小型で100Wx2のスペックを誇るNobsoundのデジタルアンプがやっと届きました。
外観も少し高級志向ですので、期待が高まります。
その素性を早速測定してみたいと思います。
はじめに
セット内容
セットは、アンプ本体とアダプタ付のみになります。
アンプ本体に比べACアダプタが大きいですね。さすが200W出力を誇るだけあります。
フロント
フロントのデザインは、シンプルです。電源SWと、ボリュームのみ。
パワーランプは、オフでも、アダプタが通電していると、ぼんやり光ります。
リアパネル
リアパネルは、そのサイズギリギリに、スピーカ端子(バナナジャック対応)を配置しています。
流石にスピーカケーブルは、少しつけにくいですが、最初だけですので、許容範囲です。
内部
さて、内部の状態も見てみましょう。
電解コンデンサが10個も並んでいます。
大きなコイルも見られます。
OpAmpはTIの5532を採用。
コストを抑えつつ、厳選したパーツ群、こだわりが感じまれます。
Nobsound Mini Bluetooth デジタルアンプ HiFi ステレオ AMP 100W×2
測定
早速測定してみます。正弦波を与えて、出力波形を測定します。
限界出力
いきなり、限界出力を測定してみます。
約12.6V(rms)が限界でした。これより計算すると正弦波の限界は、8Ωで、20W程度になります。4Ωですと約40Wになります。
矩形波での出力としても18Vなので80Wが最大になります。
まだ乖離がありますので、100Wの背景は、別途調べて見たいと思います。
限界測定
限界値を探る時の様子です。
正弦波の頭が、平になってゆくのが分かると思います。
またFFTの高調波のヒゲも出てきます。理論通り、基本波の逓倍周波数が現れていそうですね。
限界時の波形変化
上の波形を重ねてみます。波形の崩れ方が、一定電圧でクリップしているのがよくわかります。
LP-2020Aとの波形比較
同じデジタルアンプと波形を1kHzと20kHzにて比較してみました。
波形が太くなっていない(ノイズが乗っていない)のが良くわかります。
SN比率
気になるのが微小出力時の波形です。ノイズとの差がどの程度あるでしょうか。
18mVの出力で約40dBのS/N比です。この波形自体デジタルアンプとしてはとても優秀だと思います。
トータルのSN比率は、先の最大出力が12.64Vだったので、これより計算すると
SN比:97dB
優秀です。
ミニスピーカであれば、ノイズは聞こえないでしょう。
微小波形拡大
前回の波形と比較するため、80mV程度の正弦波と矩形波を観測
少し波形が太くなっていますが、良い感じです。
ちなみに同じ様なデジタルアンプLP-2020A+と比較すると
歴然ですね。高調波フィルタがしっかり効いています。
カスタムアンプとの微小波形の比較
LP-2020Aは、出力段のフィルタを修正して改善した経緯があります。
その波形と比較してみると。
頑張って改善したものより、TPA3116の方が良さそうですね。
素晴らしいです。
f特
気になる周波数特性です。
流石に低域は、少し落ちていますが、高域は、20kHzで0.5dB程度の上昇。
フラットといって良いでしょう。
睨んだ通り、高調波フィルタがしっかり効いています。
低域の不足は、カップリングコンデンサが小さいからでしょうか。後日調査してみたいです。
LP-2020A+とのf特比較
LP-2020A+と比較してみます。
後発のデジタルアンプとあって良好ですね。
カスタムアンプとのf特の比較
当方がカスタムしたLP-2020A+は、高調波を抑えるため、20kHzから少し減衰しています。
高域が少し上昇していますが、ハイレゾ帯域を十二分にカバーしています。低域は、カスタムアンプには、カップリングコンデンサの改善効果で伸びています。
このアンプも低域を改善してみたいですね。
ダンピングファクタ
ダンピングファクタを測定してみました。負荷を8Ωと4Ωで切り替え、出力電圧より、出力等価インピーダンスを求めます。
このデジタルアンプは、アナログ出力からの帰還が無いので、PWM波形の電力は常に一定で、負荷抵抗で変動すると考えています。
結論からすると、ほとんど負帰還がかかっていないような状態です。
これは、無帰還のアンプの魅力もあるので、一概に良し悪しは、語れないと思います。
まとめ
少しランクの上の小型デジタルアンプをテストしてみましたが、いかがでしたでしょうか。ノイズがしっかり抑えられた、まとまったアンプに仕上がっていると思います。
100Wを期待されている方は、インピーダンスの小さいスピーカでないと期待の出力は得られないかもしれません。それでも、このボディで40Wが余裕で絞り出せるのはすごいと思います。デジタルのノイズも良く抑えてあり、アナログアンプと聴き比べても良いクラスと思います。
小型のアンプを探している方、検討候補におすすめできます。
同じサイズでTPA3116が一つのものと2つのものがあります。
もし選ばれる方は、確認が必要です。
現在は、Bluetooth付きのものがありました。
Nobsound Mini Bluetooth デジタルアンプ HiFi ステレオ AMP 100W×2
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。