前回、TP-1200の素性を調査したところ、少しノイズが多く見られました。
まずは、チューナ・コントロール・ユニットを調べてみたいと思います。
回路図等も入手できませんが、なにか問題を見つけることができるでしょうか。
また、ノイズ対策を施すことができるでしょうか。
はじめに
コントロールユニットのAUX INは、ボリュームを介さずそのままLine Outへ接続されています。回路は、単純で、内部は、シンプルだろうと想像していたのですが。
アイソレーション構造
回路云々よりも、フタを開けてびっくりです。
基板が宙吊りになっています。四方よりスプリングでバランスし、ダンパー(ショックアブゾーバー)で、振動を防止しています。
赤丸がスプリングで、青丸が、ショックアブソーバーです。(手で簡単に動きます。)
プリアンプとの通信は、H8マイコンを使っています。
こちらの基板は、流石に振動防止は行っていません。
アンプ基板
アンプ基板をやっとのことで取り外すことができました。
左にあるのは、ラジオのチューナ部なので、今回は、そーっとしておきます。
ラインレベルの増幅回路と思われるOpAmp(4588)が5つついているのが分かります。カップリングコンデンサも10uFが12個、22uFが4個ついています。
このあたりを対策は、できそうです。
電源波形
アンプ基板の電源をさぐってみました。
いきなりなにかスパイクだらけのラインがありました。
5Vは、2系統あるのですが、片側だけです。
OpAmp電源
いつも気になっているOpAmpの電源は、どうでしょうか。
大きくはないですが、少しノイズが乗っているようです。
その他は、大きくノイズがのっているのは、見当たりませんでした。
電源メンテナンス
まずは、小型の10uFや47uFの電解コンデンサを交換してみます。
大きな部品を乗せることができないので、同様の小型の低ESR品を使います。
また、47uFと、スパイクが見られたラインは、高分子コンデンサを採用してみました。
相変わらず、地味なので、どこを変えたか 良くわからないかと思いますが、お許しください。
5V電源効果
効果は歴然です。
何回も測定し直してしまうほど、あまりにも違いました。
どうやら、コンデンサのtanδがこの手のコンデンサは、0.2程度なのですが8以上あり、劣化していたのが、原因のようです。
OpAmp電源
OpAmpの電源は、電源元の電解コンデンサの交換と、セラコンの取り付けを行いたいと思います。
OpAmp電源セラコン取り付け
OpAmpは、チップタイプなので、セラコンの取り付けは、
部品の上への実装になります。少し大変でした。
OpAmp電源効果
もともと、大きなノイズではないのですが、効果はあるでしょうか。
中間の波形は、電解コンデンサの交換の効果です。(おそらく大元のスパイクが小さくなった効果が観測できたと考えています。)
セラコンで、ほとんどなくなりました。
オーディオ信号確認
電源の対策が確認できたので、オーディオ信号に効果は、あるでしょうか。
バラック状態で測定ができたので、助かります。
通常信号レベル
-20dBと-40dBは、概ね通常の音楽のレベルとして、効果を見てみます。
もともとは、波形が太くなっていたのが、スッキリしています。
電源対策の効果が観測できたことになります。
微細信号
かなり小さめの信号です。-80dBは、ノイズにまぎれがちですが。
-60dBは、波形がきっちりみえるようになりました。-80dBも波形らしくなりました。
FFT解析
FFTにより、ノイズの周波数帯域とそのレベルがわかります。
100kHz以下は、数dB下がっているでしょうか。
つづく
電源の効果が観測できました。この効果で、周波数特性が超高域が少し持ち上がっているのが改善できているとよいのですが。
前回のブログでf特を測定していますので、ご参照ください。
最高の音を車内に TP-1200 メンテナンス(状態確認) - pp audio blog
次回は、周波数特性の検討をしてみたいと思います。お楽しみに。
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