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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ TP-1200 (プリアンプ)カスタム・メンテナンス 整備録

 さて、TP-1200の核心の部分のプリアンプのメンテナンスへ移ります。

このモデルは、カスタムエディションなので、サーボモータのトーンコントロールが外されています。すこし、操作性が犠牲になりますが、音は確実に良くなります。

その名機カスタムモデルでも、当方の高調波カスタムの効果は、確認できるでしょうか。

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 はじめに

冒頭から、中身の写真が登場していますが

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右上のサーボモータによるトーンコントロール部が取り除かれています。

このトーンコントロールのボリュームを制御しているサーボモータは、ラジコンのサーボモータのPWMを使えば簡単に実現できるのですが、ノイズを嫌っての、独自の電圧方式を採用しています。これを見たときには、とても驚いたのを今でも覚えています。

そトーンを思い切って取り除いている力の入れようには、脱帽です。

移動用仮固定

このプロアンプもよく見るとバネで3D方向より浮かせてアイソレーションしています。ですが、移動時には、このアイソレーションのダンパーや内部に損傷を及ぼす可能性があるので仮固定用ネジがあります。

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すこしわかりにくいのですが、両サイドより長いネジを入れることで、内部が固定され
アイソレーション構造が守られる様になっています。

写真では、作業性を向上するため、ダブルナットでさらに動かないようにしています。

 

RCAコネクタダメージ

RCAの清掃を行おうとして、とりはずしたところ、コネクタにダメージがあることがわかりました。

すこし、ペンチ等で直してみたのですが、限界があるようです。

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オーナーの方とご相談後、RCAのコネクタは、頑丈なものと交換。

 

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 かなりしっかりしたもので、安心感があります。

バイブレーションアイソレーション

このプリアンプは、振動アイソレーション構造になっていて、サスペンションと繊細なショックアブゾーバーが装備せれています。

一般搬送時には、固定用のビスがついていて、ショックに負担がかからないようになっていますが、本体に注意書きが無いため、見逃してしまいます。

 

今回、残念ながら、ダメージをうけて、少し損傷してしまいました。

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分解し、接着剤で補修できるれべるでしたので、幸いにも復旧できました。

 

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電源メンテナンス

さて、いつもどおりの電源メンテナンスを行います。

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高調波を抑え、リップルも低減しています。

OpAmpパスコン

OpAmpのパスコンは、とても効果的です。

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少し手間ですが、7箇所きっちりおこないました。

信号確認

さて、信号の出力には、どのような形であらわれるでしょうか。

標準機状態

標準の状態の波形になります。

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-80dBでは、かなりきびしいです。

メンテナンス後波形

メンテナンス後の波形とひかくしてみます。

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-40dBでもはっきりと効果が確認できます。

 

微小信号効果

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-60dBでもしっかり、また、-80dBでも、1kHzの波形が確認できるようになりました。

入力比較

このプリアンプには3系統の入力があります。

念の為比較をおこなってみまひた。

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Tunerの入力は、ゲインが-6dBですので(コントロールユニットが出力を倍にしてSN比を稼いでいます)、1kHz出力を+6dBにしています。

その分、ノイズも小さくなることが確認できます。

周波数特性

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若干40kHzから上昇していますが、標準機と同等の特性です。

ノイズも小さいので、全く問題ありません。

まとめ

何度聞いてもこのプリアンプを介すとパッシブボリュームとの比較ですが、音が格段に、よくなります。おそらくラインのインピーダンスが影響しているのと、ボリュームがディスクリート構成の電子ボリューム(マニュアルのステップボリュームとほぼ等価)の効果だとおもいます。

パワーアンプの近傍まで、高いラインレベルで伝送さることは、とてもメリットがあります。一度このプリアンプを使ってしまうと、もう、他は使えなくなってしまうのも納得です。

 

現代ならばDSPのユニットで同等品がありそうで、その比較も機会があれば試して紹介してみたいと思います。

 

 

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