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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

オーディオと電源回路 PA-302(電源ノイズFFT解析)

電源のカスタムをこれまで行ってきました。
様々な制限のある中、コンデンサの種類でや搭載方法により、リップルノイズを大きく低減ができました。でも、オーディオに大事なのは、リップルのP-Pよりもエネルギーです。

最近の廉価版のオシロスコープでもFFT解析ができるようになりましたので、FFTで検証して見ることにしました。

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FFT検証 EyeCatch

通常の検証

まず、PA-302の電源の回路図をかんたんに。

以前もPA-302の対策を綴っています。

オーディオと電源回路 電源チューン - pp audio blog

 

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PA-302電源略図
 標準状態

一次電源の平滑コンデンサのところで測定します。

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標準状態リップル

標準状態のリップルは、3V強あります。

電源が14Vですから、12.5Vから15.5Vまで振れています。改善余地がありそうです。

コンデンサ交換時リップル

いつもの、電源用低ESR電解コンデンサとOSコンの組み合わせの効果は

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カスタム後リップル

半分以下の1.25Vになりました。一般の方のチューニングは、ここまででしょう。

セラコン追加時リップル

さらに、いつもセラコンを追加すると

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セラコン追加状態

0.5V以下で、8割強以上の改善になりました。

 (ご注意:0.1uFのセラミックコンデンサでは、逆効果でした。
気になる方は、ブログをチェックしてみてください。)

 

オーディオと電源回路 電源チューン - pp audio blog

波形を重ね合わせると、効果がよくわかります。

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改善効果

これでも十分優れていますね。

FFT解析

さて、FFTの解析を行ってみましょう。FFTは、ノイズを、周波数ごとにわけます。

このFFTは、12.5MHzをベースに2.5MHz/Divで分布グラフ化します。

 

試しに、プローブをオープン状態で、僅かなノイズを拾って解析させると

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FFT暗電圧

12.5MHzのピークは、ノイズとしてみて良いでしょう。

レベル0は、中央から少し下がったところとして、見てください。

 

標準は、あまりにも大きいので、まずコンデンサ交換状態のFFTを測定してみました。

コンデンサ交換後FFT

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12.5MHzから22.5MHzまで、高調波を観測しています。

FFTでそのエネルギーを表せているようです。

対策用コンデンサ

高調波の対策用のコンデンサは、セラミックや、フィルムコンデンサで、比較的容量の小さいものが有効で有ることが知られています。

 

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高調波用コンデンサ

今回は、(写真の左から)0.1u、0.47u、1u、22u で試してみました。

標準カスタムセラコン時

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標準カスタムセラコン時

高周波の改善効果が分かります。Vppだけでなく、高調波に十分効果があることが分かります。

0.1u セラコン追加

一般的にで0.1uのセラミックコンデンサを追加してみました。

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 P-Pのレベルは増えてしまいました。FFTの特性は、15MHzまでは下がっていますが
17MHzぐらいが増えています。共振しているようです。

何も考えず、0.1uをつけてしまうのは、要注意です。

1u セラコン追加

では、10倍の1uをついかしてるとどうでしょうか。
200V耐圧の大きめのチップコンデンサです。

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1u 追加時

 0.1uよりも良いですが、まだ15MHzにピークがあります。

 

0.47u フィルム追加

0.47uのフィルムコンデンサを追加してみるとどうでしょうか。

 

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0.47u フィルム追加

レベルも400mVを切り、高周波のピークを抑えながら、全体的にレベルを落とすことができました。

効果一覧(Vpp)

Vppで、今までの効果を一覧にしてみると

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高調波対策一覧

0.1uや1uのコンデンサを追加すると、逆効果になります。

0.47uFのフィルムのみ効果があることが分かりました。

値いなのか、フィルムコンデンサの効力なのかは、まだ解明しなくてなはらない課題が増えました。

(環境が整ったと時にコンデンサの種類の差を検証してみたいです。)

 

まとめ

これまでのリップル対策は、結構良好な状態で、高調波のコンデンサの追加によるさらなる改善は、値を見つけるのが難しいことが分かりました。
計算で導き出せるとよいのですが、素子を取り外し、基本パラメータ(LCR)を測定が最低限必要になります。また、それらの測定では、周波数帯が異なるので、あまりやくに立たない可能性があり、やはり、試行錯誤にならざるを得ないでしょう。

本当は、各素子のパラメータ(Sパラ)を用いて、シミュレーションすると良いのですが、それは、新規で、アンプを開発するときが来たら(?)、考えることとします。

 

皆さんのオーディオのノイズ対策のヒントになると嬉しいです。

 

matsubaraharry.hatenablog.com

 

 

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