丁寧な作りのカロッツェリア DEH-P810が流れついたので、基本測定をしてみたいと思います。ハイレゾ対応ではありませんが、オートタイムアライメントや、16バンドのグライコがついており、Bluetoothも対応しているので、ネットラジオの再生も可能です。
それらの機能は、さておいて、基本性能はどうでしょうか。5Vのプリアウトが楽しみです。
はじめに
P810は、アンプ内蔵でラインアウトプットがついています。また、DEQ-P9等の外部DSPも接続できます。
今回は、単体のみの確認を行ってみたいと思います。
ラインインピーダンス
まずはじめに、インピーダンスの測定です。同じ正弦波を負荷抵抗を変えて2次方程式を解くと結構正確に算出できます。
スペックは100Ωですがさてどうでしょうか。
条件
- -20dBの1kHz正弦波
- ボリューム位置 50 / 62
- 10k/47kの抵抗
かなり低めの47Ωです。これならば、アンプ側は、1k程度等の低めでも、さらには、ケーブルのインピーダンスとマッチングとった100Ωでも受けることもできます。
(-6dB減衰してしまいますが)
正弦波(0dB/-20dB)
最大音量を測定できます。プリアウトが5Vなので、期待できます。
条件
- 波形:1kHz正弦波
- ボリューム位置 62 / 62 (最大)
- 47kの仮想負荷
きちんと5Vまでスイングしています。スペック通りです。
正弦波(-40dB/-60dB)
さて、音量を落とした時にどうでしょうか。
-60dB (1/1000)ですので、本来は4.5mVていどですが、リップルが乗って、波形が大きくなっています。
できれば、このノイズは、取りたいところです。
正弦波(1k / 20k Hz)
さて、限界の20kHzの波形を測定してみたいと思います。同じレベルの1kHzと比較してみました。
約 -6dB 減衰していますが、きちんと再生できています。もう少し減衰が抑えられるとよいのですが。
S/N比 FFT解析
1kHz-60dBの正弦波をFFT解析をして、S/N比率の概算を算出してみたいと思います。
周囲との差が35dBあるので、-60dBの波形より、
S/N比率=60dB+35dB=95dB
となります。ただし、10kHzが30dBあるので、A補正を加味しても、70dBというところでしょうか。
(プリアンプのSNの基準である、1Vor2Vにすると、更に悪くなります。)
少し気になるところです。
周波数特性
周波数測定を、正弦波をつかって、大まかですが、測定します。
18kHzから急激に落ちこんでいるのがわかりますが、20kHzも出力されているので、許容範囲でしょうか。
矩形波(1kHz)
正弦波を測定するとDACの性能がかなりわかります。
周波数の成分は
1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21kHz
となっていそうです。
21kHzまで、カバーしているのも、これで分かります。
ソースの違い(CD vs BT)
さて、少し異色になりますが、CDとBTとでf特に違いがあるか、興味があったので、測定してみました。BTの方が音が悪そうに感じていましたが、さてどうでしょうか。
意外の結果となりました。Bluetoothの方が少し良かったです。特に20kHzの減衰がBluetoothは、僅かです。
これは、内部のDACがCDとBluetoothで異なっていると考えられます。
ちょっとした発見です。
まとめ
さすがに少しビンテージに近いヘッドユニットですので、測定は厳しかったかもしれませんが、基本性能は、しっかりしています。特にラインインピーダンスが47Ωで、強力であることは、嬉しい発見です。またBluetoothの方が音が良いことも分かり、安心して携帯から再生できます。
改善テーマ
これまでの測定で、改善したいと思う点としては、やはり、ノイズでしょうか。
少し高調波が乗っています。また、1kHzで、8kHz程度にノイズが出ているのもきになります。さすがにこれは、聞こえてしまうでしょう。
もしかすると、冷却FANのノイズかもしれません。
近々、内部の状態を確認して、原因や、改善箇所を探ってみたいと思います。
お楽しみに。
DEH-P810の後継機種の一つにDEH-970があります。かなりコストを抑えていますが、十分な機能と性能を兼ね備えています。
これも、測定したい一つです。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。