一つのチャネルから音が出ない問題を解決し、基本メンテナンスを施したPA-304。
いよいよピアニシモカスタマイズに進みます。
今回は、オリジナリティを重視し、音声回路は、そのままでカスタム・メンテナンスしてみたいと思います。
おさらい
音の出ないチャネルは、電力供給用のケーブルが切れてしまったため、逆電流が流れ、いろんな回路にダメージを受けてしまい、多くの部品を交換する事態となりましたが、無事に復旧。基本メンテナンスもスムーズに進み、無事完了。
ナカミチ PA-304 カスタム・メンテナンス ('21 9) 整備録① - pp audio blog
ピアニシモカスタマイズ(高調波対策)
基本メンテナンスでも、オリジナルよりよい性能が得られましたが、いつもの様に、高調波をもっと積極的に抑えてみたいと思います。
等を中心に実施します。
一次側
一次側のスパイクは5V程度どうしても生じますが
1/10の0.5V程度に抑え込みが出来ました。
二次側(電力)
チョークコイルと適正な電解コンデンサの容量で既に20mV以下になっていますが
高調波を抑制して、なだらかに仕上げます。
二次側(電圧)
さらに、厳選したチップセラコンで、台形波形に押さえることが出来ました。
アンプ基板の電力波形
アンプ基板へケーブルで電力が供給されていますが、アンプ基板に平滑のコンデンサが装着されていません。
アンプの出力段へ印加されている電圧は、
少しみだれていましたが、工夫して、追加のコンデンサで
きちんと抑え込むことが出来ています。
この実情を把握して、対策されている方を、他で見たことがありません。
最終確認(出力確認)
最後に、これまでのカスタマイズの確からしさ、妥当性を見るために、出力状態を確認します。
微小信号(-80dB)
小さな信号の出力波形は、どうしても、ノイズで埋もれてしまいがちです。
徹底した高調波対策にて
見違えるように高調波を抑制することができました。
周波数特性
最後に周波数特性を確認します。
カップリングやOpAmpはそのままですので、オリジナルの特性を継承しています。
とても良い特性です。
まとめ
PA-304は、高密度ゆえ、各部に負担がかかりやすいです。
これまでの経験を元に、末永く使えるように、かつ、ノイズを極限まで抑えたアンプに仕上げることができました。
こんな一台に巡り会えたなら、ぜひ、音楽の共演者として、迎え入れてはいかがでしょうか。
***
いかがでしたでしょうか。オリジナル性を重視した、ピアニシモ仕様、とても魅力的ではないでしょうか。一度聞いてみたいと思われたなら嬉しいです。
もし、同じ様にカスタムをしてみたいと思われたらプロフィールのメアドまでご連絡お願いします。
これまでのPA-304のメンテナンスは、下記よりご覧になれます。
PA-304 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。