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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

カナレ 4E6S ライン (RCA) ケーブル(周波数特性[計算値])

先日、カナレのケーブルの作り方を綴りましたので、その実力を測定値をもとに、周波数特性を計算してみました。

カナレのカタログにあるような特性になるのでしょうか。

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カナレ 4E6S周波数特性(計算値)

 基本データ測定

カナレのケーブルを簡易測定器で、

を測定してみました。

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カナレ基本特性

これだけでは、良いかどうかわかりませんので、机上でインピーダンスを求めてみます。(本来は、分布定数で定義しなくてはなりませんが、今回は集中定数で計算しています。後日分布として更新します。)

基準特性(100Ω/10kΩ)

ヘッドユニットのドライブ出力を100Ω、アンプの入力を10kΩとして、計算してみました。これを、本ブログでは、基準とします。

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カナレ基準特性

カナレのカタログにあるような、グラフになりました。

計算は、そんなに乖離が無いのではないでしょうか。

そこそこ、高音質と言われている100Ω出力のヘッドユニットを使っていれば、RCAケーブルによる劣化は、気にされる必要は、なさそうです。
(先人も言われていますが、特に高周波数の(10kオーバー)減衰は、合わせるよりも、シンプルな構成の方がメリットが多いですし。)

ヘッドユニット出力1kΩ時

もし、ヘッドユニットの出力インピーダンスが高めの1kΩだったらどうでしょうか。

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ヘッドユニットインピーダンスによる影響

少し減衰するのが分かります。それでも、20kHzで-1.2dB程度ですので、それほど影響はなさそうですが、気になります。よく言われる、エネルギー感が弱いとか、透明感が悪くなったとかのニュアンスでしょうか。

極端な組み合わせ

少し、極端にアンプのインピーダンスも変えてみました。

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アンプの入力インピーダンスの影響

入力が100Ωのインピーダンス?と驚かれるかもしれませんが、机上の計算ですので、お許しください。

入力のインピーダンスが下がれば、同じボリュームでも、音量が下がることが分かります。では、入力のインピーダンスが低いと、悪影響なのでしょうか。

DC基準周波数特性

DC基準(計算上1Hz)にどう変化するかに、見方を変えてみます。

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1Hz基準の周波数特性

ヘッドのインピーダンスが100Ωだと、アンプの入力インピーダンスが変わっても大きく変化しません。一方、ヘッドユニットのインピーダンスが高いと、アンプの入力により、影響があることが分かります。音が変わりやすいことが分かります。

 ヘッドユニット出力100Ω時

100Ωの時を少し拡大してみます。

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ヘッドユニット100Ω時の入力インピーダンス影響

かなり拡大してやっと違いが分かる程度ですが、逆に入力が100Ωである方が僅かに良くなっています。

まとめ

いかがでしょうか。少し題目と結論が離れてしまいましたが、RCAケーブルの特性よりも、ヘッドユニットと入力インピーダンスの関係の影響があることが机上でお分かりになったのではないでしょうか。

ケーブルの音を語る前に、出力のインピーダンスはいくつか?のほうが重要に思えてきますが、いかがでしょうか。

この机上の計算で、ヘッドユニットが100Ωだと、インピーダンスは、100Ωにしたくなるのは、ハリーだけでしょうか。10kΩ入力のアンプより、100Ω入力アンプの方が、電流が100倍も多く流れます。ノイズマージンが100倍増えることになります。

でも、高域特性が悪くなるような予感がします。ヘッドユニットのドライブ能力の実力が分かるのでは、ないでしょうか。逆に、100Ωの入力アンプでも、きちんとドライブできるヘッドアンプこそが、マニアが求めるヘッドアンプでは、無いでしょうか。

 

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