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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

DSP内蔵Class D 4ch パワーアンプ Kicker IQ 500.4

KickerのClass D IQシリーズが流れ着きました。

IQシリーズは、Class Dのタイミングに改善点があることがわかっており、ノイズが目立つ生じになることがあります。本機は、電源を入れてからしばらくすると、AMP2側が発振してしまう状態とのこと。

早速状態を確認すると、確かに再現します。どうやらClass Dの発振現象の様です。

さて、今までの経験を活かして原因を究明(救命)、対策できるでしょうか。

 

はじめに

KickerのIQシリーズは、内部にDSPを内蔵しています。

また、アナログアンプと同じ使い方ができるように、ゲインや、クロスオーバ、Kicker EQなどがパネルで調整できます。また、パネルロックをすることで、内部DSPですべて処理するモードに切り替えることができます。

仕様等は、前回のブログで確認できます。

 

DSP内蔵Class D 2ch パワーアンプ Kicker IQ 500.4 - pp audio blog

DSP内蔵Class D 5ch パワーアンプ Kicker IQ 1000.5 - pp audio blog

内部

内部状態は、特に大きなダメージは見当たりません。

 

メンテナンス

最初に既知の改善点である

  • 電源のFeed Back
     スイッチング電源がオープンループの単発振回路。
     入力電圧により内部電源が変動するのを電圧一定に改造
     これにより負荷上昇時の電圧降下も対応
  • プリアンプ電源電圧
     プリアンプ定電圧回路の正負のバランスがずれてしまうことがわかっています。素子を交換して、対策します。
  • Class Dタイミング
     Class Dのタイミングは、FETのスイッチングスピードに影響されます。
     そのタイミングを調整し、貫通電流による発振を防止
  • 高音域のピーク
     Class DのLow Pass Filter(12dB/Oct)によるピークの対策

これらを処理して、仕上げます。

電源低電圧化

単純な発振式電源は、一次側のコイルがフルにスイッチングしています

定電圧回路にすることで、スイッチング時間が半分以下になっているのがわかります。

Class Dタイミング

Class Dのタイミングが少し厳しいことがわかっています。本機も貫通電流が流れていることが、わかります。

Dead Timeを調整して、理想状態にできました。

これで、問題の発振は解決できました。

 

電源メンテナンス(一次側)

いつものように3個装着されている、電解コンデンサを一つ高分子へ。

チップコンデンサも追加して、対策しました。定電圧化も効果があり、電圧変動も小さくなっているのがわかります。

電源メンテナンス(二次側)

二次側も高分子をミックスすることで、変動を抑えます。

高調波が無難に取れています。

Class D 高調波抑制

Class Dの高調波抑制は、12dB/Octが用いられています。

追加でコイルを追加し18dB/Octに変更し、キャリアの漏れを大きく改善しました。

まとめ

IQシリーズは、これまで何台かメンテナンスさせていただいており、改善点がいくつか見つけることができました。

  • 定電圧化
  • OpAmp電源安定化
  • Class Dタイミング調整
  • 電源 Dead Time調整
  • 高周波帯域のピーク

これらのことで、アンプの安定動作、信頼性をアップし、かつノイズの抑制にも一役買っています。

周波数特性

最後に周波数特性を確認します。

ClassDのアンプは、12dB/Octでキャリア周波数を落とすために、コイルとのコンデンサのバランスがずれ、高周波にピークが生じていることがあります。

追加するLを調整して、高域のピークをなくしています。かまぼこのきれいな特性になったことがわかります。

Class Dのアンプは、小型でハイパワー。低歪のアンプですので、使い方次第で驚くような音をかもし出すことができます。一方、多機能で高密度の為、故障が少し起こりやすくなることも事実です。

今回の動作不能は、電源回路が固定発振であり、電圧が上昇した際に、Class Dの制御回路に負担がかかってしまったと考えています。

同じような問題でお困りの方は、当方まで、ご相談ください。

 

