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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-302 ピアニシモ・カスタマイズ '22-Jan 整備録

さて、整備して楽しい、PA-302のカスタム・メンテナンスの整備録になります。

今回も、ピアニシモからフォルテシモまでしっかり奏でるとびっきりのPA-302に仕上げてみたいと思います。

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 はじめに

PA-302は、80W x2chの余裕の出力アンプです。

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その性能は、出力だけではありません。
以前のブロック接続図引用になりますが、

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電力用のコンデンサがアンプ基板にもふんだんに搭載されているのが特徴です。
これにより、ピアニシモでもノイズが小さく、かつフォルテシモも対応できる仕様になっています。

オリジナル復活

いつものように、オリジナルに復活させ、その状態を確かめます。

一次側

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少し大げさに拡大して見ていますので、大きめに見えますが、ノイズは標準と同等。

二次側

インダクタを贅沢に装着しているので

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三角のリップルが観測できます。標準状態です。

二次(電圧用)

いつも気になる電圧用ですが

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スパイクが少し目立ちます。これは後で、しっかり抑制してみます。

 

ピアニシモカスタム確認

いつものように、ピアニシモカスタマイズ(高調波カスタマイズ)を行い、効果をみてみます。

入力ノイズ

入力ノイズは、一次側や二次側の対策の相乗効果がみられます。

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一次側は、いつもの約0.3V程度になり、とても、良好です。

二次(電力用)

フィルタをトロイダルコアに交換、アンプ基板側に大きめのコンデンサを装着できるので初段は、容量を程々にし、高周波数を低減します。

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低ESRかつ、小さめの電解と、セラミックコンデンサの仕上げで、20mV程度に仕上げました。

二次側(電圧用)

電圧用は、フィルタが割愛され、スパイク少しありますが、後段に定電圧回路があるので、さほど気にしなくてよいのですが

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伝搬しやすい高調波を、チップセラミックでしっかり抑えました。

OpAmp電源

OpAmpの電源もいつもどおり、仕上げました。

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  • 電圧変更 19V->16V
     musesを装着するので、16Vに落とします。
     電圧を落とすことで、電流容量もアップします。
  • トランジスタ、抵抗
     供給電圧を落とすことで、降下電圧が上昇、それにより抵抗の電流が上昇。
     供給電流がアップします。
  • 平滑コンデンサ
     オリジナルでは、セラコンですが、高分子の電解コンを採用、
     高周波と、低周波改善させています。
  • パスコン
     OpAmpの直下にセラコンを取り付け、高調波のターミネーションを実施

OpAmpの電源は、とても重要なので、きちんと対策します。

 

 出力確認

最後にピアニシモカスタムの確認として、出力信号を確認し、カップリングを交換します。

微小電圧

PA-302はオリジナルでも優れたSN比を誇りますが、拡大すると少しノイズが見られることがあります。

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ピアニシモ・カスタマイズで、きっちり高調波ノイズを抑えることができました。

 

周波数特性

カップリングに、高分子フィルムを採用します、色付けがほとんどなく、歪も感じられ、かつとても小型で搭載が合理的にできます。

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小型なので、容量も4.7uからアップすることができ、低域も改善できます。

 

電解コンデンサカップリングに使う場合、高域のタレを防ぐため、小さなフィルムコンデンサを並列に使います。
この、高域補正のコンデンサを今回も、取り除いていますが、高域特性を保持しながら、容量アップで、低域を改善ができました。

大きなフィルムコンデンサを無理に装着するより、シンプルで、合理的な施工です。

まとめ

外見もきれいに整備し

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正面は、少し傷が気になったので

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デザイン塗装を施してみました。

底板同じ様に、塗装しなおしました。

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端子も磨いて、電源側は、耐電流の高い、ニッケル端子端子ネジと交換。

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これで、完成です。

muses02

少し聴くだけでは、あまりわかりませんが

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長く聞いていると確かに、ゆったりと音楽を聞いていたくなります。

これが、muses02の特徴でしょうか。

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このアンプは、使い方一つで、びっくりするような音を奏でてくれます。

PA-302シリーズは、内部に余裕がありますので、状態のよいPA-302を見つけられたら、ぜひ、手にしてみてください。ご自分で、カスタムしても良いですし、難しかったら、当方まで、お気軽にメールでお願いします。

(迷惑メール防止の為、メールアドレスはプロフィールより探してください。)

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カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

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