Cork

pp audio blog

オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ 孤高 100PA メンテナンス(初期測定)

幸運ながら、ナカミチの中でも伝説的な100PAをメンテナンスする機会に恵まれました。今回は、その特徴と、電源の性能を測定してみたいと思います。

 

f:id:MatsubaraHarry:20200707193211j:plain

 

はじめに

特徴

 100PAの特徴は、アンプの性能もさることながら、振動対策が施されています。

ゴムでアイソレーション構造をとり、車の振動を防止し、音への影響を押さえ、はんだ付けの劣化を抑える優れた設計思想だと思います。

f:id:MatsubaraHarry:20200707193435j:plain

仕様

基本仕様を同等のPA-304と比較しやすいように作ってみました。

f:id:MatsubaraHarry:20200707194658j:plain

100PAはPA-304より少し出力に余裕があり、50Wまで対応。
若干歪や、パワーバンドが控えめになっています。

想像ですが、スペックより、音を大事にするため、負帰還を押さえる方法がありますが、その一つではと考えています。

内部状態

裏板を外して、基板の状態を覗いてみました。

f:id:MatsubaraHarry:20200707195222j:plain

PA-304と同等、電源とアンプが別れています。配線がすごくスッキリしていて、部品点数が少ないのがよくわかります。

このアンプは、チューニングアンプで、コンデンサ等が、追加されているのがわかります。この効果も、気になるところです。

取れかかっているコンデンサ

基板をみていて、ノイズ取りのコンデンサが取れかかっていました。

フィルムコンデンサが厚く、裏板との間に挟まり、振動が加わり取れてしまった模様です。改造時には、注意したいところです。

f:id:MatsubaraHarry:20200707195427j:plain

 

電源性能測定

準備

さて、電源を測定する前に、端子の清掃を。

意外と車内は、湿度やホコリがたまり、端子が汚れてしまいます。

  1. 端子ネジを外す
  2. 金用研磨布で磨く
  3. スクリューをアルコールで軽く洗浄
  4. につけて、スクリュー部分にだけ接点復活剤を綿棒で塗布

f:id:MatsubaraHarry:20200707195741j:plain

これだけでも、音が良くなります。(プラセボ効果でしょうか)

 

一次側

早速一次側の状態を確認。

f:id:MatsubaraHarry:20200707200147j:plain

かなり良好です。PA-304をカスタム・メンテナンスした状態と同等でしょうか。

二次側(電力)

電力用もリップルが小さいです。

f:id:MatsubaraHarry:20200707200303j:plain

優秀です。これが100PAが伝説的に言い伝えられている所以でしょうか。

二次(電圧)

電圧用も同じ様に確認。

f:id:MatsubaraHarry:20200707200408j:plain

多少スパイクが見られますが、素晴らしい状態です。

f特

気になる周波数特性を測定してみました。50kHzまで-3dBですが、どうでしょうか。

f:id:MatsubaraHarry:20200708180526j:plain

60kHzでも-2dB以下、素晴らしい特性です。

微小信号

当方が重要視している小さな信号の再生能力は、どうでしょうか。

f:id:MatsubaraHarry:20200708180637j:plain

この波形だけでは、あまりわからないかもしれませんが、数mVをきちんと再生できているのは、なかなかできません。D級アンプでしたなら、数十mVのデジタルノイズにまみれてしまいます。

100PA vs. PA-304

304との比較もしてみました。

f特

標準のPA-304と比較していますが、超高域と低域は、少し押さえてある感じです。

f:id:MatsubaraHarry:20200708180828j:plain

微小信号(vs 標準PA-304)

標準のPA-304と比較すると随分違います。

f:id:MatsubaraHarry:20200708181715j:plain

微小信号(vs カスタム PA-304)

当方で、PA-304をカスタムしたものと参考までに比較。

f:id:MatsubaraHarry:20200708181732j:plain

同等レベルになっていることがわかります。
(カスタムは、周波数を100kHzまで引っ張っており、その分ノイズは不利になりますが、同等です。)

続く

さて、次回は、基板を外して、内部の状態を見てみたいと思います。

また、おたづねくださると嬉しいです。

matsubaraharry.hatenablog.com

 

にほんブログ村 車ブログへ

 

 
カスタムナカミチアンプ

 

もし、ご自分では難しい方は、どうぞ、当方までご相談ください。

ご相談は、オークションにて承っております。

また、オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。

       よりすぐりのナカミチアンプたち)