2台目になりますPA-1002のメンテナンスです。
前回と同様にきっちりカスタム・メンテナンスしてみたいと思います。
はじめに
PA-1002はMade In THE USAと基板に明記があり、USAの設計、制作のアンプです。
50Wx2ですが、一般のアンプよりサイズが倍ほどあり、重量もヘビー級です。余裕の放熱効果によりパワーを存分に引き出すことを意図した設計が伺えます。
基板構成
内部の基板を見てみましょう。
右側から
- 電源部
プッシュプルのスイッチング電源 - アンプ部
基板の両端に電力用電源の正負が別々に供給
RchとL chの順につづきます - プリアンプ部
オペアンプ等でプリ部を構成しています。
電源カスタム
2回目ですので、早速カスタムを行い、効果を確認します。
カスタムは、一次と二次両方施しています。
回路図で、大きく異なるのは、入力側にコンデンサを割り当てたところです。
一次側カスタム
トータル9個のコンデンサが装着していましたが、初段に3つ、後段に6つに分配しています。
入力ノイズ
まず初めに、入力ノイズを確認してみます。
コンデンサの追加で、3.5V近くあったものが、0.008Vと小さくなっています。
これならば、他のアンプやヘッドユニットへの影響も小さくなります。
一次側ノイズ
もともとそんなに大きくはなかなったのですが、
スパイクを小さく抑えき見ました。
二次側ノイズ
二次側は、大型のブロックコンデンサを、
1000uFを4つパラ、かつ、高分子を使って高周波まで抑え込みます。
効果がきっちり確認できました。
プリアンプ部
電源のノイズは抑制できたのですが、出力にノイズがあまり減衰していません。
探ってゆくとパワーアンプの入力にすでにノイズが確認できます。
回路を追いかけてみました。
R側は、反転増幅のみですが、L側は反転を2段構成になっています。
随所に発振防止のコンデンサが入っていますが、L側の2段目のOpAmpには、発振防止が入っておらず、発振が確認されました。
OpAmpの変更は
を行い、まとめました。
出力確認
もともと、高調波ノイズが確認できましたが、
かなり、削減できました。
つづく
もう一台ありますので、OpAmpのノイズのデータを取りながら、最終の確認にてまとめてみたいと思います。
これまでのPA-1002のカスタム内容は、下記よりご覧になれます。
PA-1002 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。