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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-200 パワーアンプ カスタム・メンテナンス整備録

ナカミチのカーアンプでも初期のモデルで、比較的小型のPA-200をカスタム・メンテナンスしてみます。このアンプは、30W x2chで、ハイレベル入力の切り替えもついており、サイズ及び能力も大型アンプに引けを取りません。
30Wは、重いスピーカを駆動するには、心もとないのですが、フルレンジや、MidHigh、ツイータは、十分な出力です。逆にパワーバンドでうまく鳴らすことができるかもしれません。
そのためにも、暗ノイズは、極小に仕上げたいと思います。

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 はじめに

PA-200は、黒アンプと称するカーアンプの世代で、低歪、高S/N比、そして高帯域を誇るアンプです。

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外観

ヒートシンク機能を有したアルミの押出材のシャシー収められています。

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内部

単一基板構造のシンプルな構成です。

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音質重視の為、ケーブルによる配線が多様されています。

カスタマイズ

カスタマイズは、いつもの電源メンテナンスと高調波、ピアニシモ仕様です。

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仕上がりは、至ってシンプルで、実用的に仕上げるよう、心がけています。

基板状態

オリジナルの基板には、電源強化で、配線が追加されています。

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基板補強のケーブルは、なるべく削除して、さらに低インピーダンス化をおこないました。

特に補強用ケーブルは、削除し、銅線で配線してみました。

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一本のみ残りましたが、シンプルになったと思います。

入力フィルタ

日本ナカミチパワーアンプには、チョークコイル(入力フィルタ)が装着されています。

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今回は、同等以上のインダクタのトロイダルコアを採用。直流抵抗も1/5に低下しました。

電源カスタム

今回も電源のカスタマイズを中心に行いたいと思います。

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一次側

一次側には、セラコンが装着されていないので、少しスパイクがきつめですが

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複合的な電解コンデンサの装着で、抑え込みました。

二次側(電力)

フィルタが装着されていないので少しきつめですが

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電力が小さめですので、チップセラコンで抑えることができます。

二次側(電圧用)

高調波が少しきになる電圧用も

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チップセラコンでおとなしくできました。

OpAmp電源

このアンプのオペアンプには、もともとコンデンサが装着できるようになっています。

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場所が狭いので、電解コンが装着できませんでしたが、大きめのセラコンを装着することで、電源ノイズは嘘のように消えてなくなります。これで安心ですね。

カスタム確認

これまでの対策の確認として出力の状態を確認します。

微小出力

ピアニシモの仕様を満たしているか、微小信号を確認します。

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数mVのレベルでもきっちり波形が確認でき、良好で有ることが分かります。

周波数特性

このアンプのカップリンjグは、多少小さめのコンデンサが装着されています。

少し大きめのフィルムコンデンサにかえてみると

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低域は、10Hzでも-01dB程度で、高域もわずかに改善しています。

まとめ

さほど大きな音量が必要ない方には、今回のような比較的小さなアンプを用いたほうが、そのパワーバンドにフィットしやすく良好な場合があります。

このPA-200は、小さくてもしっかりした性能ですので、ぜひ、試してみていただきたいアンプの一つです。

逆にこの小さなアンプをうまく使いこなせるための調整方法は、オーディオの使いこなしの鍛錬に重要ではと。いかがでしょうか。

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

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ナカミチ PA-302S カスタマイズ ② カスタム確認

前回で状態の良いPA-302Sの基本メンテナンス、及びピアニシモ仕様(高調波対策)の確認がとれました。
最後に、カップリングの交換と、OpAmpの交換を行い、最終カスタム確認を行いたいと思います。

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 おさらい

今回のPA-302Sは、製造初期の機体と思われますが、保存状態がよかったでしょうか、内部状態がよく、基板の補修は不要でした。

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いつものように、末永く音楽が歌えるように電源のメンテナンスとピアニシモ仕様(高調波対策)を施し、とても良い状態に仕上がりました。

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カスタマイズ

高調波対策がすでに終わっていますので、残る今回カスタマイズは、

になります。

 

