前回 ライン(RCA) ケーブル の 疑似バランスについて綴ってみましたが、実際お使いになった方より、このケーブルの音に驚かれています。
ぜひ、みなさんに この音を体験していただきたく、作り方のポイントを綴ってみました。
ポイントさえ押さえれば、簡単につくれますので。
ケーブルの接続仕様
疑似RCA Cableで綴ったように、4芯のマイクケーブルを使って、2芯を信号、残り2芯をGNDにつかいます。ポイントは、編組シールドを片側のみ接続するところです。
下図は、カーオーディオの接続の概略図です。
アンプ側のGNDが、独立している場合に特に有効です。
カーオーディオの場合、ヘッドユニット(プリアンプ)とパワーアンプのGNDは、ボディアースで共通の場合が多く、パワーアンプで多くの電流が流れた場合、GNDの電位が上昇し、RCAケーブルのGNDに電流がながれる場合を考慮し、GNDを差動で受けていのることも考えられているのでは無いでしょうか。
ホームオーディオのセパレートパワーアンプでも有効です。
用意するもの
- カナレ 4E6S
- RCAコネクタ
- 収縮チューブ 黒(7φ、3φ)、白(7φ)
- はんだごて(30W程度)、ハンダ
- 工具(ストリッパー、ニッパー、ピンセット、ラジオペンチ、カッター)
- 竹串
- その他(RCA メスコネクタ、ミニバイス等)
工具は、オーディオを少し、いじられる方なら、だいたいお持ちのもの一般的な工具です。
ストリッパーだけは、良いものを使ってください。大事な芯線を切ってしまいますので。
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ケーブルは、切り売り等売っています。
制作
まずは、ケーブルのストリップ作業です。一番大事で、少し慣れがが必要な作業です。
外皮ストリップ
外皮を約15mm程度剥きます。
外皮剥きのポイントは
- ケーブルを転がす。カッターは、一緒に沿わす。(ノコギリ動作は厳禁)
- 外皮1mm程度歯が食い込む程度で(一気にシールドまで切らない)
1mm程度傷を付ける感じです。
その後、少しゆっくり曲げると
切り込みから、切れていゆきます。
90度ずつかえて曲げると、切り取れます。
こればかりは、慣れが必要なので、うまくゆくまで、頑張ってください。
シールドに傷が入ったら、諦めて、やり直しましょう。
シールド剥がし
ここで、竹串を使います。
シールドのクロスしているところを一つずつ、引っ掛けて、先端に向かってほぐします。
これも数回行うと、コツが分かります。
ほぐすと概ね上記の様になります。シールドは、折り返し、保護の紙や糸を切り取ります。
上記の様な感じにします。芯線は、4方向に広げます。芯線が剥きやすくなるので。
芯線剥き
芯線を傷つけないように剥きます。
ストリッパは、0.65、0.8があるものが良いです。
白は、3mm程度、青は4mm程度残して切ります。
青を若干長くするのが良いですが、これは、使用するRCAコネクタにもよります。
さて、ストリップですが、一度に該当の歯でむかず、切込みを入れるだけにします。
- 0.65スケアで切り込みを入れる
- 0.8でもう一度 くわえ直す
- 真っ直ぐにケーブル先端へ引く(斜めにすると芯線に傷が付きます。)
芯線が切れていないことを確認します。
(切れてしまったら、諦めてやり直しします。)
よじる
シールド、青、白の順番によじります。
白は、下方向に根本を曲げてから、よじります。
青は、上方向に引っ張りながらよじります。
この時、ホスト側は、シールドは、白側に
アンプ側は、シールドを青側にします
予備ハンダ
予備ハンダをします、この時、白と、シールドは、ほつれないようにするだけ、最小限にしてください。RCAコネクタのアースの穴に入りませんので。
その後、RCAのハウジングをケーブルに通したあと、シールドの穴に通して、
引っ張ります。捩りながら、引っ張ると、根本まで引っ張り出せます。
ハリーは、上下に分けてはんだ付けしています。
はんだ付け
いよいよはんだ付けです。バイス等でRCAのメスコネクタにコネクタを取り付けてはんだ付けするのが良いです。
(信号部の絶縁樹脂が溶けて、傾いてしまう場合があります)
この時、金具にコテを当てて、金具を温めて、金具にハンダを流しこむようにして、はんだ付けします。きれいなフィレットが出来て、線材にハンダが綺麗に吸い込まれている状態が良いです。(最低限の半田量が良いです。)
あとは、余分なところをニッパーで切り取ります。
次は、芯線を1mm程度、ピンの穴に入る様にカットして、はんだ付けします。
(このときも、ピンを温めて、ピンにハンダを流し込みます。)
アンプ側の処理
反対側のシールドを接続しない方も同じ様に処理しておきます。
その際、シールドのよじる位置は、青側で、白側と反対にします。
(シールドの絶縁処理端末を上側にする為です。)
その後、コネクタのハウジングを通してから、長さ7mm程度のチューブをいれて
収縮大チューブ取付
収縮小チューブ取付
シールドを、5mm程度でカットして、2φ程度のチューブを長めにかぶせます。
(使わないシールドですが、もし、両端でシールドに接続したいときにこのチューブを向いて、シールドのカシメに共ジメすれば、通常のRCAにできますので。)
熱保護
マスキングテープで熱保護して
(ヒートガンは、持っている人は少ないと思いますので)
マスキングで保護すると、ケーブルを傷めずに収縮できます。
加熱収縮
半田ごてで加熱します。(燃やさないように、ライターでも出来ます)
コネクタはんだ付け
最後に、コネクタにはんだ付けします。
ケーブルをかしめるところは、なるべく、切り取ったところから数mm開けてかしめます。
完成
完成です。
やっぱり、時間かかりますね。
チェックは、ホットとGNDの抵抗値が同じになるかどうかで概ね分かります。
まとめ
手頃にある工具での制作をまとめてみましたが、いかがでしょうか。
リーズナブルな材料で、高品質なケーブルが出来たのではないでしょうか。
まずは、基準のRCAケーブルをこのカナレのケーブルにしてみていただけると嬉しいです。
両端シールドタイプも、効果がある場合があります。いろいろ工夫ができ、楽しんでいただけたら、幸いです。
アンプ側のシールドにケーブルを半田付けし、アンプ本体のアースに接続できるようにすると、どちらが良いか、簡単に聴き比べできるので、面白いのでは、ないでしょうか。
ケーブルの基本特性も測定しましたので、そちらも参照してください。
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