使用した機器

DAC(D10)

測定用にはD10というDACを用いています。
現在は、後継機のD10Sがあります。

TOPPING D10s DAC Mini USB DAC XMOS XU208 ES9038Q2M DSD256 PCM 384kHz Hi-Res オーディオデスクトップ オーディオデコーダー (ブラック)

正弦波もとてもきれいです。

 

オシロスコープ(SDS1102)

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

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波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

 

 

 

 

 

カーアンプ 真空管 VA-33 メンテナンス

カーアンプ 真空管 VA-33 が流れ着きました。

車載は、振動があり、また電源電圧が低く、様々なハードルがあります。

このVA-33はどの様なアンプか、ひも解きながら解析してみたいと思います。

はじめに

スペックは、見つけることができた基本的な仕様になります。

真空管での15Wの出力は、立派で、周波数特性も30kHzまで伸びています。

プッシュプルのアンプとのことです。

外観

真空管が大事に飾り付けられています。

淡い光が癒やしをもたらせます。重要なファクターです。

背面は、端子台で

電源と出力の端子台をシンプルに配置しています。

出力は、配線で4Ω/8Ωに切り替えることができます。

内部

カバーを外すと、左右分離配置された回路が現れました。

基板は、プリアンプ回路ですね。電圧が高いため、配線感覚を広く取っています。

ベース側は、電源関係がレイアウトされています。

基本特性

早速、通電して特性を確認してみました。

基本波形

基本波形は、少し高調波が見られます。

出力トランスが入っているのですが、誘導ノイズでしょうか。

周波数特性

周波数をみてみると

低域のバランスと、高域のタレが見受けられます。

メンテナンス

回路図が入手が難しいので、解析を試みます。

解析

基板の写真から、回路図を起こします。

回路図をなんと得られました。

ライセンスがありますので、少しマスクをかけます。

電源状態

電源状態を、まず確認します。

一次側

基本的な電源の状態を見てみます。

標準的なスイッチング電源の状態です。

DC出力

出力電圧は高めの250V。

リップルはありますが、良好です。

プリアンプ電源

背面の大きな左右のブロックコンデンサは、

プリアンプの電源安定用です。左右で少しリップルに違いがあります。

基板電源

基板の電源入力を確認します。

状態はとても良さそうです。

カスタム・メンテナンス

メンテナンスは、電解コンデンサ交換高調波対策を施します。

一次側

一次側の電解コンデンサの容量アップとパスコン追加

スパイクを抑え込み変動も改善しています。

二次出力

二次側電源には、出力に電解コンデンサ追加分がありましたので

追加し、改善します。

プリアンプ電源

プリアンプ用電源のブロックコンデンサには、

ケーブルのツイスト処理とフィルムコンデンサによる終端処理を施しました。

 

基板電源入力

基板入力は、ケーブルで接続されており

終端としてコンデンサ追加し対策しました。

入力処理

入力には、真空管アンプを想定して大きめのVRを採用しており、5kHz以上で減衰が見られます。また、ケーブルもツイストして、外来ノイズを抑えます。

 

VR変更

入力のVRを小さくすることで、高周波特性を改善します。

まとめ

今回のVaccum Tube(真空管)は、配線が直付で、基板の状態を確認するためには、配線を外さなくてはならず、時間がかかってしまいました。

また、基板の基材もベーク材でしょうか、一部修正されている箇所も見受けられ、ハトメ等を用いて、補強を施しました。

低域特性

低域特性は、左右の差があることがわかっていました。

支給していただいた真空管に交換したところ、左側のプリアンプの真空管が劣化していることがわかりました。

真空管をすべて交換、チャネルバランスも改善され良好です。


出力特性

仕上がり確認として基本波形を観測します。

見られた高調波が落ち着き、改善されたことがわかります。

 

