ADDZEST A-4800 のメンテナンスの機会に再び恵まれました。
状態はよく、音がでることが確認できました。末永く使えるようにしっかりメンテナンスしてみたいと思います。
はじめに
A-4800は、200W x2ch+140W x4ch カーオーディオの4スピーカ+サブウーファにピッタリの仕様です。このアンプで、
- Front x2 + Rear x2 + SW
- TW + MD +SW
- TW + Full Range +SW
さまざまなシステムに、アンプはこの一つで構築することができます。
細かな仕様は、以前のブログをご参照ください。
ADDZEST A-4800 パワーアンプ カスタム・メンテナンス① - pp audio blog
状態確認
外観は、ペイントでメンテナンスされています。
内部状態
さっそく、内部を確認してみます。
とても状態がよく、損傷しているパーツは、見受けられません。
大型電解コンデンサは、交換予定ですので、確認してみます。
少し液漏れしているコンデンサがありましたが、基板を腐食しておらず、ギリギリメンテナンスに間に合いました。
波形確認
状態を確認する為に波形をみると状態がよくわかります。
大丈夫そうです。大きな問題はなさそうです。
周波数特性
カスタム・メンテナンス
メンテナンスは消耗品を中心に交換します。
出力ケーブルは、一回り太いUL1015線材を用います。
FANは、信頼性の高い(日本電産)に交換します。
カスタマイズ
カスタマイズは、しっかり高調波を施し、超低歪のOpAmpへ交換
カップリングは、BPのmuseに高分子フィルムをつけて、低歪とワイドレンジを両立します。
プリアンプ回路解析
プリアンプを解析するために、回路を解析してみます。
パワポのマスターに基板面をミラーで貼り付け、部品面をみながら回路を紐解きます。
紐解いた回路をみると
初段でインピーダンス変換を行い、DCカップリングとDuo β回路になっていました。
ここから、各コンデンサに適切なマテリアルを選定します。
メンテナンス確認
電源確認
このアンプはノイズレベルが小さいですが
リップルを低ESRコンデンサでおさえ、高調波もセラコンできっちり抑えます。
二次側
二次は、1/2ch用と3ch用の二系統あります。
フィルタが入っているので、もともと状態がよいです。
1/2ch用
3ch用
変動も容量をアップした低ESRコンデンサの効果で変動を、セラコンで高調波を抑えます。
出力確認
メンテナンスがきちんとできているか、出力波形を確認します。
最初は、もともとの出力リレーの接点は安定せずレベルが少し変動しましたが、交換して安定するようになりました。
周波数特性
最後に周波数特性を確認します。
もともとのワイドレンジの特性をそのままに、少しですが改善も見られました。
端子台の状態も良かったので、装飾品のクロスで磨き上げました。
プリアンプ周辺も
無理なくまとめました。
これで、安心して、末永く使えるようになりました。
音は、Duo-βの優しく、低歪で、音楽をやさしく奏でます。
ぜひ、アコースティック、ボーカルを楽しんでいただきたいアンプに仕上がりました。
末永く音楽を奏でていただけると思います。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。