a/d/sのDSP装備パワーアンプのメンテナンス整備録です。
歴史的なアンプにもかかわらず、DSPを装着しています。XILINXのFPGA(プログラム可能なハード回路)とマイコンが装備されています。
様々な車種に合わせたアンプのモード切り替え機能を実現しています。
はじめに
最初に驚くのはそのサイズ
64cm x 40cm
写真撮影場所も工夫したのですが、やはり難しかったです。
仕様
8ch トータルで600W。Class ABのアンプでは、ヘビー級です。
1-4は通常のSP接続で、5,6はツイータ、7,8はサブウーファをターゲットにしている思想が見えてきます。
Power Onすると
”Loc”の表示でキーは受け付けません。 Lockでしょうか。
このアンプのDSPモード切り替えは、コントローラユニットで操作するのが基本となっているようです。
幸いだったのは、キーの組み合わせで解除できることがわかりました。
アンプのモードを選択でき、ゲインも調整できます。
アンプの状態確認ができます。
”U”というモードにするとストレートモードになることもわかりました。
内部
底板を外すと、アンプ基板が2枚と中央にDSPを装着した制御基板が見えます。
アンプのチャネル配置が工夫されています。
チャネルごとの影響を受けにくいように工夫されているようです。
準備
まず、解決しなくてはならないのは、接続用のアタッチメント、コネクタが無いということです。
スピーカのピッチは、7mmと一般的な端子台が取り付けられません。
スピーカは、ピッチが少し狭くなりますがユーロコネクタという端子ネジ部とコネクタが分割できるものを採用しました。
このコネクタは、スピーカの配線はねじで確実に行い、
アンプとはワンタッチで取り付け、取り外しが可能です。
スピーカの確認用の治具として
SATAコネクタ装着のものを準備しました。
ラインレベル配線
ラインレベル配線は、中央の基板から同軸ケーブルでパワーアンプへ、はんだ付けで接続しています。
動作確認やパワーアンプの単体確認が困難ですので、接続を一部コネクタ化します。
各アンプの動作、性能、及び改善確認を行うことが可能になりました。
また、プリアンプをバイパスにして、パワーアンプ単体として使うことも可能です
これにより、ようやく、左右のパワーアンプを取り外し、机上で単体状態確認が行うことができます。
ここに先のRCAケーブルを取り付ければ、単体のパワーアンプの素性確認が行なえます。
。
カスタマイズ
最初に電源と、スピーカ出力のコネクタを行います。
1~6ch、電源コネクタ(右アンプ)
取り付けピッチの差や、構造の違いで取り付けがかなり難しかったですが
なんとか、実用的に仕上げることができました。
5・6ch 電源コネクタ(左アンプ)
左側には、リモート信号があり、別な工夫が必要です。
リモートは、オリジナルの端子を反転実装し、ファストンをしっかり取り付けました。
これで、一般的なファストン入力リモートアンプになりました。
出力確認
出力の状態を確認してみました。
チャネルにより高調波の状態が異なる模様です。
つづく
大型のアンプは、電源等が大型になり、評価確認が難しくなりどうしても治具が必要になります。
今回も、いくつかの治具を作成して、ようやく確認ができるようになりました。
引き続き電源の状態を一つずつ確認し、カスタマイズを行いたいと思います。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。