TP-1200のコントロール ユニットを3回にわたり、メンテナンス、カスタマイズの様子をお届けしました。
いよいよプリアンプ本体のカスタマイズに進みます。
電源の改善を基本に、どこまでノイズを低減することができるでしょうか。
電源改善
電源は、大元のスイッチング電源とOpAmpの電源をメンテナンスします。
電源(11.5V)
基本の電源(11.5V)の状態を確認してみました。
おとなしい電源です。
これをいつもの対策を施すと
リップルがほとんど見えなくなりました。
その他の電源は、もともとリップルが僅かだったですが、同じような対策を施しました。
OpAmp
OpAmpは、いつものように、観測してみると、細かなノイズを観測。
パスコンを追加することで、
スッキリしました。
波形確認
もともとの波形を振り返ってみます。
-80dBですと、きびしですね。
電源の改善で効果はあったでしょうか。
中音量時
波形が細くなっているのが分かります。
微小信号
いつも注目している微小信号はどうでしょうか。
だいぶ良くなりました。
入力段回路
入力段の回路を追っていると、どうやら、差動で受けているようです。
RCAのGND側が、アンプのGNDに導通せず、メガΩ近くのインピーダンスです。
以前 当方が提案している、シールドを浮かす方法が効果的である可能性があります。
これは、上位側のユニットの特性や、接続ケーブルに依存しますが、試す価値がありそうです。
詳細は、下記リンクでご覧になれます。
カナレ 4E6S ライン ケーブル 簡単自作(等価バランス仕様) - pp audio blog
ボリュームリモート制御
コントロールユニットから、リモートで、ボリュームとトーンコントロールを制御できます。現在でしたなら、USB等の通信でDSP等で、簡単に実現できますが、この当時、マイコンをつかうのが精一杯でした。
メインボリューム
メインボリューム(フェーダー)は、シフトレジスタとアナログスイッチの組み合わせで、調整しています。8ビットで、256分解能でしょうか。(詳しく回路を追っていませんが、抵抗の数からの想像です。)
抵抗は、逓倍の定数を組み合わせてゲインを調整しています。
遠い昔、マイコンで、256階調のサウンドを作ったのを思い出す回路です。
トーンコントロール
トーンコントロールは、サーボモータと三連のボリュームで実現しています。
ラジコンにつかうサーボは、パルスのDuty比で、制御しますが、このサーボは、電圧で制御しています。0Vから10Vの範囲で、ボリュームの位置をコントロールユニットから、電圧を印加し、制御しているようです。
最初、専用のサーボICかとC358を調べていたら、よく考えてみると、ただのOpAmpでした。
ちょっとびっくりで、ボリュームのサーボ用の電圧と、コントロールユニットの電圧を比較して、モータをOn・Offしているだけです。(ヒステリシスもきちんとついています。)
かんたんな回路図にすると、下記の様になるでしょうか。
モータの動きを動画でアップしましたので、ご興味の有る方、御覧ください。
懐かしいマブチモータの様な音がします。(残念なことに、ボリュームが寿命で少し発振気味です。)
つづく
随分時間がかかってしまいましたが、次回は、総集編になります。f特等観測し、最終仕上げを予定しております。どうぞ、またお尋ねいただけると嬉しいです。
カスタムナカミチアンプ
もし、ご自分では難しい方は、どうぞ、当方までご相談ください。
ご相談は、オークションにて承っております。
また、オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。