ヒヤリング

初期状態は、少し甘い、真空管らしい音(?)でゆったり聴き込める音でしたが、メンテナンス後は、優しさはそのままで、その中にも繊細さを漂わせる音に感じました。

真空管のカーアンプはとても貴重ですので、ぜひ、目にした際には検討しても寄りと思います。

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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使用した測定器

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Velodyne Servo Subwoofer Controller 解析

Velodyne製 サーボのサブウーファ(DF-10SC)と専用コントローラが流れ着きました。
酷い歪があるとのこと、調べたところ、振動板とボイスコイルが外れていました。
取り付け修理行い、サブウーファ単体で動作確認後、いよいよサーボコントローラを接続。残念ながら、まったく音が出ません。
さて、原因を調べてみたいと思います。

はじめに

 このVelodyneのサーボウーファは、なかなか情報が出てきません。マニュアルも見つけることができず、苦戦しています。

使い方として、パワーアンプは、別のアンプを使える構想になっていることがわかりました。

サーボコントローラは

接続はスピーカに接続するサーボ信号の配線と

ゲイン調整機器の接続用でしょうか。そしてカー用電源接続端子です。

入力は4系統あり、出力は、モノラルの2chです。

メンテナンス

はじめに外れてしまったボイスコイルをアルミの振動板に取り付けます。

ボイスコイル接着

接着剤がはみ出ないように、マスキングします。

固定する際に、まっすぐ接着する様に注意深く接着します。

なんとか固定できたようです。

サーボコントローラ

さて、サーボコントローラを接続すると、勢いよくサブウーファが振動します。

どうやらテストトーンモードになっていた為でした。

テストトーン解除

テストトーン解除すると、もっと激しく振動します。

振動が激しく、スピーカを壊しそうでしたので、アンプのゲインを絞ると、収まりました。

ですが、今度は、音声入力に全く反応しません。

 

入力無反応

テストトーンは出るので、入力側の回路になにか問題の可能性があります。

基板を取り外して確認をすると。

とても状態は良いです。

電力が小さいので、素子の劣化等はなく良好。損傷している箇所は見当たりません。

 

音声の通過回路を追いかける必要があります。

回路解析

回路解析するために、一つずつ配線をトレースします。

 

音声部の回路を解析すると

だいぶわかってきました。

音声がどこまで通過するか調べると

電子ボリュームまでOK

しかしながら、電子ボリューム後は、全く出てきません。

インターロック信号は、ウーファを接続すると解除されることがわかりました。

それでも、音は出てきません。

 

電子ボリューム制御回路

どうやら電子ボリュームが壊れているか、設定が0かどちらかです。

電子ボリュームの制御回路を追いかけてみると

パネル端子台の3つの信号の意味がようやくわかりました。

 

UPとCOMMONを接触数回すると、音が出ていきました。

よかったです。

 

この端子台の意味は、接点入力で、UPを接続すると、少しずつボリュームアップ、DOWNはボリュームダウンします。

通常は、状態を保持しているようですが、電源がしばらく切られていると0になってしまい、音が出てこないようです。

まとめ

今回は、サーボタイプのサブウーファとそのコントローラの修理解析でした。
元々のオーナの方もトーンスイッチをONにして、音が出るとのことでオークションに出していたのでしょうか。また、当方のパワーアンプのゲインは比較的小さめで、その状態でも安定しなかったのは予想外でした。

音声が出なかったため、回路を解析し、Up/Downの接続が判明したのは、マニュアル入手が難しい本機を使う上で、重要な成果だったと思います。

 

サーボのサブウーファは、エンクロージャーに入れてその真価を発揮します。

オーナの方の元で、しっかりと働いてくれると思います。

 

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SANSUI SM-A1 カーアンプのノイズトラブルの解決方

 ホームオーディオのアンプでファンの多いSANSUIのカーアンプが流れ着きました。

リモート信号と関係なく電源が入ってしまい、かつ、ものすごいノイズが生じるとのことでした。

早速状態をしらべて、メンテナンスしてみたいと思います。

 

