ナカミチのカーアンプでも初期のモデルで、比較的小型のPA-200をカスタム・メンテナンスしてみます。このアンプは、30W x2chで、ハイレベル入力の切り替えもついており、サイズ及び能力も大型アンプに引けを取りません。
30Wは、重いスピーカを駆動するには、心もとないのですが、フルレンジや、MidHigh、ツイータは、十分な出力です。逆にパワーバンドでうまく鳴らすことができるかもしれません。
そのためにも、暗ノイズは、極小に仕上げたいと思います。
はじめに
PA-200は、黒アンプと称するカーアンプの世代で、低歪、高S/N比、そして高帯域を誇るアンプです。
外観
ヒートシンク機能を有したアルミの押出材のシャシー収められています。
内部
単一基板構造のシンプルな構成です。
音質重視の為、ケーブルによる配線が多様されています。
カスタマイズ
カスタマイズは、いつもの電源メンテナンスと高調波、ピアニシモ仕様です。
仕上がりは、至ってシンプルで、実用的に仕上げるよう、心がけています。
基板状態
オリジナルの基板には、電源強化で、配線が追加されています。
基板補強のケーブルは、なるべく削除して、さらに低インピーダンス化をおこないました。
特に補強用ケーブルは、削除し、銅線で配線してみました。
一本のみ残りましたが、シンプルになったと思います。
入力フィルタ
日本ナカミチのパワーアンプには、チョークコイル(入力フィルタ)が装着されています。
今回は、同等以上のインダクタのトロイダルコアを採用。直流抵抗も1/5に低下しました。
電源カスタム
今回も電源のカスタマイズを中心に行いたいと思います。
一次側
一次側には、セラコンが装着されていないので、少しスパイクがきつめですが
複合的な電解コンデンサの装着で、抑え込みました。
二次側(電力)
フィルタが装着されていないので少しきつめですが
電力が小さめですので、チップセラコンで抑えることができます。
二次側(電圧用)
高調波が少しきになる電圧用も
チップセラコンでおとなしくできました。
OpAmp電源
このアンプのオペアンプには、もともとコンデンサが装着できるようになっています。
場所が狭いので、電解コンが装着できませんでしたが、大きめのセラコンを装着することで、電源ノイズは嘘のように消えてなくなります。これで安心ですね。
カスタム確認
これまでの対策の確認として出力の状態を確認します。
微小出力
ピアニシモの仕様を満たしているか、微小信号を確認します。
数mVのレベルでもきっちり波形が確認でき、良好で有ることが分かります。
周波数特性
このアンプのカップリンjグは、多少小さめのコンデンサが装着されています。
少し大きめのフィルムコンデンサにかえてみると
低域は、10Hzでも-01dB程度で、高域もわずかに改善しています。
まとめ
さほど大きな音量が必要ない方には、今回のような比較的小さなアンプを用いたほうが、そのパワーバンドにフィットしやすく良好な場合があります。
このPA-200は、小さくてもしっかりした性能ですので、ぜひ、試してみていただきたいアンプの一つです。
逆にこの小さなアンプをうまく使いこなせるための調整方法は、オーディオの使いこなしの鍛錬に重要ではと。いかがでしょうか。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。