PA-202のメンテナンスが終了し、ピアニシモ仕様にカスタマイズしてみたいと思います。
さて、どんなアンプに仕上がるでしょうか。楽しみです。
おさらい
前回は、30年の時の流れで基板を少し疲れさせてしまっていた基板をきれいに修復し、動作もきちんとできるようになりました。
電解コンデンサばかりでなく、抵抗や、トランジスタ等を交換しています。
またOpAmpの電源も38V近く合ったものを汎用が聴くように32V程度に調整しています。
早速電源の状態から、効果を検証してみましょう。
電源確認
コンデンサ等が交換されていたため、良好であった電源ですが、電源専用のコンデンサやチップセラコンによる高調波対策を施しました。
一次側
一次側は、もともと、1Vくらい変動がありましたが、高分子+低ESR電解により0.3Vまで下がっています。
それをチップセラコンにより、0.2V以下に押さえています。
その働きで、入力は、測定限界になっています。
これで、ヘッドユニットやクロスオーバへのノイズの伝搬の心配はなくなりました。
二次側(電力用)
チョークコイル、電解コンデンサ、そしてチップセラコンの追加で
きれいに抑えられています。
二次側(電圧)
スパイクの大きめな状態を
きれいに抑え込むことができています。リップル変動もきちんと抑えられていますね。
出力波形
出力波形にこれらの効果が現れているか確認してみます。
微小信号
ナカミチは、20mVレンジで測定してやっと、ノイズが見える優秀な特性ですが
さらに改善していることが分かります。
周波数特性
はじめにカップリングは、標準では、4.7uFの電解が標準ですが、10uFのセラコンが装着されていました。
かまぼこタイプの、とても優秀な特性です。
カップリングを高分子フィルムに交換してみると
低域が改善しているのが分かります。
また、高域の補正コンデンサも外して、フィルムコンデンサ単独にしていますが、高域の特性はそのままです。
OpAmp関連
OpAmpは、今回、バイポーラ入力タイプのmuses8820を採用してみました。
それに伴い電源電圧をもともと40V近くあったものを32V程度に下げています。
- シールドタイプの大型ボリューム
- OpAmpのゲインを-6dBさげ、ハイレベル入力対応に
- OpAmpの電源を 標準40V→32Vへ
- muses8820採用
これらの効果は、はっきり音で聞き分けできます。
まとめ
PA-202は、とても扱いやすいアンプですので、しばらく放置されたものでも少し手間はかかりますが、きちんと修復できます。
その他修理
側板等の鉄の板金は、よくみると下記のようにサビが見られることがあります。
放置せず、研磨後、プラサフで防錆処理します。これで安心です。
レジスト
侵食で剥がれてしまったレジストも
しっかり補修します。これで、銅箔の酸化を防ぎます。
最後に外装も洗浄し、端子ネジをクロームに交換して
完成です。
当方のカスタマイズは、現代の特性の良い素子を用いることで、合理的に各特性を改善させ、ナカミチの歌声をもっと聴くことができるように考えております。
これまでのPA-202のカスタム記事は、下記よりご覧になれます。
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カスタムナカミチアンプ
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使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。