN比率や、歪率は測定したことがありません。特に歪率は高価な計測器が必要になります。
少し無謀ですが、8bitのSDS1102で果たしてどこまでできるでしょうか。

 

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測定

測定は、PC、DAC、そしてSDS1102です。あとは、ダミー負荷等です。

測定環境

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高額な機材は一切ありません。

S/N比

 まずは比較的かんたんな方から。S/N比率は、シグナルとノイズの比率を調べて算出します。

-60dBの1k正弦波をアンプに与え、FFTで他の帯域の信号との差を観測します。

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厳密にいうと、歪率も含まれてしまうかもしれませんが、最大値ということで採用します。

シグナルと50kHzまでの範囲との差が50dBあります。

このときの、出力が34mV(RMS)です。

このPA-202の最大出力は、11,210mVまで確認できたので

 S/N比 = 20*log10(11,210/34)+50

    = 50.8+50
    = 100.8dB

100dB以上確保できていることが、この測定環境でもわかりました。

もう少し外来ノイズ等を考慮した環境で行うと更に良くなりますが、スペックの110dBですから、この環境を考えると妥当ではないでしょうか。

 

歪率

歪率は、正弦波を与え、その出力からBEF等で高調波をフィルタして、その差分から導き出す方法があります。今回は、入力波形を元に計算で正弦波を作成、その差分を取って計算してみました。

出力波形vs比較正弦波

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左上が、出力波形、右下が、計算で導いた波形です。

拡大すると、8bitのサンプリングの粗がみえてきます。

歪率(単純計算)

この差分を単純に計算すると、

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1%近い歪率になります。これは、サンプリングノイズと、50kHz以上の高調波が原因です。

歪率(100kHzフィルタ)

100kHz以上を高調波をフィルタしてみると

 

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だいぶ落ち着きました。どうしても頂点付近は、分解能の誤差が大きく歪みが大きく見えてしまいますが、この8bitの分解能では限界でしょう。

それでも、概ね0.1%程度の歪以内にはなっていそうです。

 

まとめ

当初から8bitの分解能では、0.01%以下の歪を観測することは難しいことはわかっていましたが、著しい歪が無いことがわかると思います。FFTと合わせて見てゆけばよいのでは無いでしょうか。

また、これらの測定データをサンプルとして、他のアンプ等を測定してみると、違いがわかるかもしれません。

ゆくゆくは、もう少し分解能の高いオシロスコープで測定してみたいと考えています。

 

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