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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-300II 純正機の確認

状態の良いPA-300IIが流れ付きました。
内部を確認したところ、電源制御の小型電解コンデンサの液漏れだけで、後は良好でした。
この機体を、純正(リファレンス)として、状態の確認をしてみます。
さて、いままでカスタムしてきた機体との違いを改めておさらいしてみます。

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はじめに

 確認内容は、電源のリップル、微細信号、及びf特になります。

電源リップル

①から④を測定します。

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①は、端子間ノイズと呼ばれるもので、EMIファクタになります。

 

入力

入力端子と、一次側を測定。

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改めて、カスタムの効果がよくわかります。

スパイクは、ぜひ、抑えておきたい、ノイズです。

二次(電力)

PA-300の電力には、チョークコイルが入っていませんので、すこしノイズが多めです。

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実は、アンプ側にコイルが入っています。

回路自体には、ノイズは直接印加されませんが、放射ノイズは、やはり気になります。

二次(電圧)

電圧用の電源もスパイクがきついのが解っています。

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きっちり抑えられているのがわかります。

 

微小信号

PA-300IIは、GNDが分離されているため、ノイズが小さいことが、解っています。

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波形の太さが一目瞭然です。多少ゲインが違いますが、標準機は、最小ゲインが限られています。

f特

周波数特性は、どうでしょうか。

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ほとんど変わりませんが、カスタム(左側)の高域がわずかに下がっています。

まとめ

PA-300IIの標準機は、名機と言われることだけあり、SN比もf特も素晴らしい特性です。

カスタムの改善効果は、SN比にも、きちんとあらわれていました。さて、これが実際音で、耳で確認できるでしょうか。

能率の良いTWですと、わかるかもしれませんね。

 

PA-300IIのゲインについて

PA-300IIは、一般のパワーアンプのゲインとすこし回路が異なります。

PA-302等の後継機種は、入力段の単なるボリュームですが、なんとこのPA-300IIは負帰還の量でゲインを調整しています。

したがって、

 アンプのゲインを大きくー>NFB 小

 アンプのゲインを小さくー>NFB 大

となります。ゲインをあまり小さくすると、NFBが大きくなり、一般で言われる立ち上がりが鈍くなる 音へそんな影響がありそうです。

PA-300IIは、ゲインを使える限界で、大きくした方が音が良くなりそうです。

ノイズにはすこし不利ですが、そんなところが、マニアが引寄さられるPA-300IIの魅力ではないでしょうか。

 

前回のこのアンプの物理状態の確認を下記よりご覧になれます。

ナカミチ PA-300II メンテナンス 物理的状態 - pp audio blog

 

今までのPA-300IIの驚異のf特等も下記リンクよりご覧になれます。

PA-300 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

PA-300の魅力が、感じられるかもしれません。

 

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