OpAmpについて

OpAmpは、その音の違いを楽しめる、簡単なカスタムアイティムです。

当方で手頃に入手しやすいOpAmpを中心に一覧をつくってみました。

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この表で、OpAmpにより最大電圧や、電流がまちまちであることに気づかれたのではないでしょうか。

歪み率等のスペックが気になり、最大電圧や電流を考慮を忘れてしまいがちです。
絶対定格(その電圧を超えると壊れてしまってもおかしくない電圧)が意外と低いOpAmpがあるので注意が必要です。

電源電圧の標準は、ほぼ15Vで設計、検証されているのが、この表でも示しています。

なるべくその電圧に近い値で使いたいところですね。

PA-302標準搭載可能OpAmp

このPA-302で仕様できるOpAmpは、

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実は、標準のuPC4570cの電源電圧を少し超えています。


孤高のOPA627を二個使った場合は、電圧が超えていますので、壊れてしまったり、電流の余裕がなくなり、満足な動作ができなくなることが予想できます。
(OpAmp消費電流は、上記に出力ドライブ電流が数mA x2が加算されます)

カスタム後のOpAmp適合

当方のカスタマイズは、OpAmpの電源電圧を調整し、搭載するOpAmpが、きちんと動作するようにしています。

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これならば安心して使うことができます。

今回は、バイポーラ入力のmuses8820を選定しています。PA-302のナチュラルな音楽を奏でる特性に向いていると、ヒヤリングを通じて感じました。

出力最終確認

OpAmpの電源電圧の変更と安定化をおこなったので、微小信号を確認してみます。

微小出力(-80dB 1kHz)

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少しゲインを下げて測定していますが、暗ノイズがさらに小さくなっています。

ナカミチの数あるアンプでもっとも小さいのではないでしょうか。

周波数特性

カップリングコンデンサを倍の容量の高分子フィルムに交換しました。

これにより、低域の改善と、低域から高域まで単一のコンデンサで伝送でき、よりストレートな音になります。

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低域は、ほぼフラットと読んで良いレベルに、

高域も補正メタライズドフィルムも削除しているのですが、わずかながら向上しています。

外観まとめ

外観は、清掃とタッチアップを行い整えました。

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端子台も状態の良いものに交換して、完成です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。もし状態のよいPA-302と出会うことができたなら、ぜひ、メンテナンスに挑戦してみてはいかがでしょうか。

はじめは大きな電解コンデンサの交換だけでPA-302の良さが楽しめます。

その後、ピアニシモ仕様に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

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ナカミチ PA-302S カスタマイズ ① 初期整備

ナカミチ カーアンプの銀アンプシリーズ(PA-202/302/304/301)の中で基板のレイアウトが余裕がありとても裸特性がよいPA-302を整備してみます。
今回のアンプは、ずっと眠っていたとのこと、未メンテナンスでしたがとても状態がよくそのままで新品に近い特性がでていました。

その状態のよいPA-302Sをカスタム・メンテナンスしてみたいと思います。

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 はじめに

80Wx2chのとても使いやすいアンプで、フルレンジはもとより、サブウーファから、MID、そして低歪、低ノイズの特性を活かしツイータにも使える万能アンプです。

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状態

外形は、少し小キズがありますが

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内部は、とてもきれいです。

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基板も

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液漏れ等の痕跡はなく、とてもきれいです。

電源状態

問題なく通電、動作しましたので、電源の状態を確認してみます。

オリジナルの状態を確認できるのは、とてもめずらしいです。

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入力ノイズ

PA-302は、大型のコイルでノイズ対策が施されとても良好ですが

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本機もとても状態が良いです。

一次側

一次側は、3V強のリップルノイズが観測されます。

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本機も、標準的な状態です。

二次(電力用)

二次の電力用は、少し小さめの電解コンデンサが装着されています。

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多少リップルは大きめですが、アンプ側に大型のコンデンサが4つついているので、高周波の抑制を狙っていると思われます。

二次側(電圧用)

