TP-1200のプリアンプをmuses8820シリーズで前回まとめましたが、今回は、FET入力OpAmp muses8920+01Dでの仕様カスタムでまとめてみたいと思います。
チップのオペアンプは、muses8920に、中段増幅はmuses01Dを採用します。
もちろんピアニシモ仕様を予め施してからの施工してまとめてみたいと思います。
はじめに
TP-1200は、コントロールユニットとプリアンプユニットの2つのユニットで構成します。
プリアンプには、電子ボリュームが採用されていますので、コントローラ側から、その音量レベルに従い、電子ボリュームを設定します。
この開発の時期では、満足の得られる電子ボリュームがなかったのでしょうか、ディスクリートで構成しています。
状態確認
まず、機器の状態を確かめるために、微小信号とf特を測定します。
微小信号(CD)
20mV(-40dB)の状態を観測します。
少し高調波が確認できます。
微小信号(Tuner,AUX2)
コントローラのTunerレベルが高いので、プリアンプでは、半分のゲインになっています。ノイズマージンを稼ぐためですね。
周波数特性
50kHz以上でわずかに上昇が見られます。これは、いままでカスタムしてきたTP-1200と同じ傾向です。
電源状態
電源には、少電力のスイッチングレギュレターが用いられています。
とてもなだらかで良好な状態です。
カスタム・メンテナンス
基本電源メンテナンスを施し、OpAmpを音楽を聞かせるmuses(FET入力タイプ)にします。
ただし、Tunerは、コントロールユニットの相性もありますので、オリジナル重視仕様です。
- 電源基本メンテナンス
電解コンデンサの厳選パーツ装着 - 高調波対策
電源及びOpAmpパスコン追加 - OpAmp 交換(8箇所)
muses8920及びmuses01Dを装着 - カップリング(高分子フィルムコンデンサ)
- OpAmp入力段フィルタ調整
超高域の上昇を抑え、高調波のノイズ対策を施します。
電源カスタマイズ
電源は、これまでの経験をもとに、行ってみました。
程よく、リップルが抑えることができました。
この電源は、単に、容量をアップしたり、高分子にしても、逆効果になり、適度な容量とコンデンサの品種を選ぶ必要がありました。
特に、上下に変動する部分は、OSコンにすると発振気味になります。
この箇所には、バイポーラの電解コンデンサが良好でした。
微小信号(CD)
高調波を抑えられたことが確認できました。
微小信号(Tuner,Aux2)
Tuner、AUX2も同等の高調波抑制効果が確認できました。
周波数特性(CD)
最初にCDの周波数特性を確認しました。
低域は、カップリングの効果。超高域は、OpAmpの高域補正コンデンサの調整を行いました。
周波数特性(AUX2)
CDと同じ仕様でAUX2もまとめました。
周波数特性(Tuner)
Tunerの初段は、オリジナル状態であることがわかります。
まとめ
今回、超高域の持ち上がりの原因を解明するのに初段のOpAmp回路を解析してみました。
バランス入力
このTP-1200のプリアンプは、バランス入力対応になっています。
RCAは一般的に片側シールドでGNDですが、工夫しだいでバランス接続ができそうです。
どうもこの小さなコンデンサが入力フィルタとして設けられているのですが、逆に働いているようです。
→OpAmpの反転入力は、-端子は常にGNDレベル(仮想GND)となり、フィルタとしての働きではないことと、ご指摘ただきました。
このコンデンサの容量を、無理なく抑制する値をみつけて対応としました。
仕上がり
いつものように、無理なく、実用的なカスタムとして、仕上げました。
いつ聞いても、このプリアンプは、なぜか、オリジナルの音を生き生きとした音色になるから不思議です。周波数はどこまでもフラットで音付けがなく、ゆったり、長く聞いていても疲れません。
ソースは選ぶことなく、デジタルからアナログまで万全です。
回のmuses8820と今回のmuses8920の違いを、きっと楽しまれることと確信しています。
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