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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ 幻の100PA メンテナンス(電源メンテナンス)

前回、100PAの素性を電源のノイズや、f特、それに、微小信号で観測してみました。

今回は、電源のメンテナンスを行ってみたいと思います。

このアンプは、以前メンテナンスしてから、7年以上経過しているとのことです。

永く使っていただくために、高寿命の部品への交換や、高調波対策を施してみたいと思います。さて、改善は、できるでしょうか。

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 電源リップル

一次側

前回の測定では、

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入力端子状態

入力には、ディスクリートの小さめのセラコンがついていましたが、これをチップコンデンサに交換します。

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測定していないかのようにきれいになります。

(入力の平滑コンデンサも高分子に変えていますが、この小さなノイズは、チップセラコンが効果的です。)

一次側(一般チューン)

比較的、大きなスパイクノイズが発生する一次側にセラコンがつけられていました。

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その効果を確認してみると、多少あるようですが、まだ物足りません。

一次(高調波カスタム)

当方では、高分子コンデンサとチップセラコンを組み合わせて行っています。

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高分子だけのほうが、レベルは小さいですが、高調波のエネルギーは大きいので、大きめのセラコンで押さえています。

それぞれの電解コンデンサの足にセラコンをつける意味は、少ないので、大元に一つだけです。

二次側

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二次側は優秀でしたが、コンデンサが7年しようしているので、交換します。

ついでに、セラコンの効果も測定してみました。

二次側(セラコン効果)

まずはじめに、他のかたのチューニングのセラコンの効果を測定してみました。

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ほとんど変わらないように、見えますが、よく見ると、高調波が取れています。

効果は僅かですが、効率的に高調波を除く方法で、良い感じです。

二次側(電解コン交換)

オーディオ用の電解コンデンサを電源用の電解コンデンサに交換

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レベルは、下がりましたが、少しヒゲが大きくなっているのがわかります。

二次側(チップセラコン交換)

チップセラコンをつけて、落ち着かせます。

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だいぶなだらかになりました。もっと小さなコンデンサでも十分かもしれません。

二次側(FFT検証)

高調波がどの程度押さえられか、FFTで少し見てみましょう。

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下のFFTは、重ね合わせてあり、白がオリジナルの状態で、赤がチップセラコン対応時。赤の波形が下に来ているのがわかります。

 

二次側(電圧用)

電圧用も参考までに。

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もともと、高調波(ヒゲ)が気になる波形でしたが、同じ様に電源用電解コンデンサと、チップセラコンの組み合わせで、高調波を押さえてみました。

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いい感じです。大きめなチップセラコンの効果がよく観測できます。

実装の違い

さて、電源基板の状態は、どうなったでしょうか。

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いろいろな後付コンデンサが少なくなり、スッキリしています。

なるべく、基板側には、振動に対して弱くなるので、ディスクリートの部品をつけたくありませんので、最低限の効果的な部分だけにしています。

もちろん、取り除いたセラミックコンデンサは、回路上と測定で確認し、リップルが発生する箇所ではないことを確認しています。

 つづく

毎回同じ高調波対策のカスタマイズになりますが、チップコンデンサの容量や、種類が少しずつ改善して、さらに高調波を効果的に抑えることができてきました。

一昔の電源を、現代にも通用する、高調波対策の電源にできているのでは無いでしょうか。

さて、次回は、いよいよ肝心なオーディオの心臓部のカスタマイズを綴ってみたいと思います。もちろん、ナカミチの魂を大事にしつつ。

お楽しみに。

matsubaraharry.hatenablog.com

 

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