前回で状態の良いPA-302Sの基本メンテナンス、及びピアニシモ仕様(高調波対策)の確認がとれました。
最後に、カップリングの交換と、OpAmpの交換を行い、最終カスタム確認を行いたいと思います。

おさらい
今回のPA-302Sは、製造初期の機体と思われますが、保存状態がよかったでしょうか、内部状態がよく、基板の補修は不要でした。

いつものように、末永く音楽が歌えるように電源のメンテナンスとピアニシモ仕様(高調波対策)を施し、とても良い状態に仕上がりました。

カスタマイズ
高調波対策がすでに終わっていますので、残る今回カスタマイズは、
- カップリング
- OpAmp交換
になります。
OpAmpについて
OpAmpは、その音の違いを楽しめる、簡単なカスタムアイティムです。
当方で手頃に入手しやすいOpAmpを中心に一覧をつくってみました。

この表で、OpAmpにより最大電圧や、電流がまちまちであることに気づかれたのではないでしょうか。
歪み率等のスペックが気になり、最大電圧や電流を考慮を忘れてしまいがちです。
絶対定格(その電圧を超えると壊れてしまってもおかしくない電圧)が意外と低いOpAmpがあるので注意が必要です。
電源電圧の標準は、ほぼ15Vで設計、検証されているのが、この表でも示しています。
なるべくその電圧に近い値で使いたいところですね。
PA-302標準搭載可能OpAmp
このPA-302で仕様できるOpAmpは、

実は、標準のuPC4570cの電源電圧を少し超えています。
孤高のOPA627を二個使った場合は、電圧が超えていますので、壊れてしまったり、電流の余裕がなくなり、満足な動作ができなくなることが予想できます。
(OpAmp消費電流は、上記に出力ドライブ電流が数mA x2が加算されます)
カスタム後のOpAmp適合
当方のカスタマイズは、OpAmpの電源電圧を調整し、搭載するOpAmpが、きちんと動作するようにしています。

これならば安心して使うことができます。
今回は、バイポーラ入力のmuses8820を選定しています。PA-302のナチュラルな音楽を奏でる特性に向いていると、ヒヤリングを通じて感じました。
出力最終確認
OpAmpの電源電圧の変更と安定化をおこなったので、微小信号を確認してみます。
微小出力(-80dB 1kHz)

少しゲインを下げて測定していますが、暗ノイズがさらに小さくなっています。
ナカミチの数あるアンプでもっとも小さいのではないでしょうか。
周波数特性
カップリングコンデンサを倍の容量の高分子フィルムに交換しました。
これにより、低域の改善と、低域から高域まで単一のコンデンサで伝送でき、よりストレートな音になります。

低域は、ほぼフラットと読んで良いレベルに、
高域も補正メタライズドフィルムも削除しているのですが、わずかながら向上しています。
外観まとめ
外観は、清掃とタッチアップを行い整えました。


端子台も状態の良いものに交換して、完成です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。もし状態のよいPA-302と出会うことができたなら、ぜひ、メンテナンスに挑戦してみてはいかがでしょうか。
はじめは大きな電解コンデンサの交換だけでPA-302の良さが楽しめます。
その後、ピアニシモ仕様に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。
