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ナカミチ 100PA メンテナンス(2020・9) 検証

前回100PAのメンテナンスで、基板のダメージ修繕を交えたメンテナンスを綴りましたが、今回は、検証になります。

電源のリップルと周波数特性、微小信号の再生能力を確認します。

さて、期待通りの結果になっていますでしょうか。

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はじめに

前回までは、電解コンデンサを中心に交換を行ってきました。

実装状態

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最終的には、こんな感じでまとめています。

写真では、純正と変わったように見えないとおもいます。それだけ、メンテナンスが現実性のあるものだと考えていますが、いかがでしょうか。

基本メンテナンス後

電源の検証のポイントは、いつもの概略ブロック図で示してみました。

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一次側

一次側です。右側は、②のスイッチング直下のコンデンサの波形です。

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P-Pが200mVあったのが100mVいかになっています。
(垂直の分解能が違っていますが、ご了承ください)

二次(電力用)

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よく見ると、レベル変動が抑えられています。

高調波対策を施すレベルではないので、このままとします。

二次側(電圧)

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ほとんど変わりません。コンデンサの容量は、倍にしているのですが、スパイクが大きく、電解コンデンサのみでは、対応が難しそうです。

高調波対策

当方の方針として、最低限の高調波対策は、標準のメンテナンスで行っています。

これまで、沢山のメンテナンスをさせていただいたので、最小限の対策で、効果的な、対策が可能になりました。

一次側

半分以下になっているのですが、スパイクを少しだけ抑えてみます。

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スパイクがちいさくなり、レベルが更に下がっていることがよく分かります。

垂直方向の分解能を合わせると

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効果的であることが、良くわかると思います。

二次(電圧)

セラコンを追加するだけで、

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レベルまで小さくなりました。(セラコンの容量は、最適化が必要ですので、闇雲につけても、同様の効果は残念ながら、得られませんので、あしからず)

周波数特性

ポイントになりますが、周波数特性を4ch観測しました。

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かまぼこ型のきれいな特性です。

高周波で多少のチャネルごとの差はありますが、問題ない範囲と言えると思います。

カスタマイズで、改善することもできますが、今回は、オリジナリティを大切にするメンテナンス仕様ですので、このままです。

微小信号 (-80dB)

数mVの1kHzの信号です。

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多少AとBで違いはありますが、とても良い状態だと思います。

まとめ

最低限のメンテナンスで、100PAの本来の能力が復活したと思います。

端子台

端子台も磨き上げと、ネジの部の清掃を施し、ネジも新品にします。

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熱伝導シート

当方は、熱伝導用のシリコングリスは、使いません。平面度がきっちり取れていないため、多くの場合、接触が7割程度になってしまっています。

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0.5mmの伝導シートを使用することで、放熱が安定します。

最後に、電圧の調整とBIASの調整を行って完成です。

完成

外装の組み立ては、新品のネジを用いています。

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端子ネジも耐久性の高いクローム製に交換しています。

反対側は

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ショップさんのラベルがついていました。

 

いかがでしたでしょうか。

メーカsanでは難しいメンテナンス内容になっているのではないでしょうか。

(時間がかなりかかり、採算の目処は、未だに立ちませんが、オーナー様に喜んでいただくことだけを、今は考えています。)

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