はじめに

シンプルな2chアンプ 30AのFuseから想像すると、80Wx2程度でしょうか。

BTL出力タイプのアンプです。

外観

外観は、このSMシリーズ共通の美しい曲線のフォルム

高放熱効率なのに、高さを感じさせない構造です。

背面は、耐ノイズ性を考慮した、銅メッキタイプ。

内部は、ボディサイズギリギリの基板サイズです。

状態

基板をよくみてみると、コンデンサの液漏れと思われる腐食の修繕のあとが見られます。

早速修理をはじめます。

 

メンテナンス

腐食は、一度部品を取り外し、半田を除去します。

還元剤を用いて、銅箔をきれいにします。

部品を取り付けた後、レジストを塗布します。

電源構成

SM-A1は、電源回路が2つ装着されていました。

それぞれの電源の一次側のコンデンサが傷んでおります。

 

電力用一次電解コンデンサ

電圧用二次

電圧用の一次は、既に交換されていましたが、電解液の処理が不十分でしたので、交換。

また、二次側(右側)や、電源制御用のコンデンサ(左側)にも液漏れがみられましたので、交換です。

GNDライン溶断

それでも、リモート制御が不安定で、かつ、RCAのGNDに触ると出力に大きなノイズが出力されます。どうもGNDが怪しそうで、調べてみました。

よく確認してみるとRCAのGNDの先の配膳が、溶断しています。

おそらく、電源のGNDが接触不良を起こして、RCAのGNDに電源電流が流れたと考えると、合理性があります。

BTLバランス調整

左側のBTLバランス調整のVR接触不良しており、うまく調整できませんでした。

これも交換です。

動作確認

液漏れと、RCA GNDの溶断、そして、バランス制御用VR交換して、きちんと動作するようになりましたので、ようやく、基本特性を測定できます。

 

電力用電源(一次側)

一次側には、フィルタが装着されており

一次側の0.2Vほどのリップルが、入力には20mV程度までおさえてあります。

電力用電源(二次側)

二次側は、+/-電力でGNDは、電位を合わせるだけの回路になっています。

数mVのリップルでとても良好です。

 

電圧用電源(一次側)

電圧用電源は、+/-50V、レギュレタで+/-26Vを出力しています。

一次側は、電力が小さいため、電力用より良好です。問題ないレベルです。

 

 

出力状態

高調波抑制のカスタムなしですが

多少高調波は見られますが、大きなノイズが発生する状態ではなさそうです。

 

周波数特性

周波数特性はカップリングが無いため10Hzまで伸び切っており、

高域も20kHzまできれいに、とても良い特性です。

仕上げ

最後にクリーニングします。

トップの部分もはずして、洗浄

四半世紀の汚れをスッキリさせて、オーナーの元へ。

 

****

 

このアンプは内部にシルミック電解コンデンサをふんだんにつかっている、こだわりの設計。BTL回路に合わせた電源構成にも、こだわりがみられます。

実際の音も、長く聞いていられるゆったりした音です。がんがん鳴らすというより、クラッシクや、アコスティックをゆったりしっとり鳴らすのにピッタリです。

ナカミチのアンプに似ている音です。

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Duo-β ALPINE 3542 パワーアンプ

ALPINE 3541の後継機種、小型の姿とは裏腹25Aを抱いていましたが、2542は、さらに大きなFuse 30A 。

こんな小さなボディになぜ?と、思うのはアンプ好きの貴殿も、同感ではないでしょうか。

そんなアンプの魂を開放してみたいと思います。

はじめに

24cm x18cmの小型サイズにマッドブラックのヒートシンクを纏った高級感のある外観

50kHzまで-1dBの超絶なスペック。、出力は、ピークで200Wを絞り出します。

電流がアイドルでもPA-202は10W程度に対して、20W。放熱のよいセッティングになるよう気をつける必要があります。

カスタマイズ

今回のカスタマイズ仕様になります。

  • 電源メンテナンス
     低ESRの電源用電解コン、高分子を用いて、ノイズ抑制と電圧変動を最小限に。
     そして、末永く使えるように。
  • 高調波対策
     電源の一部に高分子コンデンサを用い、リップルを低減
  • OpAmp
     OpAmpは、低歪0.0002%、低消費電力のADA4075を採用。
  • カップリング
     カップリングは、高分子フルムに。
  • OpAmp電源
     高分子コンデンサを採用、ノイズと電圧変動低減
電源(一次側)

