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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

KENWOOD KAC-626 メンテナンス

ケンウッドのパワーアンプが流れ着いたので、早速、状態確認とかんたんなメンテナンスをしてみたいと思います。

 

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基本仕様

KAC-626は、75W x2の使いやすいアンプです。

スペックの抜粋

  • 定格出力 75W×2(4Ω、20Hz~20kHz、1.0%THD、14.4V)
  • 周波数特性  5Hz~50kHz(+0、-3dB)
  • SN比 95dB
  • 入力感度 0.2V~5.0V

決して抜きに出ている特性ではないですが、使いやすいと思います。

初期状態

外観

流れ着いたときの状態は、

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水没したのでしょうか。

内部も

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動くか心配になってきました。

基板状態

基板を確認すると

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パターンが切れている箇所があります。GNDラインです。

なにか、過電流が発生した経緯があるのでは無いでしょうか。

動作確認

洗浄を行い、パターンを修正し、基板単体で通電すると、音が出ました。

しかしながら、しばらくすると、トランジスタが発熱し、電源が落ちてしまいました。

どうやら、過電流の原因がトランジスタにありそうです。

メンテナンス

メンテナンスは、まず発熱の対策と、電解コンデンサの交換を予定しています。その後、高調波対策を行ってみたいと思います。

トランジスタ交換

まだ入手可能なトランジスタだったので、交換したところ発熱はなくなりました。左右のバランスもありますので、全て交換しました。

メンテナンス項目

さて、メンテナンスとしては

  • パターン修正(1mmの導線で修理)
  • 出力段Tr交換 x4
  • 電解コンデンサ交換x5

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リップル確認

いつもの電源の能力を確認するためにリップルを測定してみます。

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入力側リップル

入力の状態を確認してみます。

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端子台の状態もコンデンサが入っていないため、少しノイズが誇張されていますが、許容範囲です。

スイッチングの一次側②も50mV以下なので優秀です。

すでに、低ESRのコンデンサに交換していることもありますが。

二次側リップル

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二次側も優秀ですんで、30mV程度ですので、まず問題になることは無いでしょう。

高調波対策

いつものように、高調波対策を行ってみます。

入力側対策

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チップセラコンで、かなり改善。入力のノイズは、ほとんどなくなりました。

二次側対策効果

二次側のもともとよかったのですが、さてどこまで改善できるで でしょうか。

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かなり良い感じです。10mV程度になりました。

 

つづく

今回はケンウッドのパワーアンプをカスタムをしています。

これから、基本特性を測定して、S/N比等をスペックと比較してみたいと思います。

またお尋ね、お待ちしています。

 

 
カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。

       よりすぐりのナカミチアンプたち)

 

 

 

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