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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

Carrozzeria DEH-P810 カスタム編

前回、カロッツェリアの基本特性測定を行いました。少し、高調波が漏れていそうでしたので、調査してみたいと思います。

原因が突き止められ、改善することができるでしょうか。

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調査

想定してたのは、出力段のOpAmpの電源が少しリップルノイズが乗っていると考えていました。

しかしながら、ライン出力を追いかけてみるとカップリングの電解コンデンサを通過し、PioneerのLSIに直接つながっていました。

OpAmpの電源を調べれば良いと考えていましたが、甘かったです。

ラインノイズの大元

よくLSI周りをみてみると、対称になった電源回路らしきものが見えます。

 

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どうやらパターンからすると、+/-電源を作っているようです。

この電源の周波数(400kHz)が、出力のリップルの周波数に一致しました。

これが、ライン出力の電源では?と考え、改善してみることに。

ここをOSコンに交換して、改善できると良いのですが。

その他変更

分解したまま、通電は、フレキ接続のユニットがあるため、断念。

組み立てる前に、少し他の部分、電源を強化しておきます。

また、出力ラインに直接入っていた、カップリングコンデンサが入っていましたので、これも特性をみて、変更tanδの小さいものにしました。

  1. Line Output カップリングコンデンサ
    (Tanδが約半分のタイプに)
  2. Line Output Drive 電源
    高分子に変更
  3. その他電源コンデンサ
    高分子もしくは低ESRの電源コンデンサへ。
  4. その他
     SMTパスコン追加(x2)
     Line 高調波抑制フィルタ(SMTフィルムコンデンサ) x4

 

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オーディオ用の部品を使っていないことに、お気づきでしょうか。

 

カスタム改善確認

さて、基板単体で通電ができないので、一気にカスタムしてしまいましたが、どうなるでしょうか。

いつもの、正弦波と矩形波で違いを確認してみます。もちろんFFTでもノイズを覗いてみます。

正弦波(中レベル)

約0.1V程度の出力電圧と、その半分の出力です。

システムにもよりますが、通常聴く音楽レベルでしょうか。

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高調波がなくなっているのがよく見るとわかると思います。

正弦波(小レベル)

数mV程度の出力電圧ですので、ピアニシモや余韻のレベルです。

5mVレベルのカスタム後は、Before/Afterがわかるように波形を重ねてあります。

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正弦波(微小レベル)

かなり小さな(2mV)レベルですので厳しいですが

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カスタムの効果がはっきりと分かります。

 

DEX-P01比較

かなり厳しいですが、DEX-P01と比較してみました。

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互角になりました。

微小電圧がきっちり再生できるかは、 音の、ピアニシモのみならず、余韻や、艶等に影響すると考えています。

FFT解析(小レベル)

正弦波を8mV程度にして、FFTでノイズを確認してみます。

 

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高周波のノイズも、高調波のノイズも抑えられていることがはっきり分かります。

これを、重ねてみると、f:id:MatsubaraHarry:20200304175029j:plain

 違いがよくわかります。

 

矩形波

 

矩形波により、周波数特性に変化が無いことが一目瞭然ですが、さてどうでしょうか。

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変わっていないことが分かります。便利ですね。

まとめ

今回、ヘッドユニットの高調波が気になったので、原因を調べたら、ライン出力の電源のリップルが漏れていたのが分かりました。

少しの変更で、効果は大きいと考えています。音にも、艶や余韻が聞こえるようになってきたと思います。

少し歴史を感じるヘッドユニットですが、基本特性、性能はしっかりしていると思います。最新のヘッドユニットを検討する前に、基本的な作りがしっかりした、少し前のユニットを探してみるのも良いのではないでしょうか。

 

  

 

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