標準では、約100mV程度あるリップルですが

20mVに抑えています。

電源(二次側)

二次側は、ゆっくりな変動がみられましたが

変動をきちんと抑えています。

その後、フィルタ後は、

スパイク等がきれいに無くなっています。

OpAmp電源

OpAmpの電源は、もともと良好ですが

パスコンを追加することで反射ノイズをターミネーションしました。
これにより、この15V電圧を用いる他の回路への影響も抑えることができます。

出力確認

 カスタムの最終確認として、出力波形と周波数特性を確認します。

小波

もともと良好の傾向ですが



その素性がわかるとても良好な波形が確認できました

周波数特性

周波数特性は10~50kHz(-1dB)のスペックですが

10~30KHz (+/-0.4dB)と謳えるスペックに

まとめ

小型でDuo-β搭載のアンプ。A級アンプと思わせるその発熱ですが、その音はアイドル電流の大きさの下支えがあるしっかり、しかもゆったりした音です。

100Wのアンプにありがちな小さな音の粗さなど無縁のようです。

基板の状態も実用性、耐久性がオリジナルより更に改善され

スッキリとまとめました。

 

最後に、外見も清掃し、清潔感を

さらに進化したDuo-βアンプの完成です。

 

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Linear Power 652 IQ Custom Maintenance

とても扱いやすいサイズのLinear Powerの652 IQが流れ着きました。

 

残念ながら、音が出ない状態です

 

幸いなことに出ない原因は、Fuseが切れていた為でした。


Fuseをつけると一応音はでますが、色々といになるところが。
しっかりメンテナンスして、ビンテージアンプの魂を響かせたいと思います。

はじめに

サイズは20cmx15cmくらいのとても扱い安いサイズです。

あまり詳しい仕様はしらべられませんでしたが

さて、実力はどうでしょうか。楽しみです。

外観

外観はとてもシンプル。電源は、ケーブル引き出し

スピーカは、ユーロコネクタタイプの嵌合部取り外し可能な取り扱い安いコネクタです。

内部

早速取り外して、状態を確認。

とてもシンプルな作りで、大きな素子の傷みはなさそうです。

Fuseは切れていたので、交換して、動作確認すると音が出てきました。

出力確認

早速出力の状態を確認。

少し高調波が見られますね。

 

気になる点

動作確認していると気になる点がいくつかありました。

  • ボリュームのガリノイズ
     ボリュームを回すと、ガリノイズと、スピーカが前後に動きます。
     波形は、直流変動が生じています。
  • 左右のバランス
     どうも右側の音が小さめです。出力のリレーが原因と思われます。
  • 取り付けネジ
     ネジがなぜか、タッピングネジなのですが、木ねじに近く鋭角。

一つずつ、対応してみたいと思います。

 

メンテナンス

今わかっている症状をまず直してみます。

ゲインボリューム

 ガリノイズは、ボリュームの劣化です。50kのボリュームがついていますが、今のアンプには少しインピーダンスが高すぎます。10kタイプのものに交換し、修理しました。

 ボリュームを回しても、スピーカが前後に動くことはなくなりました。

リレー交換

 どうもリレーは、どうやら交換されたようです。

リレーの電源がクロスしています。

また、高容量のリレーですので、小さな音で使い続けた為でしょうか。片側接触不良になっていました。

 