電圧用は、後段に定電圧回路があるので、フィルタが割愛されています。

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スパイクレベルは、標準的です。

アンプ基板側電源

先の電力用電源がケーブルでアンプ基板に接続され、大きなコンデンサ4つで平滑しています。

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そのため、リップルが1/5程度になっています。

このコンデンサPA-302の余裕ある音の所以であると考えています。

OpAmp電源

OpAmpの電源は、パスコンで抑制できるレベルが標準です

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本機は、標準より良好に見えます。

微小信号

-80dBの1kHz波形を観測してみます。

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わずかにノイズが観測される程度で、とても状態がよいことがわかります。

カスタマイズ

オリジナルの状態が良好でしたので、安心してカスタマイズに進めます。

一次側

PA-302/304の一次側のコンデンサは、ケーブルで接続されています。

今回は、そのケーブルを少し太くしてみました。

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ケーブルの抵抗値が、ほんの僅か小さくなります。これは、コンデンサのESRの違いに似ています。

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リップルが、20%ほど改善しました。効果ありです。

更にOSコンの追加とチップセラコンで、きちんと抑えます。

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いつもどおりの、良好な状態になりました。

二次側(電力)

標準では、220uコンデンサが小さめが装着されていますが、それを1000uに大きくします。高周波の特性が少し劣ってくるはずですので、セラコンで補填します。

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いつもどおり、きちんと抑制できました。

二次側(電圧)

スパイクの大きめな電圧用は、電解コンデンサの交換でよくなりますが、高調波がのこります。

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セラコンの組み合わせできちんと抑制します。

アンプ基板側電源

アンプ側は、電源基板の改善+アンプ基板の容量アップで

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ほとんど振れが確認できないようになりました。

OpAmp電源

OpAmp電源は、電源の終端としてのパスコンが大きな効力を発揮します。

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それでも、電圧生成回路の強化があってこその安定化向上です。

つづく

いつものピアニシモ電源の効果が確認できました。次に、音声信号系の確認へと進みます。その前に周波数特性を確認しておきました。

周波数特性

通例PA-302は、非の打ち所がない周波数特性です。電源特性が安定したので確認してみました。

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いつもどおりの特性であることが確認できました。

さて、次回は、カップリングの交換を行い、必要であれば高周波補正のコンデンサを選定し、仕上げたいと思います。

その後、OpAmpの交換を楽しみたいと。お楽しみに。

 

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ナカミチ PA-304 カスタム・メンテナンス #3 ('21 5) ② カスタム編

電源の一部に、少し基板補修が必要な箇所があったPA-304ですが、無事修理完了。
これより高調波対策を施し、ピアニシモ仕様に仕上げたいと思います。
しっかりピアニシモコンディションが整えば、必ず、OpAmp:muses02の息遣いが聞こえてるくはずです。

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おさらい

ナカミチのカーアンプは、残念ながら、液漏れの爆弾を持っているコンデンサの全盛期でした。この年代のアンプは、多かれ少なかれ、この液漏れの洗礼を受け、今に至っています。
このアンプは、幸いなことに、一部の範囲でとどまり、無事復旧することができました。

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動作確認も終え、標準以上の特性であることが確認できたので、早速、ピアニシモ仕様に仕上げてみたいと思います。

カスタムポイント

カスタムは、目的、効果を考えポイントを抑え行います。

  • 電源の高調波対策

     各ポイントに合わせた容量のセラコンできっちりと高調波を抑制

  • ゲイン調整

     入力のインピーダンスは変更せず、アンプのゲインを-6dB

    ハイレベル入力により、ノイズマージン、低歪化に効力を発揮

  • 高分子フィルムによるカップリング

     電解+メタライズドフィルムを単独の高分子にすることで、

     低域から高域まで、単一の素子で伝搬。

     素子間の干渉をなくし、素直な伝送経路を実現

  • muses02

     スペックではなく、音そのものを伝搬させるためのOpAmpを採用

     OpAmpの電源もmusesに合わせて、カスタム調整

  • ボリューム
     メタルシールドタイプのボリュームを採用。
     接触不良や安定性のみならず、音質低下を抑えます

電源確認

 まず、測定でよく分かる電源の改善を確認します。

一次側

一次側は、2V近くリップルが標準であります。

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いつものように、半分以下に抑え込んでいます。

二次側(電力)

