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ナカミチ PA-1002 Custom Edition (2)高調波カスタム

ナカミチ PA-1002 Custom Edition の状態を確認を行いましたので、いよいよ、高調波カスタムを行ってみたいと思います。
高調波カスタムを行うことで、出力のスパイクノイズへの効果は、果たして確認できるでしょうか。

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 はじめに

 高調波対策は、

  • 電源の入力段
  • 電源の出力(二次側)
  • 各電源の補強

を主に行います。

電源(オリジナルマイナーチェンジ内容)

電源をよく見直してみると、入力段のフィルタ(コイル)からリード線が出ていることがわかりました。

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ハンダ面を注意深く確認してみると

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オリジナル状態で、パターンカットが施されています。(赤の点線の部分です)

 

回路図上で電源のこのマイナーチェンジを記載してみると

 

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コイルがあとから追加されています。赤の部分が、マイナーチェンジ内容です。

 

一次側スタム

入力にコイルが装着されていますが、まずは一次側を、カスタマイズしてみます。

コンデンサの容量アンプと高分子、チップセラコンの組み合わせで改善してみます。

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カスタム後の波形を確認してみると

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スパイクの低減できていることがわかります。

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FFTで確認すると、全般的にレベルが低減していることがわかります。

とりあえず、一次側は、良さそうです。

 

入力ノイズ

マイナーチェンジによるコイルの挿入が端子台の根本で行われているので、改めて入力の状態を確認してみます。

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フィルタを介していますが、電流ノイズの影響でしょうか、スパイクが確認できます。なんとか対策を試みてみます。

入力段カスタム

一部パターンカットを行うことで、入力段にコンデンサを2つ追加できそうです。

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オリジナルと大きく変更をせずにできました。

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端子台の左隣のコンデンサ2つを、入力側のコンデンサにしています。

 

早速波形を確認してみると

 

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入力のスパイクが亡くなっているのがわかります。

(入力の電源のインピーダンスが高めなのでスパイクが大きめに見えていると思われます)

いい感じで対策ができました。

 

二次側カスタム

標準の二次側の電解コンデンサは4700uF/50Vのブロックタイプを採用しています。

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追加でセラミック0.22uFで対策をされていますが、まだ100mVあり、あまり気持ちの良い状態ではありません。

手作りハイブリッドコンデンサ

大きなコンデンサは、高周波数の特性が弱い傾向がありますので、いつものハイブリッド化をしてみたいと思います。

静電容量が大きいので、LCR測定に制限がありますが、標準との違いを確認してみました。

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周波数の低めのインピーダンス計算ですが、1/4以下になっています。

 

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ハイブリッド化とチップセラコンx3により、見違えるように低減することができました。

FFTで帯域を客員すると

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高調波がきれいに抑えられているのがわかります。すこしやりすぎの嫌いがありますが、出力のスパイクがなかなか抑えられず、繰り返しているうちに、ここまでの対策となっていました。

 

出力信号確認

出力は、標準ですこしスパイクが気になる状態でした。

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その他の電源コンデンサ等も確認、改善を行い、さて、効果はあったでしょうか。

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かなりきれいになりました。

 

f特

 簡単に周波数特性を計測してみました。

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十分な特性です。

ちなみに、Low Boostを中央(+6dB)あたりにした場合

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 中央で約+3dBでしょうか。

(測定ポイントが荒かったので、手動で確認してもピークは、40Hz近辺でした)

まとめ

PA-1002のメンテナンスの備忘録としてまとめてみましたが、いかがでしたか。

made in THE USのナカミチを持っていられる方、参考になれば幸いです。

また、最終的にカスタム後の写真をアップしたいと思います。

 

出力段のスパイクノイズ原因(Root Cause)

当初メインの電源ノイズのスパイクが出力に漏れていると考えていましたが、電源を

改善してもまだ、すこしノイズがあることがわかります。

いろいろ調べてみると、アンプの出力回路の入力にすでにノイズがあることがわかりました。プリアンプの部分になにか原因があると考えます。

また、LとRでノイズの傾向が違います。これは、このアンプの、ネットワーク機能や、プロセッサによるLowBoostがついていますのでそれらの回路は左右で通過回路が異なっているところにありそうです。

対策としては、プリアンプをバイパスする方法がありますが、音の傾向に影響を及ぼしてしまう場合がありますので、まずは、この状態で、一度使っていただこうと思います。

 

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