ロックフォード 250の整備の機会に恵まれました。動作が不安定とのお話でしたが、さて、修理できるでしょうか。
はじめに
基本性能
リアパネルにスペックが記載されています。
このロックフォードの250m2は、125W x2(ブリッジで250W)のパワーアンプです。
ネットワーク機能
ハイパスやローパスの機能も有しており、ユニークなのは、そのフィルタ特性を小さな基板を付け替えることで行えます。
また、この基板の差し込む方向でローパスとハイパスの切り替えを行います。
面白い工夫ですね。
その他に、ブリッジ切り替えや、スルー出力も備わっています。
内部状態
底板を外すと、基板が確認できます。
左右シンメトリの基板構成になっており、電源も二次側が左右独立になっています。
こだわりが、伺えます。
事前準備
10年間、大事にしまわれていたのですが、清掃が必要です。
端子のカバーは、イモネジを取り外すと簡単に取り外せます。
端子部は、腐食は進んでおらず、簡単な清掃できれいになりました。
RCAもいつものように清掃して、測定準備完了です。
不安定原因?
動作が不安定とのお話がありましたが、基板を確認していたところ、リモートのファストン端子のはんだ付けが、グラグラ。
幸いにもパターンは剥がれていませんでしたので、ハンダを一度吸取り、修理完了。
電源を投入して、動作が確認ができました。
初期状態確認
電源は、とてもシンプルな構成です。
二次側が左右独立になっています。
一次側
いつものように、一次側を測定してみました。
0.5V程度で、フィルタがついていないのですが、優秀です。
二次側
二次側は、±40Vが2系統。電圧差が80Vなので、うかつに触るとしびれる電圧です。
Rのマイナス側のスパイクが少し大きめでしょうか。それでも、100mV以下ですので優秀です。
出力波形
出力波形を確認します。海外のアンプは、多少ノイズが確認できますが、パワーがありますから、致し方ないところでしょう。
左側の方がノイズが大きいのは、電源の状態とは、異なるようです。
メンテナンス
早速メンテナンスを行いたいと思います。電解コンデンサの交換と高調波対策を施します。
一次側
一次側の電解コンデンサを外したところ、液漏れが少しありました。
基板にも多少腐食が見られますが、研磨とレジスト塗布で、簡単に補修できました。
オリジナル: 2200uF x4
カスタマイズ: 4700x2 +470uF + 4.7uF
4700uFに交換することで、リップルのレベルが下がりました。
その後、振動を抑えつつ高調波対策を施し、オリジナルの1/3程度に低減することができました。
二次側
二次側は、4700uFの大きな電解コンデンサが装着されており、リップルのレベル変動は、小さいので、まずは、高調波対策を行いました。
大きなスパイクを抑えることができてました。
つづく
ブリッジ切り替え等を有するアンプは、左右でノイズのレベルが異なることがあります。今回もそれが原因でしょうか。
二次側のスパイクの低減で、出力のノイズ低減効果は、確認できるでしょうか。
次回は、出力のノイズ効果を確認してみたいと思います。
同じロックフォードの100aのレポートは、下記リンクよりご覧いただけます。
RockFord punch 100a II メンテナンス 整備録 - pp audio blog
ご希望の方は
当方のブログを見ていただいた方で、同様のアンプを聞いてみた方、オークションで、カスタムしたアンプを出品していることがございます。数はとても少ないので、幸運にも遭遇された場合は、ご検討お願いします。
もちろん、メンテナンスのご依頼もお待ちしております。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。