チョークコイル

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ドライダルコイルに変えていますので

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同容量にも関わらず、チップコンデンサの効力との相乗効果で、きっちりと抑え込めています。

二次側(電圧)

電力こそ小さめですが、スパイクが目立つ二次側も

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きちんと抑えているのが確認できます。

OpAmp電源

OpAmpの電源は、PA-304のアキレス腱でもありますが、放熱の対策をしっかり行い、

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きっちり抑え、OpAmpへの影響を無視できるレベルであることが確認できます。

出力信号

これらの効果をアンプの出力端子の状態で確認します。

微小信号

少し大きなノイズが観測された

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-80dBと微小なレベルにも関わらず

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しっかり基本波がみえるまでになりました。

周波数特性

周波数特性は、カップリングの効果が現れます。

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低域のみならず高域でも改善が確認できます。

まとめ

幾度となく繰り返した高調波対策が収束方向に向い、対策がまとまってきました。
今回のアンプは、一部修繕が必要でしたが、状態はよく、効率的にカスタマイズをすすめることができました。

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基板実装状態は、決して大げさではありませんが、実力は、これらの数値が物語ってくれます。

ハンダ面もレジストの補修を行い

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完成です。

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端子台ネジもスピーカ用は、幅の狭いものに統一して完成です。

ヒアリング

 ピアノ等のアコースティクな楽器の音色が体に染み込んでくるのが分かります。

 muses02の為せる技でしょうか。少なくともmuses02やPA-304の実力をきちんと引き出せることができたと思います。

最終的には、オーナーの方に判断を委ねます。

 

 

***

 

いかがでしたでしょうか。一度聞いてみたいと思われたなら嬉しいです。

もし、同じ様にカスタムをしてみたいと思われたらプロフィールのメアドまでご連絡お願いします。

 

これまでのPA-304のメンテナンスは、下記よりご覧になれます。

 

PA-304 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 

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ナカミチ PA-202 メンテナンス ('21-05) ② カスタム編

PA-202のメンテナンスが終了し、ピアニシモ仕様にカスタマイズしてみたいと思います。
さて、どんなアンプに仕上がるでしょうか。楽しみです。

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 おさらい

前回は、30年の時の流れで基板を少し疲れさせてしまっていた基板をきれいに修復し、動作もきちんとできるようになりました。

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電解コンデンサばかりでなく、抵抗や、トランジスタ等を交換しています。

またOpAmpの電源も38V近く合ったものを汎用が聴くように32V程度に調整しています。

早速電源の状態から、効果を検証してみましょう。

電源確認

コンデンサ等が交換されていたため、良好であった電源ですが、電源専用のコンデンサやチップセラコンによる高調波対策を施しました。

 

一次側

一次側は、もともと、1Vくらい変動がありましたが、高分子+低ESR電解により0.3Vまで下がっています。

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それをチップセラコンにより、0.2V以下に押さえています。

その働きで、入力は、測定限界になっています。

これで、ヘッドユニットやクロスオーバへのノイズの伝搬の心配はなくなりました。

二次側(電力用)

チョークコイル電解コンデンサ、そしてチップセラコンの追加で

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きれいに抑えられています。

二次側(電圧)

スパイクの大きめな状態を

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きれいに抑え込むことができています。リップル変動もきちんと抑えられていますね。

出力波形

出力波形にこれらの効果が現れているか確認してみます。

微小信号

ナカミチは、20mVレンジで測定してやっと、ノイズが見える優秀な特性ですが

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さらに改善していることが分かります。

周波数特性

はじめにカップリングは、標準では、4.7uFの電解が標準ですが、10uFのセラコンが装着されていました。

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かまぼこタイプの、とても優秀な特性です。

カップリングを高分子フィルムに交換してみると

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低域が改善しているのが分かります。

また、高域の補正コンデンサも外して、フィルムコンデンサ単独にしていますが、高域の特性はそのままです。

OpAmp関連

OpAmpは、今回、バイポーラ入力タイプのmuses8820を採用してみました。

それに伴い電源電圧をもともと40V近くあったものを32V程度に下げています。

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  • シールドタイプの大型ボリューム
  • OpAmpのゲインを-6dBさげ、ハイレベル入力対応に
  • OpAmpの電源を  標準40V→32Vへ
  • muses8820採用

