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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ 100PA メンテナンス(2020・9)

幻の100PAが、ドッグ入りしてきました。何度メンテナンスしても、楽しみな機種です。
今回は、状態がよさそうでしたが、取り出してびっくり、危ないところでした。
さて、なにがあったのでしょうか。
電解コンデンサを一つずつ確認してみました。

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 はじめに

 外見では、端子台が欠損しているのが分かりましたが、さて、内部はどうでしょうか。

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状態はよさそうです。液漏れも見当たりません。

簡単にメンテナンス済みそう だったのですが...

端子台

電源の端子台が破損していました。これは、ショートの危険性があり、問題です。

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両面基板なので、外すのが少し大変と思いましたが、半田ゴテと、吸い取りきダブルでつかったところ、意外と取り外すのが簡単でした。

(スッポンでは、難しいかもしれません。)

電圧用コンデンサ

最初に、電圧用の電解コンデンサを確認します。

なぜならば、ブリーダ抵抗が近傍にあり、温度が高いから劣化が進みやすいからです。経験上、このコンデンサの劣化が一番進んでいますので。

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液漏れが若干確認できた程度で、今回は、大丈夫そうです。

 

一次側コンデンサ

では、一次側を外してみます。

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外す時、沸騰音(電解液が沸騰する音)が聞こえ、嫌な感じです。

案の定、コンデンサの液漏れが始まっていました。

幸いなことに、パターンの劣化は、ありませんでした。

電力用コンデンサ

電力用コンデンサは、今まで問題はなかったのですが、

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外す時、沸騰音が聞こえ、開けてびっくりです。

そんなに、液漏れは、ひどくないのですが、電解腐食が始まり、マイグレーションで何度か、ショートしているようです。

腐食の状態確認

腐食は、洗浄後、研磨して初めて、状態が分かります。さてどうでしょうか。

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少し腐食が進んでいて、パターンが切れかかっています。これは、このまま繋いでも、性能は、オリジナルには、ならないです。

腐食パターン修正

パターンの修正は、0.3mm厚の銅板をカットして行います。

まずは、型取りから始め

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手順は、

  1. マスキングテープの上からなぞる
  2. 銅板に貼り付け、カッターで何度か切り込みを入れる
  3. 穴を開けておく(1mm)
  4. 銅板から切り離す
     数回ラジオペンチで折り曲げると、キレイに切り取れます。

あとは、ハトメでスルホール(表のパターンと半田面のパターンが穴を介して導通している)を使って強化し、取り付けます。

当方は、単体を購入していますが、下記のキットが良さそうです。

サンハヤト スルピンキット BBR-5208

 

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ハトメで固定後、半田付けし、レジストをして完成です。

素性測定

さて、いつもの、電源の状態を確認します。

一次側

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いままでのデータと大きな乖離はなさそうです。

二次側(電力)

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電力も標準的です。

二次側(電圧)

電圧の状態は、スパイクがいつも大きめですが、どうでしょうか。

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やはり、少し大きめですね。メンテナンスで改善できるでしょうか。

 

つづく

状態が良かったので、スムーズにメンテナンスが行えるかと思いましたが、意外とコンデンサの劣化が進んでいて、パターンの修正を行うこととなりました。

ですが、ここからは、安心して、作業を進むことができ、きっと100PAは、オリジナルの素晴らしい音楽を楽しませてくれることと思います。

次回は、オリジナリティを失わない範囲の電源メンテナンスを行ってみたいと思います。

次回も、どうぞお訪ねください。

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