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Nobsound TPA3116 デジタルアンプ 素性測定

小型で100Wx2のスペックを誇るNobsoundのデジタルアンプがやっと届きました。

外観も少し高級志向ですので、期待が高まります。

その素性を早速測定してみたいと思います。

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 はじめに

セット内容

 セットは、アンプ本体とアダプタ付のみになります。

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アンプ本体に比べACアダプタが大きいですね。さすが200W出力を誇るだけあります。

フロント

フロントのデザインは、シンプルです。電源SWと、ボリュームのみ。

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パワーランプは、オフでも、アダプタが通電していると、ぼんやり光ります。

 

リアパネル

リアパネルは、そのサイズギリギリに、スピーカ端子(バナナジャック対応)を配置しています。

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 流石にスピーカケーブルは、少しつけにくいですが、最初だけですので、許容範囲です。

 内部

さて、内部の状態も見てみましょう。

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電解コンデンサが10個も並んでいます。

大きなコイルも見られます。

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カップリングコンデンサにはWIMAを使用しています。

OpAmpはTIの5532を採用。

 

コストを抑えつつ、厳選したパーツ群、こだわりが感じまれます。

 

Nobsound Mini Bluetooth デジタルアンプ HiFi ステレオ AMP 100W×2

測定

早速測定してみます。正弦波を与えて、出力波形を測定します。

限界出力

いきなり、限界出力を測定してみます。

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約12.6V(rms)が限界でした。これより計算すると正弦波の限界は、8Ωで、20W程度になります。4Ωですと約40Wになります。

矩形波での出力としても18Vなので80Wが最大になります。

まだ乖離がありますので、100Wの背景は、別途調べて見たいと思います。

限界測定

限界値を探る時の様子です。

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正弦波の頭が、平になってゆくのが分かると思います。

またFFTの高調波のヒゲも出てきます。理論通り、基本波の逓倍周波数が現れていそうですね。

 

限界時の波形変化

上の波形を重ねてみます。波形の崩れ方が、一定電圧でクリップしているのがよくわかります。

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LP-2020Aとの波形比較

同じデジタルアンプと波形を1kHzと20kHzにて比較してみました。

 

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波形が太くなっていない(ノイズが乗っていない)のが良くわかります。

 

SN比

気になるのが微小出力時の波形です。ノイズとの差がどの程度あるでしょうか。

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18mVの出力で約40dBのS/N比です。この波形自体デジタルアンプとしてはとても優秀だと思います。

トータルのSN比率は、先の最大出力が12.64Vだったので、これより計算すると

SN比:97dB

優秀です。

ミニスピーカであれば、ノイズは聞こえないでしょう。

小波形拡大

前回の波形と比較するため、80mV程度の正弦波と矩形波を観測

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少し波形が太くなっていますが、良い感じです。

 

ちなみに同じ様なデジタルアンプLP-2020A+と比較すると

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歴然ですね。高調波フィルタがしっかり効いています。

カスタムアンプとの微小波形の比較

LP-2020Aは、出力段のフィルタを修正して改善した経緯があります。

その波形と比較してみると。

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頑張って改善したものより、TPA3116の方が良さそうですね。

素晴らしいです。

 

f特

気になる周波数特性です。

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流石に低域は、少し落ちていますが、高域は、20kHzで0.5dB程度の上昇。

フラットといって良いでしょう。

睨んだ通り、高調波フィルタがしっかり効いています。

低域の不足は、カップリングコンデンサが小さいからでしょうか。後日調査してみたいです。

LP-2020A+とのf特比較

LP-2020A+と比較してみます。

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後発のデジタルアンプとあって良好ですね。

 

 

カスタムアンプとのf特の比較

 

当方がカスタムしたLP-2020A+は、高調波を抑えるため、20kHzから少し減衰しています。

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 高域が少し上昇していますが、ハイレゾ帯域を十二分にカバーしています。低域は、カスタムアンプには、カップリングコンデンサの改善効果で伸びています。

このアンプも低域を改善してみたいですね。

 

ダンピングファクタ

ダンピングファクタを測定してみました。負荷を8Ωと4Ωで切り替え、出力電圧より、出力等価インピーダンスを求めます。

このデジタルアンプは、アナログ出力からの帰還が無いので、PWM波形の電力は常に一定で、負荷抵抗で変動すると考えています。

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結論からすると、ほとんど負帰還がかかっていないような状態です。

これは、無帰還のアンプの魅力もあるので、一概に良し悪しは、語れないと思います。

まとめ

少しランクの上の小型デジタルアンプをテストしてみましたが、いかがでしたでしょうか。ノイズがしっかり抑えられた、まとまったアンプに仕上がっていると思います。

100Wを期待されている方は、インピーダンスの小さいスピーカでないと期待の出力は得られないかもしれません。それでも、このボディで40Wが余裕で絞り出せるのはすごいと思います。デジタルのノイズも良く抑えてあり、アナログアンプと聴き比べても良いクラスと思います。

小型のアンプを探している方、検討候補におすすめできます。

 

同じサイズでTPA3116が一つのものと2つのものがあります。

もし選ばれる方は、確認が必要です。

現在は、Bluetooth付きのものがありました。

 

Nobsound Mini Bluetooth デジタルアンプ HiFi ステレオ AMP 100W×2

Nobsound Mini Bluetooth デジタルアンプ HiFi ステレオ AMP 100W×2

 

 

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