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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

SoundStream STP-480 メンテナンス(プリアンプユニット)

サウンドストリームのSTP-480のメンテナンス機会に恵まれました。
ご承知の方もいらっしゃるかと思いますが、中身は、TP-1200です。
今回のは、カスタムバーションで(改)のステッカーが貼ってあります。
(一時期流行りましたね。)

内部の状態と、メンテナンスをお届けします。

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 はじめに

外見は、色が違うだの様ですが、早速中を開けてみました。

基板状態

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よーく見ると、コンデンサの上に樹脂の様な帽子がついています。

コンデンサへのおまじない

大きなコンデンサには、銅箔の帽子の上に、樹脂(ホットメルトでしょうか)で包まれています。

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圧電ノイズの抑制効果は、ありそうです。
これが(改)の仕様みたいです。(私の改造、カスタムではないです。)

当方は、これらのカスタムの代わりに高分子フィルムを使って、圧電ノイズをなくすという、合理的な手法を使っています。

測定

メンテナンスする前に、現状の状態を測定しました。

f特

CD入力の特性ですが

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少し、トーンコントロールがフラットになりきっていない嫌いがあります。
なぜならば、TP-1200と同じ様に、トーンコントロールのボリュームをアナログサーボモータで制御しており、位置精度に、誤差がどうしても生じてしまいます。

MINー>センターとMax->センターでは、値が違ってきますが、耳の良い方ならば、動かし方次第で、ツボを見つけられて、楽しめるかと思います。

S/N観測

いつもの、1KHzの波形を用いて、観測してみます。

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やはり、小さな信号では、ノイズが目立ちます。

いつもの、電源の高調波対策で、どこまで、改善できるでしょうか。

メンテナンス

DC/DCがついているので、その波形観測と、コンデンサの交換等の対策を施します。

電源回路

入力側のスイッチングのです。

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レベルはありますが、緩いカーブなので、気になるような影響は出にくいはずです。

コンデンサ変更

ほぼ同じ容量のOSコンにして、改善を試みます。

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劇的に良くなった。と言いたいのですが、ウネリが出ています。
効きすぎて、DC/DCの制御範囲からはずれてしまっていそうです。
困ったことになりました。

出力側

出力側を確認してみます。

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やはり、DC/DCの動きに大きなウネリが生じてしまっています。

一次側 低ESRコンへ

一旦、コンデンサを、電解コンデンサにしてみます。

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低ESRなので、リップルの改善が見られます。OSコンの効果と比べると、少し物足りないですが、出力が安定することを、期待しましょう。

二次側安定化

おそらく安定はすると思いますが、リップルの改善はあるでしょうか。

 

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安定して、リップルのレベルの低減もできました。

でも、少し高調波が気になりますね。

二次側高調波対策

大げさではないですが、

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チップセラコンを取り付けて、程よく抑え込むことができました。

これは、値もありますし、測定をしていないと、できない改善です。

アンプのチューナーの中には、セラコンをコンデンサに闇雲につけられることがありますが、一定の値ではなく、その高調波の帯域、エネルギーにより、容量やESRレベルを考えて、追加しなければなりません。

カスタム後の実装状態

二台目なので、なるべく同じにしたかったのですが、電源の状態が異なり、その部分だけ、異なります。

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カスタム内容
  • 電源のコンデンサ 低ESR化
  • 電源のスパイクの低減(チップセラコン)
  • OpAmpのパスコン追加
  • 高域補正係数変更(持ち上がり、抑制)
OpAmpのパスコン追加

とても効果的なのは、OpAmpへのパスコン追加です。

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ちょっと、手間なのですが、一つずつ丁寧に仕上げました。

カスタム効果

さて、本当に、効果は、出力の信号に表れるのでしょうか。

中レベル信号

比較的大きなレベルだと、あまりノイズは目立ちませんが

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僅かですが、改善が確認できます。この電圧でわかるのであれば、劇的な効果ではないでしょうか。

微小信号時

注目は、微小信号-60dBや-80dBです。

 

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波形が細くなっているのが、よく分かりますね。

f特

周波数特性も超高域を抑えた変更をしています。

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微妙ですが、フラットに近づいています。

低域の下がりと高域の上昇は、実際のシステムで調整も良いと思います。

まとめ

TP-1200と同じですが、今回は、トーンコントロールを温存してみました。

多少f特に影響が残っていますが、トーンコントロールは、使い勝手がよいので、つかってみてから、取り外すかどうかは、検討してみたいと思います。

 

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