電源回路にゆとりのある、ナカミチのPA-302がドッグ入してきました。
一度メンテナンスされたアンプですが、さて、どうでしょうか。
その様子をお届けします。
はじめに
ナカミチPA-302は80W x2chのパワーを誇る超低歪、高S/N比のアナログアンプです。50kHzまで余裕でカバーする帯域は、ナカミチのアンプに対する情熱が今も伝わってきます。
内部状態
早速基板の状態を確認しましょう。
少し電源入力段のコンデンサ付近に電解液が染み出しているのが、確認できます。
このアンプは、メンテナンス済みなので、コンデンサは、交換済されていますが、
電解液の洗浄がされていません。これでは、すぐに動かなくなってしまいます。
また、コンデンサは交換されていますが、220uのところを100u x2並列にしています。
電源初期状態
通電は、できそうなので、初期状態を測定しておきます。
入力側
電源入力の状態です。
少しフレが見られますが、許容範囲といえます。
一次側
1V強のところ3V程度あります。コンデンサの交換で改善可能な範囲です。
二次側(電力)
電力用電源を観測してみます。
電力用にはフィルタが入っているので、極端なリップルはみられません。標準的な状態です。
二次側(電圧)
通例、スパイクが大きい電圧ですがどうでしょうか。
100uF 2個使いが効果てきなのでしょうか、良好です。
実装が、少しアクロバットで振動で壊れていしまう可能性があるので、当方では、避けたい方法です。
アンプ電源
アンプ基板の電源の状態です。
少しフレが残っています。電解コンデンサの容量が標準より小さめでしたので、その影響でしょうか。
メンテナンス
大型電解コンデンサの交換を中心にメンテナンスを行います。
同時に、コンデンサの電解液の洗浄も行います。
液漏れ箇所取り外し
だいぶ液漏れが残っているようです。
洗浄
コンデンサを取り外ましたので、洗浄してみます
さっぱりしました。
電解液が部品取り付け穴に残っていますので、近傍の部品は、一旦取り外して、もう一度はんだ付けを行います。
基板補修
基板の補修もおこないました。
不思議なことに電解液で腐食した半田は、融点が高く、追加ハンダができません。
一度取り除き、研磨する必要があります。
- 部品を取り外し
- 腐食ハンダを除去、
- 研磨
- レジスト処理
を行います。結構時間がかかります。
部品実装
基板の補修が終て、ようやく、部品を取り付けることができます。
コンデンサは、これまでの経験を元に選定したものを取り付けます。
電源の端子台も忘れずに清掃を行います。
つづく
もう一台、ドッグ入していますので、同じようにメンテナンス予定です。
メンテナンスのみで積極的な高調波対策ではなく、最低限の対策をおこないます。その効果は、どの程度でしょうか。
次回もお尋ねください。
ナカミチ PA-302 メンテナンス(2020 09) #2 及び 検査 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。