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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-1002 Custom Edition 修理

ナカミチ PA-1002のカスタムバーションが再び流れ着きました。
通電しても動作しないとのこと、早速開けてみると、焼けていることがわかりました。
早速修理してみたいと思います。

はじめに

PA-1002は、US版のナカミチを日本でカスタムしたバージョンです。
電源フィルタと高調波対策のセラコン等が装備されています。

仕様

おなじみ発祥PAシリーズとひかくしてみると

大きさ、重量が倍程度あり、大型のアンプであることがわかります。

パワーも余裕があります。

状態

内部をみてみるt

放熱取り付け用クリップにサビがみられ、

電源素子をみてみると

損傷しています。

はずしてみると

素子の端子が取れているものもあり、半導体チェッカで調べると全て壊れていました。

 

修繕

早速修理してみたいと思います

電源部

電源部は素子だけでなく、基板も溶断しており、

銅箔とハトメを使って修理します。

スイッチング素子(FET)は、特性のよい代替品に交換しました。

調整

電源のスイッチング素子は、その特性により調整が必要な場合があります。

代替FETのゲート寄生容量が少し大きめの為、おそくなっています。

電源の動作自体は、問題ないのですが、FETがOffする期間をしっかり確保する調整を行います。

ゲート信号の波形が矩形に近づいて、制御系の安定化が確認できました。

 

整流素子

整流素子も壊れておりました。

ただし、このダイオードがPchとNchの2種類あり、現在では入手が困難です。

そこで、ブリッジタイプを変換基板を介して対応します。

耐電流もかなりアップできます。

 

素子用クリップ

素子用クリップもサビがみられましたので、研磨し

サビの還元剤を塗布してしょりしました。

 

まとめ

今回は、オリジナルの音を確認されたいとのことで、機能復帰にて一時返却し
音を確認していただきます。

出力も

多少高調波が見られますが、左右のさも微小で、正常範囲であることが確認できました。

 

歴史のあるアンプを修理する場合、代替品をもちいることがあります。

現代の素子は、特性がかなり改善していますが、そのまま用いると危険です。

変更後の確認は、設計的な検証に沿って行い、電源部は、スイッチングのタイミング確認も行い、これで初めて安心して使って頂ける状態になります。

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

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