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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

KENWOOD KAC-626 基本性能測定

前回KAC-626のメンテナンスが完了しましたので、基本的な特性を測定してみたいと思います。

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 基本性能

測定環境

PCのwaveGenで波形を発生、D10のDACより出力します。

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オシロスコープは、廉価版ですがまだまだ使いこなせることができていないSDS1102です。

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

 

基本性能の項目は

  • 最大出力
  • -90dB時の波形観測
  • 周波数特性
  • S/N比
  • 歪み率

を観測してみたいと思います。

最大出力

まず、1kHzで限界まで出力してみます。

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12.5Vが限界でしたので、≒40W程度になります。

出力としては、矩形波を考えるとほぼ供給電圧(18V程度)が出せることになりますので、75Wと言えるでしょう。

しかしながら、ミュージックパワーとしては、40Wまでで、使ったほうが良さそうです。

ちなみにこれ以上Overすると、

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綺麗に20Vでクリップします。

小波

当方がいつも注目するのは、微小波形がどのレベルまで綺麗に出力されるかです。

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数mVの正弦波も高調波が目立ちますが、出力はできています。

高調波は、測定環境にも左右されますので、10mV程度は、致し方無いと思います。

矩形波(帯域)

矩形波で周波数帯域を把握することができます。

 

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150kHz Overまで追従しているのが分かります。


矩形波(波形)

波形の形は、どうでしょうか。

 

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Over Shootもおさえられ、きれいな波形です。高域が適度に抑えられている効果によるものと考えられます。

周波数特性

矩形波で、かなりの帯域までカバーしている予測になりますが、さてどうでしょうか。

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50kHzにて約-2dB十分な帯域です。あまり欲張らず、扱いやすい特性と考えます。低域も伸びていますし。

S/N比

S/N比の計算は、1kHzの波形を入力したときの他の雑音と最大出力の比率になります。小さめのレベルで、レベルがわかるように測定してみます。

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32mVを出力している時に約50dBのS/N比と読み取ることができます。

そこに最大出力(先の測定の12.5V)を引用すると

20 x log10(12.5V/32mV) =51.6dB

この2つを加算すればトータルのS/N比が算出できます。

 

S/N比 = 50+51.6dB 

   = 101.6dB

スペックより良くなっています。高調波対策の効果でしょうか。

スピーカに耳を近づけてもなかなかノイズを聴くことができませんので、事実上も良好であると思います。

 

歪率

歪み率の測定は、専用の測定機器が必要だと考えていたのですが、このオシロスコープから、データを取り込みことができることが、分かりそれを使って、計算で歪み率を算出してみました。

 

DAC D10歪率

まず、DACから出力されるライン信号を測定。その波形データからの歪み率を計算してみます。

測定データをグラフ化して、それに近似の正弦波を作り出し、差分を波形として表示させます。

 

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高調波がある状態ですと、数%の歪み率になりますが、ハイカット(200kHz)すると、1%以下になりそれらしい感じになりました。

もう少し、ハイカットの周波数を下げればもっと見やすくなると思いますが、ある程度ノイズも見ておきたいので、200kHzで行います。

KAC-626歪率

さてどうでしょうか。

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若干、うねりが発生していますが、許容範囲ではないでしょうか。

1%以下であると言えそうです。(スペックも1%)

 

まとめ

平凡なスペックのKAC-626ですが、計測してみると、なかなか良い特性で有ることが分かります。D級アンプよりもこんなアンプの方が遥かに性能が良さそうですので、電源等許されるのでしたなら、この様なアンプを選択するのも方法のうちです。

ただし、出力電力は50W程度が限界ですので、大出力が必要な場合は、デジタルアンプに軍配が上がります。(マルチアンプで、中高域は、電力が小さいので、アナログアンプでも可能だと思います)

OpAmpに4558が使われているのですが、後に信号ラインの見直し時に検討したいと思います。

 

 
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