これも適正な電流容量のリレーに交換して、バランスの問題は、解決です。

固定ビス

オリジナルは、おそらくタッピングビスだったと思いますが、木ねじに変えられているようです。

穴径に余裕があるので、M4のネジを切って、きちんとしたビスで固定しました。

これで、締付けトルクも調整できますので、きちんとトランジスタ等を固定、放熱できます。

カスタム・メンテナンス

いつもの、電源カスタム・メンテナンスを基本に行ってみたいと思います。

  • 電源メンテナンス
     低ESRの電解コンを状態を観測しながら交換。
  • 高調波対策
     チップセラコンを用いて高調波を抑制します。
  • OpAmp電源
     少しOpAmpの電源が高め(20V強)でしたので、18V程度に変更。
     また、高分子コンデンサで、ノイズも抑制します。
     もちろんOpAmpにはパスコンを追加します。
  • OpAmp
     電圧がたかくてもしっかりとした特性を発揮する、入手が難しくいなってきたLME49860を採用。スペックも、音も一回り上に仕上げます。
  • 高分子カップリング
     インピーダンスを低くするので、容量を少しアップした高分子フィルムコンデンサを採用。
  • GND接続パラメータ
     バッテリーGNDとLine入力GNDを適正なパラメータで接続し、高調波を抑制します。
電源状態(一次側)

アンプの容量が小さめですので、電源のノイズは小さめでしたが

妥協せず、しっかり抑え込みます。

電源状態(二次側)

二次側は、とても優秀でしたが

さらに、ワンクラス上の状態へと。

 

まとめ

少し高調波がみられましたが、どうでしょうか。

高調波が抑えられているのがわかります。

周波数特性

最後に周波数特性を測定します。

10Hzでも-1dB以内の減衰。高域は100kHzでも-1dB以内。驚くほどフラット。
ビンテージで、高額取引される理由がここに見えてきました。

仕上がりは、とてもシンプル

随所に、これまでのpp Customを施しています。

 

***

 

いかがでしょうか。マニアに間で人気の高いLinear Powerのパワーアンプ

きっちりとメンテナンスしましたので、その音を堪能していただける仕上がりになったと思います。

出力リレーは、高用量タイプから適正にすることで、耐久性をアップし、繊細な音を長く奏でてくれるように工夫してみました。

末永く、オーナ様の元で、ビンテージサウンドを奏でてくれると思います。

 

カミチ パワーアンプ PA-301 カスタム・メンテナンス ピアニシモ仕様 23-11 #3

モノラルで160w絞り出すナカミチパワーアンプ PA-301。今年3台目のメンテナンスの機会に恵まれました。
時折音が出ないとのこと。
裏蓋を開けてみると、著しい損傷等は見当たりませんでした。
不具合を探って、きっちりメンテナンスしてみたいと思います。

はじめに

動作が不安定とのことですので、早速基板の状態をみてみました。

基板状態

いくつか部品交換されているのがわかります。

固定のボンドも、オリジナルのボンドの上から、つけている状態です。

 

標準と異なるリレーがついているので、確認すると

やはり、間違った12Vのリレーが取り付けられています。

発熱や、電源のバランスが狂ってしまい、危険な状態です。

 

基板補修状態

部品を交換したときに、基板の銅箔(座)を剥がしてしまったのでしょうか。

部品のリードで接続しています。ねじとショートしそうです。

 

ハトメを用いて、座をつくって、しっかり修正しました。

これで、振動等にも耐えられます。

出力状態

電源が入れれられる状態になったので、出力を確認してみると

少しノイズが多いです。出力(ゲイン)も小さめ。

 

無音状態で出力をみてみると

定期的になにかノイズが出ています。

周波数特性(中断)

周波数特性を確認すべく、1kHzで、ゲインを調整し、10Hzにすると、出力が出ません。さぶ、ウーファを得意とするPA-301の特性では、なく、なにか問題があることが、わかりました。

