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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

Sound Stream STP-480k カスタム・メンテナンス 23-Jun

Sound StreamのSTP-480kは、ナカミチのTP-1200のOEM版でしょうか、内部の違いはなさそうです。とてもこだわりのあるプリアンプで、パワーアンプの近傍にレイアウトできるようになっています。

流れ着いたSTPは、ノイズが出る症状があるとのことです。

きっちり解析してメンテナンスしてみましょう。

はじめに

STP-480のブロック図を再度見てみましょう

ヘッドユニット(コントロールユニット)とプリアンプのユニットに分かれています。

CDやAUXは、プリアンプにダイレクトに入力し、パワーアンプへ接続。音質の劣化を最小限に抑えることができるように設計されています。

状態確認

外見は、特に大きな傷みはなさそうです。

 

内部の状態をみれみると

カスタムバージョンであることがわかります。

コンデンサには、銅箔+エポキシでしょうか、振動抑制等の効果があると言われています。

また、ICにも銅箔が追加されています。これは、前のユーザさんの施工ですね。

 

電源状態

まずは、電源の状態を確認してみると

振動周期が以前のものと異なっています。

他の電源も確認してみると

やはり様子がおかしいです。

色々調べてみると、

コンデンサの足の腐食があります。

確認してみると、劣化しており、容量が完全に抜けていました。

早速交換してみると

きちんと周波数が通常の状態になりました。

ダンバー修理

このSTP-380k(TP-1200)は、振動アイソレーション機構が設けられています。

カーオーディオは、常に振動が加われ、音への影響が懸念されます。

よく見るとダンパーがズレています。

分解し、損傷している箇所を接着、補強します。

取れてなくなっている部分は、補填用エポキシ樹脂をもちいて補修しました。

スプリングとダンパーで基板を浮かし、アンプ回路への伝搬を防いでいます。

カスタマイズ

カスタマイズは、ピアニシモ仕様をベースに行います。

  • 電源メンテナンス
     電源コンデンサを低ESRを用います。
  • 高調波カスタマイズ
     高分子、セラコンを用いて高調波を抑制します。
     また、OpAmpには、一つずつパスコンを取り付けます。
  • カップリング
     カップリングは、高分子フィルムに交換します。
  • RCAコネクタ
     RCAコネクタは、しっかりした削り出し、テフロン絶縁樹脂製に
     取り付けのため、ブラケットも制作。
     接続ケーブルもツイストします。
  • 放熱板
     低電圧レギュレターをアルミ板から、放熱板に。
  • OpAmp
     OpAmpは、癖のない音楽を奏でるmuses8820を一部に採用。

裏付けの取れたメンテナンスで、しっかりカスタマイズします。

 

電源カスタマイズ
負電源

高分子コンデンサにして

変動を適度に抑制できました。

正負電源

電力が小さいのですが、スパイクが少し大きく、対処が難しいところです。

高分子の容量を吟味して、抑制しました。

電源(総合)

電源一連を確認します。

問題ないことがわかりました。

 

RCAコネクタ

少し取り付けの細工が必要ですが

しっかりと取り付けができました。見た目だけでも違いがわかります。

このアンプのRCAのGNDは、バランス配線、XLRと同じような扱いになっています。

配線が、バラ線で配線していますので

GNDをマークしておき、ツイストします。

ツイストは、外来ノイズから守ることもできますし、配線もスッキリ見えます。

まとめ

最後に、周波数特性と基本波形を観測します

基本波形(1kHz)

基本波形を確認することで、アンプの健康状態がかなりわかります。

最初にTunerでFrontとRearを確認します。

高調波ノイズもほとんど無く、レベル差も微小であることがあります。

CDとAUX2も同じように確認します。

周波数特性

CDの特性をみます。

入力段の差動間に入っているコンデンサが僅かですが、高域の上昇にあらわれています。

AUX2も同じように

最後にTuner入力も確認します。

すべて同じ特性で有ることが確認できました。

プリアンプの意味

プリアンプを使わずパッシブボリュームでパワーアンプの接続する方法もあります。

回路もシンプルで、程よくまとめることができますが、一方出力インピーダンスの上昇があります。10kのボリュームで半分の位置でつかったとしても5kの抵抗が直列に入ってしまうことになります。

入力インピーダンスが10k等であると、2/3にレベルが低下してしまうことがわかります。

一方、プリアンプを使うと、出力インピーダンスが100オーム程度と低く、伝送経路の影響も受けにくくなります。

この違いを確認すると、大きな差があることがあることが。ただししっかりとした低ノイズのプリアンプで有ることが必要です。

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

使用した機器

DAC(D10)

測定用にはD10というDACを用いています。
現在は、後継機のD10Sがあります。

TOPPING D10s DAC Mini USB DAC XMOS XU208 ES9038Q2M DSD256 PCM 384kHz Hi-Res オーディオデスクトップ オーディオデコーダー (ブラック)

正弦波もとてもきれいです。

 

オシロスコープ(SDS1102)

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102【国内正規品】【メーカー直営3年保証】【日本語取扱説明書対応】

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

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