前回100PAのメンテナンスで、基板のダメージ修繕を交えたメンテナンスを綴りましたが、今回は、検証になります。
電源のリップルと周波数特性、微小信号の再生能力を確認します。
さて、期待通りの結果になっていますでしょうか。
はじめに
前回までは、電解コンデンサを中心に交換を行ってきました。
実装状態
最終的には、こんな感じでまとめています。
- 高負荷電解コンデンサ交換
- ブリーダ抵抗の容量アップ
- 最低限の高調波対策
写真では、純正と変わったように見えないとおもいます。それだけ、メンテナンスが現実性のあるものだと考えていますが、いかがでしょうか。
基本メンテナンス後
電源の検証のポイントは、いつもの概略ブロック図で示してみました。
一次側
一次側です。右側は、②のスイッチング直下のコンデンサの波形です。
P-Pが200mVあったのが100mVいかになっています。
(垂直の分解能が違っていますが、ご了承ください)
二次(電力用)
よく見ると、レベル変動が抑えられています。
高調波対策を施すレベルではないので、このままとします。
二次側(電圧)
ほとんど変わりません。コンデンサの容量は、倍にしているのですが、スパイクが大きく、電解コンデンサのみでは、対応が難しそうです。
高調波対策
当方の方針として、最低限の高調波対策は、標準のメンテナンスで行っています。
これまで、沢山のメンテナンスをさせていただいたので、最小限の対策で、効果的な、対策が可能になりました。
一次側
半分以下になっているのですが、スパイクを少しだけ抑えてみます。
スパイクがちいさくなり、レベルが更に下がっていることがよく分かります。
垂直方向の分解能を合わせると
効果的であることが、良くわかると思います。
二次(電圧)
セラコンを追加するだけで、
レベルまで小さくなりました。(セラコンの容量は、最適化が必要ですので、闇雲につけても、同様の効果は残念ながら、得られませんので、あしからず)
周波数特性
ポイントになりますが、周波数特性を4ch観測しました。
かまぼこ型のきれいな特性です。
高周波で多少のチャネルごとの差はありますが、問題ない範囲と言えると思います。
カスタマイズで、改善することもできますが、今回は、オリジナリティを大切にするメンテナンス仕様ですので、このままです。
微小信号 (-80dB)
数mVの1kHzの信号です。
多少AとBで違いはありますが、とても良い状態だと思います。
まとめ
最低限のメンテナンスで、100PAの本来の能力が復活したと思います。
端子台
端子台も磨き上げと、ネジの部の清掃を施し、ネジも新品にします。
熱伝導シート
当方は、熱伝導用のシリコングリスは、使いません。平面度がきっちり取れていないため、多くの場合、接触が7割程度になってしまっています。
0.5mmの伝導シートを使用することで、放熱が安定します。
最後に、電圧の調整とBIASの調整を行って完成です。
完成
外装の組み立ては、新品のネジを用いています。
端子ネジも耐久性の高いクローム製に交換しています。
反対側は
ショップさんのラベルがついていました。
いかがでしたでしょうか。
メーカsanでは難しいメンテナンス内容になっているのではないでしょうか。
(時間がかなりかかり、採算の目処は、未だに立ちませんが、オーナー様に喜んでいただくことだけを、今は考えています。)
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