故障解析

不具合状態からすると、初段の電圧増幅部になにか問題がありそうです。

PA-301の回路図は手元にないため、プリアンプ部の回路を解析

これをもとに、回路図にすると、

どうもカップリングコンデンサがおかしい?のではないかと、探りをいれると

2uFのフィルムコンデンサ接触不良を起こしているのが判明。

はんだを一度吸い取り、きちんとはんだ付けすると、直りました。

(あとで、高分子フィルムにしますが、初期状態を見るために必要な手順です)

 

カスタム・メンテナンス

さて、いつものカスタマイズを実施します。

今回も、電源強化、高調波を施し、ナカミチの魂を生かしてみました。

  • 電源強化
     超低ESRの電解コンを始め、高分子コンデンサも採用
  • 高調波対策
     波形を観測しながら、高分子コンデンサ、チップコンデンサ等を
     用いノイズの低減効果が確認できた値、素子を採用。
  • トロイダルコアチョークコイル
     電力用の電源のコイルにトロイダルタイプを採用。
     漏れ磁束が小さく、オリジナルコイルよりESRが小さく効率よく
     エネルギーを蓄積します。
  • OpAmp電源強化
     OpAmpの電源を放熱のよいTrに交換し、安定化。
     平滑も高分子を用います。
  • 高分子カップリング
     高分子のフィルムコンデンサを用いて低歪の音を追求。
     容量も大きくして、低域の特性を改善します。
  • GNDパラメータ調整
     入力のGNDとアンプのGNDの接続パラメータを調整し、
     バランスアンプの帯域外のノイズを低減します。

取り付け済み部品が2つほど

  • OPA627
     OpAmpは、孤高のシングルチップOpAmp627。
  • 密閉 VR
     経年変化でも接触不良を起きにくい、密閉型のVR

きっちりピアニシモ・カスタマイズができているか、一つずつ確認してゆきます。

電源(一次側)

一次側の大きなスパイクを

抑え込みます。

電源(二次側電力)

トロイダルコアと、低ESR、チップセラコンで

きっちり抑え込みます。

電源二次側(電圧用)

ピークが少し大きめですしたが

しっかり抑え込みます。

OpAmp電源

オペアンプの電源も、熱対策を行い、高分子と、パスコン追加で

 

対応しました。

出力確認

最後に、出力の状態を確認します。

微小信号

高調波ノイズがきになる状態でしたが

きっちり高調波対策を施した結果が、観測できました。

周波数特性

カップリングコンデンサをアップグレードしたので、10Hzまで、ストレートに。

 

サブパワーをしっかりドライブしてくれる特性に。

まとめ

いかがでしたでしょうか。一部のチューンアンプは、誤った部品が装着されていることがわかっています。

時折動かなくなるや、透明なリレーが装着されているアンプは要注意です。

 

多量のシリコングリスや、接着剤もきれいに除去し、スッキリです。

シリコングリスには、熱伝導シートを用いて、熱結合状態、仕上がりの安定化が図れます。後日のメンテナンス性向上にも繋がります。

 

これで、修理完了です。

 

****

このアンプ PA-301は、サブウーファ用のパワーアンプとしてぴったりです。

少し贅沢ですが、2台でステレオにしても素晴らし音を醸し出してくれると思います。

OPA627の歌声をぜひ、堪能していただければ、嬉しい限りです。

 

当方まで、お気軽にメールでお願いします。

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カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用した機器

DAC(D10)

測定用にはD10というDACを用いています。
現在は、後継機のD10Sがあります。

TOPPING D10s DAC Mini USB DAC XMOS XU208 ES9038Q2M DSD256 PCM 384kHz Hi-Res オーディオデスクトップ オーディオデコーダー (ブラック)

正弦波もとてもきれいです。

 

オシロスコープ(SDS1102)

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102【国内正規品】【メーカー直営3年保証】【日本語取扱説明書対応】

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

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