前回は、貴重なナカミチ DAC-111の素顔を覗いていみました。今回は、少し気になる電源のノイズを対策してみましょう。さて、その効果は、出力に現れるでしょうか。
はじめに
前回は、その素顔を覗いてみました。驚くことに、独立回路、DACのみならず、電源から出力のOpAmpまで独立という、こだわった設計でした。
電源ノイズ抑制
どうしても、カーオーディオには、入力がDCの為、スイッチング電源が必要で、そのスイッチングノイズが少なからず、生じてしまいます。
本DACは、とても優秀で、かなり拡大して初めて確認できるノイズですが、まだ、改善できる余地はありそうです。
早速、いつもの、超低ESRの電解コン、高分子及びセラコンで対策してみたいと思います。
一次側対策
一次側の結果は、ご覧の通り
ほとんどノイズが観測できないレベルになりました。
オリジナルと比較してみると
歴然ですね。
電源の容量が小さいため、基本的なな対策で、効果てきめんです。
一次側の負荷の多い電解コンデンサは
1000u+0.1u → 1500u+ 470u + 4.7uF
の組み合わせで効果的に低減しています。
二次側
もともと良好でしたが、ほとんど観測できないレベルになりました。
オリジナルと比較すると
わずかにスイッチングしている箇所に小さなヒゲが見られる程度です。
OpAmp電源
OpAmpの電源は、わずかにノイズが確認できる状態でした。
パスコンを追加することで、簡単に測定限界にすることができました。
微小信号確認
さて、出力への効果はどの程度あるでしょうか
ほんの僅かですが、効果が出力にもしっかり現れています。
つづく
ここまでの基板の状態ですが
あまり変化が無いように見えます。
OpAmpは、ソケット化して、低歪板を装着しています。
出力ノイズの改善
じつは、出力は、少し工夫をすることで、更に改善しました。
次回は、その他、DACの電源等の改善及び、カップリングコンデンサの変更を行い、最終的な確認を行っていみたいと思います。
今まで測定した、DACは下記よりご覧になれます。
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カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。