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クラリオン ヘッドユニット DXZ385USB カスタム・メンテナンス

再び、クラリオンのヘッドユニットが流れ着きました。
多くのファンを魅了するクラリオンのDXZ385USBの魅力を末永く楽しめるよう、カスタム・メンテナンスしてみたいと思います。

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 はじめに

 クラリオンのDXZ385USBの外見は、とてもシンプルです。

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いまでは、マルチファンクションですが、機能ボタンがたくさんあり、なれると運転中でも、見ないで操作できるのが魅力のひとつでしょうか。

 

スペックも、 定格20Wx4ch(50W x4ch)あり十分な出力を備えています。

メディアは、CDとUSB、MP3、WMA等、現在でも通用するエンコードgあ可能です。

また、ライン出力も1.8Vあり、当時は高めの出力のタイプで、人気の秘密でしょうか。

メンテナンス

早速メンテナンスしてみましょう

  • 電源メンテナンス
     高負荷の電解コンデンサを低ESRのコンデンサに交換を中心に、
     電源平滑の電解コンデンサをすべて見直します。
  • 高調波カスタマイズ
     電源の波形を確認し、必要な箇所を対策します。
  • カップリングコンデンサ交換
     LineOutは高分子フィルムに交換。
     その他のカップリングもオーディオグレードに交換。
     (コンデンサのtanδが改善することを測定の上上実施)
  • パネルLEDの交換
     さすがに歴史のあるヘッドユニットですので、LEDが暗くなっています。
     1608(幅1.6mm x0.8mm)のチップですが、交換に挑戦
パネルLED交換

 最初に、少し難題であるパネル用のLEDを交換に挑戦。

パネルは、裏側の4つのネジを外すと分解できます。

  • 分解

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液晶は、ブラケットがハンダ固定されていますので、きれいに吸い取って外します。

液晶と基板は、導電ゴムで圧縮導通していますので、そーっと剥がすだけで取れました。

液晶の接触部は、導電性の塗料が塗られているので、黄色いカプトンテープで保護し、作業します。

  • LED交換

LEDはとても小さく、コテを二本使って取り外します。

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一つずつ方向を確認して、テスターでダイオードチェックして作業を行いました。

 

LEDの取り付けのコツは

  • 半田をきれいに除去
     LEDを取り外した後、きれいに半田を除去します。
  • 予備ハンダ
     予備ハンダは、利き手側のみ行います。
  • LED取り付け
     左手でピンセットで小さなLEDをおさえつつ、予備ハンダを溶かして仮固定
  • 半田付け
     仮固定の反対側をはんだ付け後、予備ハンダ側も再度ハンダを流します。

小一時間で作業ができました。

当方は、左手で1mm角のチップをピンセットで扱えるようになるのに、気がつけば、一昔分の時間が必要でした。

もし交換に挑戦のしてみたい方は、まず、利き手の反対の手でチップLEDをつかめるか、まず確認してはいかがでしょうか。

 

さて、パネルは、明るくなったでしょうか。

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写真でも確認できるくらい、明るくなりました。

状態確認

最大出力確認

まず、スピーカ出力を確認してみました

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出力は8V程度でクリップし始めました。

定常での出力は、12W程度でしょうか。通常使用するには、十分な出力です。

SP出力波形

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微小レベルでもこの機体は、とても優秀です。

ラインレベル

微小レベルを確認してみました。

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かなり良好です。

カスタマイズ

電解コンデンサを中心に高性能なものに交換します。

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電源ラインは、高分子コンデンサを中心に、小さめの容量は、オーディオ用に交換しました。

大きさの制限がありますが、なるべく良質なものに交換を心がけました。

電源変化

電源の状態は、とても良いです。リップルの目立つポイントは、入力部と8Vの電源程度でした。

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入力も大きな三角の波が小さくなっています。スパイクも若干ですが小さくなっています。

8Vは、高調波が取れ、周期的に発生する負荷変動も抑え込めました。

 

効果確認

ライン出力

オリジナルも良好でしたが

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カスタム後はどうでしょうか。

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僅かですが、少しきになるギザギザが小さくなっています。

スピーカ出力

スピーカ出力は、使われないとのことでしたが

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僅かですが、スパイクが小さくなっています。

カスタマイズに問題はないことの確認にもなります。

これで、末永く、安心してお使いいただけると思います。

周波数特性

今回ライン出力のカップリングを交換しています。

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低域が改善していることがわかります。同じ10uFなのに電解コンデンサより低域が良くなっていることがわかります。

 出力周波数特性(スピーカ出力)

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明るい音がするのですが、特性は、きれいなかまぼこ型です。

使い方によっては、驚くような音を作り上げることができそうです。

まとめ

ヘッドユニットは、電源を通電しての改造に気をつかってしまいます。

今回は、一度経験させていただいているので、概ねの部品交換を済ませてた後、組み上げ、裏カバーを外した状態で、測定、高調波カスタマイズをしました。

そのため、殆どのコンデンサの交換を一度に行い、無理な状態での通電を避けてみました。もちろん交換のコンデンサは、一つずつ基本特性であるtanδを測定して実施。

どうしても、時間がかかってしまいましたが、その恩恵は、オーナ様にきっと届くと願っています。

 

 

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