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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

TP-1200 メンテナンス(Control Unit f特対策)

TP-1200の特性を確認していたところ、超高域が少し上昇している傾向が観測できました。オーナーの方も中域、ボーカルが前に出てこないとのこと。実際は本体の影響なのですが、まずは、コントロールユニット側をppAudioらしい状態にしたいと思います。

さて、簡単にf特が対策できるでしょうか。

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 はじめに

 コントロール基板には、たくさんのカップリングコンデンサが乗っています。部品の高さも8mm以下にしなければなりません。小型の電解コンデンサは、通常品にくらべ性能が少し見劣りしてしまいますが、品質が確保できる実装が優先なので、まずはオーソドックスにメンテナンスしてみます。

交換パーツ

カップリングコンデンサ効果の確認の為Lチャンネルだけ交換しています。

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実装されているコンデンサを調べるとtanδが準備していた物の倍ありましたので、交換しています。

バランス伝送?

よくみると、OpAmp一つ(2ch)にカップリングが2つ ついています。波形を確認すると、正極負極のレベルがちがいますが、バランスになっていそうです。

高域補正

前回の測定では、100kHzで 約2dB上昇しているのがわかっています。f:id:MatsubaraHarry:20200810232532j:plain

 

よくみると、OpAmpにコンデンサがついています。

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入力のノイズを落とす為のコンデンサでもあるのですが、OpAmpの入力とGNDの間にはいっているので、高域が上昇することも、わかりました。

f特改善

コンデンサの容量を変更すると案の定、f特が改善されました。

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もともとは470pFが装着してあり、120pにすると1dB以下になりました。

 

本来は、このコンデンサは、無くても良さそうですが、ノイズ低減の意図があって回路に装着しているので、コントロールユニットは、コンデンサ交換とともに、高域補正として120pにてすすめることにしました。

プリアンプ部

さて、コントロールユニットも方向性が固まったので、本体 プリアンプ部を確認してみます。

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開けてみると、やはり、ダンパーがあり、スプリングが1コーナに4つついています。

すべてで、16個もスプリングが必要です。

 

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コントロールユニットは、オーナーさんの使い方は、本体側に直接接続するので、実際に音声信号が経由しないのですが、本体を探る前の、準備として、またppAudioのコンセプトとして、改善を実施しました。

ウェイト

基板を浮かすだけでは、質量が軽くなり、車の振動で、動いてしまいます。
そんな問題にも検討され、真鍮の角柱でしょうか、その質量で、質量バランス及び、共振の周波数を下げています。

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万全の振動対策が施されています。

つづく

 コントロールユニットの改善の目処がついたので、いよいよ本体です。

  1. 電源のノイズ確認
  2. カップリングコンデンサ確認
     取り外しtanδを測定して、改善しそうな場合交換。
  3. 高域補正コンデンサ調整
     こちらはディスクリートコンデンサになっていますが、同じ470pがついています。
  4. OpAmp IC Socket化
     トーンコントロール部のOpAmpがディスクリートなので、ICソケットにします。ただ、電圧が低いので、一般的な良いとされるOpAmpが通用しない可能性があります。

最高の音を車内に TP-1200 メンテナンス(状態確認) - pp audio blog

電子ボリューム

よく基板を観察すると、電子ボリュームが使われていることが分かります。
この当時、まだ、チップ化されていなかったか、音質が満足できなかったか、定かではありませんが、ディスクリートで構成されています。

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