嬉しいことに、100PAが当方のところに、再び、流れ着きました。
今回は、オーナーの方より、修理、メンテナンスのみのご希望です。
簡単に、メンテナンスの様子を綴ります。
はじめに
今回は、再生中に大きなノイズが出るという症状とのことでした。
今までの経験では、電圧回路のTrのはんだ付けが、振動疲労により接触不良を起こすことが、わかっています。ですが、100PAには、該当のトランジスタがありません。
さて、原因は、わかるでしょうか。
基板状態
基板状態を確認してみましょう。
特に液漏れ等の劣化は、ありませんでしたが、故障している状態で通電するのは、他にダメージを与えかねませんので、まずは、電力用のコンデンサを外し、交換して、様子を見てみます。
電圧増幅用電源
コンデンサを取り外しているうちに、一箇所、状態がおかしいところがありました。
どうやら、修理履歴があり、液漏れして配線が腐食しています。
よく見てみると、PAD(コンデンサの足の円形の銅箔パターン)がほとんど、なくなっています。僅かな部分が、ついたり離れたりして、大きなノイズが出ていたと思います。
幸い、近傍に同じ信号があるので、コンデンサのリード線で接続します。
故障原因
故障の新の原因は、コンデンサの液漏れではなく、コンデンサの液漏れがどうして発生したです。
隣に、高温のブリーダ抵抗があり、高リップル電流が流れるため、コンデンサの寿命が早くなったのが、真の原因です。
対策は、ブリーダ抵抗の容量を大きくし、放熱効率を上げることで、温度を下げ、かつリップル電流が少なくなるように、対策します。
電源特性
今回は、メンテナンスですので、電源回路の強化のみを行います。
(積極的な高調波対策は、カスタマイズの範囲になります。)
一次側
コンデンサは、電源用の長寿命、低ESRのものと、交換を行います。
一部、高分子コンデンサを使用しているため、リップル低減効果が大きいことが分かります。
二次側(電力)
電力用は、もともと、状態がよく、効果が見えにくいのですが
二次側(電圧用)
パターンが切れていた、不具合の部分です。
スパイクノイズが大きく、これも、コンデンサに負担をかける要因になります。
最低限のセラミックコンデンサで対策し、改善されているのが分かります。
外観
外観も簡単にメンテナンスします。特にターミナルは、接触不良を起こしかねませんので、丹念に清掃します。
ターミナル
曇っていた、端子を、磨き上げ、ネジ部を清掃し、
端子ネジを交換して、出来上がりです。
もしかすると、一番音に影響が有る箇所かもしれませんね。
RCA入力、スピーカ端子
同じ様に磨き上げます。
貴金属を磨き上げる専用のクリーナを含む布で磨き上げます。
RCAコネクタは、その挿入感がスムーズです。
ボディ
ボディも分解時に、中性洗剤で洗います。
傷までは、取りきれませんが、清潔感の有るようにしています。
取り付けネジも新品に交換で、ターミナルも光っているので、キレイに見えると思います。
調整
- 電源電圧
- BIAS電流
100PAは、BIASの電流調整がとても楽にできました。 - GAIN
ドッグ入りした時の値を目安に、すべてのチャネルを合わせます。
今回は、MAXに近い28.1dBに調整しました。
まとめ
今回は、基本的なメンテナンスの様子を簡単にお届けしました。カスタマイズに抵抗を感じられるナカミチファンもおられると思いますが、今回のようなメンテナンスでしたなら、ご納得いただけるのではないでしょうか。
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