ナカミチ PA-200xシリーズの2台目になります。今回はNormal Versionです。
これまで扱った中でも最もヘビーです。オーディオでは、
重い(質量が大きい)ー> 振動しにくい -> 音がいい
と言い伝えられています。
さて、どうでしょうか。
標準状態
内部は、この様になっています。
右に電源部があり、左は、4chアンプ回路が並んでいます。
上部には、プリアンプの基板がついており、ケーブルで、アンプ部とつながっています。
故障解析
依頼者より、事前に、一つのチャネルだけ、ガサガサいうという音がするとの、情報により、恐る恐る電源を入れてみると、4chのうち2ch目がその状態でした。確認手順は、作業が比較的かんたんなことからはじめました。
- OpAmp部電源電圧確認
+/-15V出ていました。(回路にリワークが入っていました。) - OpAmp交換
OpAmp交換でも特に状態変化なし - 電解コンデンサ交換
音は少し良くなりましたが、症状は、変わらず - 電圧増幅Tr 電圧確認
さわれないほど熱くなるTrの電圧がどうも2chのみおかしい。
ということで、電圧増幅用Trを交換してみたところ、復旧しました。
その後、通電して、安定するかどうか、確認した所、電力トランジスタが加熱し、14Vの電源が過電流を検知し、追加でトランジスタの交換を余儀なくされることに。
一次側電源状態
さて、基板が治ったところで、やっと標準状態の電源を観測することができます。
一次側の電源は、470uF x16個の構成です。さて、どの程度リップルの抑制能力があるでしょうか。
90mV強ですので、まずまずです。
一次側電源改善
今回は、リップルが大きいので、ハイブリットにて対応してみました。
ほとんどリップルがなくなるほど改善できました。
二次側電源標準状態
ちょっと、スパイク、高調波が多いです。これは、影響しそうです。
0.8V近く出ています。直るでしょか。
二次側電源改善
大きい割には、コンデンサを配置する場所が限られています。ミニ基板でハイブリッドで対応してみます。
三角形にして、うまく取り付けるように工夫しました。
100mV以下にすることができました。
(このミニ基板とは、別に、チップセラコン等で、スパイスを利かしての結果です。)
アンプ部
ヒートシンク取付
アンプ部は、最初に壊れたTrの放熱対策をまず、行います。
市販のヒートシンクに良いものがなく、いつものアルミのアングル材を加工して作ります。
16箇所もあるので、時間がかかりました。
手でサワれるようになったので、これでもう、壊れることは無いでしょう。
不思議と、ヒートシンクを取り付けると、音も、落ち着く傾向があります。
温度が下がるのと、質量のお陰でしょうか。
オペアンプ交換等
OpAmpは、一列タイプのもので、専用の基板にOpAmpを実装し、ソケットにし、取り付けます。
OpAmpを交換すると、ふぁ っと音がすっきりします。
プリアンプ部
プリアンプ部にもOpAmpとフィルタ用電解コンデンサがあります。フラットでつかうにしても、Gain用のOpAmpの交換は必要です。また、ハイパスにも、いれました。
LowPass用とSW用は、影響が小さいので、はノーマルのままにしました。
(プリアンプ部は、後にパスされることも垣間見て。)
まとめ
今回は、修理でかなり時間を取られてしましましたが、無事カスタム完了できてホットしました。
ぱっと見、OpAmp以外は、カスタムに見えない、オリジナルに見えるのが好きです。
やたらに大きな部品をつけるのもよいのですが、カーオーディオは、振動との戦いですので、そのリスクは、今回も回避できたと思います。
大事なヒアリングが、いつも、ちょっとなのですが、初めの状態は、ナカミチの魂を聞くことが難しかったですが、今ははっきり聞こえてきます。
高域もスッキリ伸びていて、かつ、きつさがありません。
また、電源を入れてから、しばらくして、音が落ち着いてきます。
ゆったり聞けます。
できればフラット設定で、ゲインは、中間程度で、使えると良いと思います。
これから、末永く、ナカミチの魂で、音楽を奏でてくれることをねがいつつ。
PA-200xや、PA-202,302,304等をお持ちの方、カスタム依頼、お待ちしています。ヤフオクまで、お尋ねください。