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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-300II Vr交換による高域改善

PA-300IIのメンテナンスも最終段階です。
電源の改善は、前回までに実施済みで、その効果も検証しました。

今回は、オリジナルの魂を大事にするカスタマイズですが、ほんの少しだけアンプ部を触ります。

ゲイン調整とVr交換を行います。侮っては、ダメです。効果は、はっきりと測定で分かりますので。さて、その改善効果を、簡単に綴ってみたいと思います。

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 はじめに

変更前の状態を測定してみます。f特と、微小信号時のノイズ観測です。

初期f特

PA-300IIは、カップリングが無く低域までストレートに伸びています。

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高域も80kで-3dB以内。現在でも、こんな特性のアンプは、なかなか見つからないでしょう。

微小信号

-80dBの再生は、かなり苦しのですが、どうでしょうか。

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驚きです。ここまでノイズが少ないアンプは、なかなかありません。

デジタルアンプは、100mV(この信号レベルの50倍)以上あることもザラです。

カスタマイズ

カスタマイズは、アンプゲインを-6dBとVr交換です。

ゲイン-6dB

ビンテージのパワーアンプは、ゲインが大きい傾向があります。ヘッドユニットの出力がまだ小さかったためです。

今回のアンプも絞っても27dB程度あり、オーナ様では、最小で使われていましたので、ゲインを少し下げるカスタムをご提案。 

 

ひとつ注意したいのは、ゲインを下げると、Vrを上げることになります。

Vrの高域を補正するコンデンサの効果が少し弱くなり、高域が多少下がる予定ですが、どうでしょうか。

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ほんの少し、80kで0.5dBほど、下がります。

Vr交換

Vrは、金属シールドされた大型のものを使います。

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さて周波数特性にあわわれるでしょうか。

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80kHzで、約0.8dB改善になります。

このわずかの違いが音に大きく影響してきます。

当方も最初はVr交換で音が変わるのは、体感していましたが、周波数特性現れているとは、考えていませんでした。
カスタムをしている際に、初期特性と異なるのに気づき、Vrの影響に気づきました。

微小信号

ノーマルでもノイズがほとんど観測されませんでしたが、どうでしょうか。

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 ほとんど変わりませんが、若干波形が細くなったと思います。

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FFTで、改善効果が僅かですが確認できます。

重ね合わせてみます。

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2台のf特

最終確認として、2台のf特を比較してみました。

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キレイに双方とも同じ特性になっています。

(#2の方が、僅かですが100kで-3dBをオーバしていますが、測定誤差範囲ですね)

 

まとめ

以前もVrの交換で高域の改善を綴りましたが、今回もきちんと、その効果が確認できたと思います。

 

PA-302SでもVrの変更の効果を検証しています。

可変抵抗器(ボリューム)の音質 PA-302S - pp audio blog

 

PA-300IIのファンが多いのは、このノイズがとても小さいところにあるのでは無いでしょうか。当方が、提案しているピアニシモを大切にするといコンセプトに通ずるアンプだと思います。

 

前回のこのアンプのコンディションの確認を下記よりご覧になれます。

ナカミチ PA-300II 電源メンテナンス - pp audio blog

ナカミチ PA-300II メンテナンス 物理的状態 - pp audio blog

 

今までのPA-300IIの驚異のf特等も下記リンクよりご覧になれます。

PA-300 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

PA-300の魅力が、感じられるかもしれません。

 

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