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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-302S ピアニシモ・カスタマイズ '21-jul #2

今月2台めのPA-302Sのカスタム・メンテナンス整備録になります。
状態の良いPA-302Sが入手出来ましたので、ナカミチファンにお届けすべく、メンテナンスシてみたいと思います。
今回は、今まで取り上げていなかった、アンプ基板の電源状態のカスタムによる改善効果を含めて紹介してみたいと思います。

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 はじめに

PA-302は、電源基板とアンプ基板の2枚構成になっています。

 

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左側が電源基板、右側が、アンプ基板になり、きっちり別れています。

ボディに装着する際に、基板の間にシールド板が入るようになって、電磁シールドもされているこだわりようです。

 

基板の接続を、わかりやすいように、ブロック接続図を書いてみました。

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(各部の電源は正極と負極の2電源です。)

このPA-302は、電力用のコンデンサがアンプ基板にふんだんに搭載されているのが、特徴です。
PA-304、PA-300には標準では搭載していませんので、当カスタマイズは搭載し、効果的に改善を行っています)

 

 

基本的なカスタム確認の最後に、このアンプ基板の電源カスタマイズの効果を紹介しますので、最後まで、閲覧お願いたします。

ピアニシモカスタム確認

いつものように、初期状態確認後、高調波カスタマイズ(ピアニシモカスタマイズ)を行い、効果の測定を行います。

入力ノイズ

入力ノイズは、一次側や二次側の対策の相乗効果がみられます。

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一次側は、いつもの約0.3V程度になり、とても、良好です。

二次(電力用)

二次の電力用は、少し小さめの電解コンデンサが装着されていますが、コイルが挿入されいるため、程よく抑制しています。

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電解コンデンサは、程々の容量アップで、低ESRのものを使用し、抑制し、セラミックコンデンサにてしあげ、10mV程度に仕上げました。

二次側(電圧用)

電圧用は、フィルタが割愛され、スパイク少しありますが、後段に定電圧回路があるので、さほど気にしなくてよいのですが

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伝搬しやすい高調波を、チップセラミックでしっかり抑えました。

OpAmp電源

OpAmpの電源もいつもどおり、仕上げました。

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  • 電圧変更 19V->16V
     musesを装着するので、16Vに落とします。
     電圧を落とすことで、電流容量もアップします。
  • トランジスタ、抵抗
     供給電圧を落とすことで、降下電圧が上昇、それにより抵抗の電流が上昇。
     供給電流がアップします。
  • 平滑コンデンサ
     オリジナルでは、セラコンですが、高分子の電解コンとし、
     高周波と、低周波改善させています。
  • パスコン
     OpAmpの直下にセラコンを取り付け、高調波のターミネーションを実施

OpAmpの電源は、とても重要なので、きちんと対策します。

アンプ基板電源(電力用)

上記で測定した電力用電源が、ケーブルでアンプ基板に接続、大きなコンデンサ4つで平滑しています。これが、PA-302の力強さと、歪の小ささの特徴の要になっています。

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標準でも、ほとんど振れが無い良好なレベルです。

これを、容量を上げた低ESR電解コンデンサを用いて高域でもインピーダンスを低下させます。

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ほとんど揺れが確認できないレベルに落ちつかせることができます。

アンプ基板電源(電圧用)

あまり取り上げられないのですが、当方ではしっかりチェックを行います。

f:id:MatsubaraHarry:20210728141043j:plainオリジナルで装着されているセラコン効果で、スパイクはありませんが低周波で発振シている感じです。

このような箇所には、オーディオ用の電解コンデンサが有効です。

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適切な容量で、抑えることができます。

 出力確認

最後にピアニシモカスタムの確認として、出力信号を確認し、カップリングを交換します。

微小電圧

PA-302はオリジナルでも優れたSN比を誇りますが、拡大すると少しノイズが見られることがあります。

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ピアニシモ・カスタマイズで、きっちり高調波ノイズを抑えることができました。

 

周波数特性

カップリングを交換まえにオリジナルを測定します。

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かまぼこタイプのとても良い特性です。

カップリング交換

カップリングは、高分子フィルムを採用します。高分子フィルムは、色付けがほとんどなく、歪も感じられ、かつとても小型で搭載が合理的にできます。

小型なので、容量も4.7uからアップすることができ、低域も改善できます。

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電解コンデンサカップリングに使う場合、高域のタレを防ぐため、小さなフィルムコンデンサを並列に使います。
この、高域補正のコンデンサを今回も、取り除いていますが、高域特性を保持しながら、容量アップで、低域を改善ができました。

大きなフィルムコンデンサを無理に装着するより、シンプルで、合理的な施工です。

まとめ

いかがでしたでしょうか、
PA-302は、電源回路とアンプ回路が別の基板で構成され、実は、電磁シールドも施している徹底ぶりです。その効果により、他のアンプでは、実現出来ないような低ノイズ、高SN比のアンプを実現しています。

このアンプは、使い方一つで、びっくりするような音を奏でてくれます。

PA-302シリーズは、内部に余裕がありますので、状態のよいPA-302を見つけられたら、ぜひ、手にしてみてください。ご自分で、カスタムしても良いですし、難しかったら、当方まで、お気軽にメールでお願いします。

(迷惑メール防止の為、メールアドレスはプロフィールより探してみてください。)

 

ナカミチ PA-302S ピアニシモカスタマイズ ① (21-07) 初期整備編 - pp audio blog

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

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