きちんとオリジナル動作ができるようになったPA-302をカスタマイズしてゆきます。
- 高調波対策
- OPA1652
- 高分子カップリング
- シールドボリューム
- OpAmp電源強化
都市伝説でない、論理的に音質向上のカスタマイズを施してゆきます。
おさらい
前回、30年の歴史により、コンデンサの洗礼を受け、動かなくなってしまった電源をメンテナンスしました。
今回は、スイッチング電源の高調波対策を施し、ピアニシモを楽しめるカスタム電源にしてゆきます。
電源ノイズ
カーアンプは、多くのモデルでスイッチング電源を採用しています。
そのため、スイッチングノイズが、入力や、アンプへの供給電源等、様々なところにノイズが伝搬し、悪影響を及ぼします。高調波対策を施すことで、ノイズを小さくしてゆきます。
入力ノイズ
入力のコンデンサは、すでに交換してあり、オリジナル(修繕)でも良好でした
一次側の高調波対策の効果でさらに、抑えることができました。
一次ノイズ
一次電源は、超低ESRのコンデンサでかなり良くなっていました。
ディスクリートとチップのセラコンのあわせ技で、改善しています。
二次ノイズ(電力)
チョークコイルの交換と、チップセラコンで抑え込みます。
二次ノイズ(電圧)
スパイクが大きめの電圧用は
チップセラコンで抑えます。
OpAmp電源
OpAmpの電源は
を施しています。
ノイズは、観測できない状態まで、きっちり落とし込みます。
出力確認
電源を高調波対策を施しましたので、その効果を出力の確認を行います。
微細出力
もともと、微細なノイズが確認できる程度でしたが、
さらに良くなっているのが確認できました。
周波数特性
最後に周波数特性を確認します。
低周波数まで、きれいに伸びるようになりました。
また、高周波も、改善が見られます。
外装修繕
コンデンサの液漏れは、底板を腐食していることがあります。
こんなときは、
- ヤスリ等で、サビを取り除く
- サビ還元剤にて防錆処理
- プラサフにて防錆
を施します。
外装もクリーニングを施し
スッキリ仕上げました。
まとめ
PA-302は、とてもメンテナンスしやすいアンプで、電源の余裕もありかつ、ノイズも微小です。大きな電源容量で、サブウーファを駆動するのも、また、繊細なツイータを鳴らすこともできる万能なアンプに仕上がったと思います。
もし、状態の良さそうなPA-302を見かけたら、メンテナンスに挑戦してみたらいかがでしょうか。もし、途中で断念しても、当方で、お手伝いも承ります。
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カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。