これらの効果は、はっきり音で聞き分けできます。

まとめ

PA-202は、とても扱いやすいアンプですので、しばらく放置されたものでも少し手間はかかりますが、きちんと修復できます。

その他修理

側板等の鉄の板金は、よくみると下記のようにサビが見られることがあります。

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放置せず、研磨後、プラサフで防錆処理します。これで安心です。

レジスト

侵食で剥がれてしまったレジストも

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しっかり補修します。これで、銅箔の酸化を防ぎます。

最後に外装も洗浄し、端子ネジをクロームに交換して

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完成です。

 

当方のカスタマイズは、現代の特性の良い素子を用いることで、合理的に各特性を改善させ、ナカミチの歌声をもっと聴くことができるように考えております。

 

 これまでのPA-202のカスタム記事は、下記よりご覧になれます。

PA-202 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

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ナカミチ PA-202 メンテナンス ('21-05) ① カスタム・メンテナンス

ナカミチPA-202のメンテナンス機会に恵まれました。
10年ほど保管していたとのことですが、さて、うまくメンテナンスができるでしょうか。

 

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 はじめに

PA-202は、比較的小型の約25cmx25cmサイズで、とても扱いやすいアンプです。

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MIDやツイータに使うと美味しいパワーバンドにフィットしたときの奏でる音は、たまりません。

内部状態

早速分解して、内部を確認してみます。

ハンダ面状態

裏蓋をあけると、基板のハンダ面状態が簡単に確認できます。

 

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セラミックコンデンサの追加等の工夫がされていますね。

少し、液漏れがあった様で、レジスト(緑の保護皮膜)が剥がれています。

部品状態

いくつか部品がすでに交換されているのがわかります。

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電解コンデンサの液漏れがり、修理で交換されたのでしょうか。
最低限の処置ですが、著しく腐食がすすむのは防げたようです。

仮洗浄

基板がまだ腐食液が残っているようですので、洗浄してみます。

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パターンは溶断せずに残っていますが、少し侵食されているのが分かります。

電源状態確認

そのまま、電源を入れることができそうですので、簡単に電源の状態を測定しておきました。

入力ノイズ

入力ノイズが大きいと、内部の状態が悪いことが懸念されますが

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コンデンサが交換されているので、良さそうです。

二次側(電力用)

電力用も確認してみると

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標準的な状態で有ることがわかります。

二次(電圧用)

電圧用は、スパイクが標準でも大きめですが

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標準程度のノイズ(ピークで100mV以下)です。

修繕

液漏れは、部品を交換のみでは、電解液が残ってしまい、腐食が進行することがあります。

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ジャンパ線が腐食で黒くなっているのがわかります。

基板が一部黒くなっているのは、部品固定の接着剤でしょうか。

部品取り外し

大きな部品を取り外し確認します。

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そんなにひどくは無いのですが、接着剤に電解液が染み込んでいるのでしょうか。
黒くなっています。きれいに剥がします。

固定シール材剥離

錆びてしまったジャンパを取り外し、シール材を剥離します。

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ジャンパは22本外すことになりました。

パターン研磨

電解液でハンダが酸化してしまい、そのままでは、はんだ付けがゆきません。

面倒ですが、半田を吸い取り、その後、かるく水研ぎします。

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部品の穴も一つずつ、ドリルで揉んで、きれいにします。

ジャンパ取り付け

ジャンパを新しいものに交換します

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赤丸は、基板が腐食してしまい、パターンが弱くなったところをハトメで強化しています。

部品取り付け

部品を取り付けします。

f:id:MatsubaraHarry:20210524105148j:plain

  • 電解コンデンサ
     あまり大きなコンデンサではなく、周波数帯域にマッチした低ESRを装着
  • 抵抗
     赤丸は抵抗が腐食してしまったので、交換しています。
  • コイル
     コイルは、トロイダルコイルにして、ESRを小さく、かつ磁気漏れを抑えます。
     電源の効率化と、低ノイズ化になります。

つづく

 これで、電源が新品同等になったので、動作確認とノイズレベルの確認にすすみます。そのご、ピアニシモ・カスタマイズへと進めて、30年前のアンプに音楽を奏でる生命力を吹き込んでみたいと思います。

 

これまでのPA-202のメンテナンスは、下記よりご覧になれます。

 

PA-202 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

また、PA-304は、下記よりご参照ください

PA-304 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

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ナカミチ PA-304 カスタム・メンテナンス #3 ('21 5) ① 状態確認・整備

おなじみのPA-304の整備録になります。
最初に状態確認をしたところ、コンデンサの液漏れが見受けられました。
きちんと修繕して、最終的にmuses02仕様にて仕上げたいと思います。

f:id:MatsubaraHarry:20210523171222j:plain

 はじめに

おなじみの45W x 4chのパワーアンプ PA-304ですね。

PA-304仕様

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4chのアンプは、4スピーカ仕様、マルチアンプ、さらに、BTLで高出力と、様々な使い方ができます。

状態

PA-304、PA-302等は、歳を重ねると、どうしても不具合の生じてしまうことがあります。

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このアンプも、一次側のコンデンサの液漏れが見受けられます。

メンテナンス

早速、メンテナンスしてみました。

基板洗浄

電解液を中和しつつ、洗浄します。

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レジストが剥がれてしまっています。

拡大してみると

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コンデンサの足の銅箔が、円状に溶けてしまって、切断しているのが分かります。

パターン修正

電源パターンなので、丁寧に修繕します。

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  • パターンを研磨
  • 全体に予備ハンダ
  • 銅箔をはりつけ
  • 取り付け穴を開ける
  • ハトメで固定
  • 部品取り付け

という、工程でしっかり修正します。

とても手間がかかるので、採算がとれず、対応していただけるところは、なかなか少ないと思います。

部品実装面状態

液漏れは、一次の電解コンデンサ(写真左下)のみで

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しっかり洗浄し、腐食が進行しないようにしています。

OpAmp

アンプ基板側にあるOpAmpの電源は、ロットによって、少し熱が上昇する傾向があります。

そのため、基板が焼けて、傷んでいる場合があります。

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今回も、素子自体を大きくし、放熱効率をあげています。

その際、トランジスタの足は、ハトメで、パターンに負荷がかからないように強化しています。これにより、パターン剥がれ、切れが発生しないようになります。

修繕完了

修繕が一通り終了しました。

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高調波対策や、OpAmp、カップリングは、一度動作確認を行ってから進めます。

動作確認

基本修繕きちんとできているか、電源を中心に確認してゆきます。

一次電源ノイズ

一次(入力、一次)のノイズを確認します。

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入力の変動も小さく、一次側も2V程度ありますが、標準状態です。

きちんと動作しています。

二次側(電力用)

チョークコイルが入っている為、三角波が一般的です。

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標準的な波形で、正しく動作しています。

二次側(電圧用)

電圧用は、標準では、スパイクが強めですが

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100mV以下ですので、とても優秀です。電解コンデンサが低ESR品の効力です。

スパイクは、この後、きっちり抑え込む予定です。

OpAmp電源

一般的には、ノイズが大きく見られるところですが

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すでに、大型の素子に交換、またコンデンサに高分子を使っているので、かなり良好です。これもパスコン追加で測定限界へ抑え込んでみたいと思います。

微小出力波形

簡単に出力の状態を確認してみます。微小出力状態なので、とても厳しい測定ですが

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ノイズが目立ちますが、ナカミチだから、このレベルで済んでいます。
他社のアンプで、20mVレンジの波形は、1kHzの基本波がわからないことも珍しくありません。これもきっちり直してゆきます。

つづく

正常にアンプが動作することが確認できたので、次に、いよいよピアニシモ仕様のカスタマイズに進みます。

これまでのPA-304のメンテナンスは、下記よりご覧になれます。

 

PA-304 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

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