今回、他の方のPA-304のチューンドアンプのメンテナンスの機会に恵まれました。
さて、このPA-304は、どのような状態でしょうか。
第一回目とは、内部の状態をみてみます。
調査
調査は、使用部品と、基板の状態を見てみます。
部品状態
さて、部品は、どんなものが使われているでしょうか。
- 電解コンデンサ
特に目立った変更は、されていません。電力用のコンデンサにFWを使っています。これは、小さくてそこそこ特性が良いです。
(それでも、スイッチング電源には、もっと最適なものがありますが) - OpAmp
OpAmpは、OPA2228を装着しています。
電流も小さく、よい選択です。
時折 孤高のOPA627等を使っているものがありますが、6倍の電流を必要とし、電源を強化しないと電圧が不安定になり、もともこもなくなります。 - アンプ部コンデンサ
アンプの出力段のコンデンサがメタライズドポリエステルフィルムになっていそうです。直接オーディオ信号が貫通する箇所ではないので、あまり効果はないと思うのですが。 - カップリングコンデンサ
セラミックコンデンサになっています。がっかりです。よく調べると、オリジナルなのかもしれません。 - その他
その他の小さめのコンデンサを交換していますが、オーディオ用に交換していることはなく、抑えているチューニングに見えます。
基板状態
- 入力段パスコン
そばに同じ容量のパスコンがついているのであまり効果は期待できないでしょう。 - 入力段平滑パスコン追加
このパスコンは、一次側の大きな電解コンデンサ4700uFに追加されています。
一見良さそうに見えるのですが、スイッチング部より遠く、かつ、ケーブルで接続する回路なので、これもあまり期待できないでしょう。 - 電力用電源のパスコン追加
1uFのフィルムです。そこそこの効果がありそうです。
測定を見てみましょう。 - 電圧用電源のパスコン追加
電圧用電源にパスコンを追加していますが、ここのノイズは大きく、1uFでは逆に発信気味になるかもしれません。
測定
測定にて状態を確認してみます。
一次側電源
これまで手掛けてきた標準のデータより少し悪い感じです。
- 入力直近
10mV程度の変動が観測されています。標準と変わりません。 - 一次側(平滑コンデンサ)
平滑コンデンサの部分でも450mV程度あり、標準より悪く、これも残念な結果です。 - 一次側(スイッチング直下)
リップルが大きく、スケールを一つおおきくしてしまいました。6V近くあるのは、これは困りました。
二次側
続く
今回は、巡り会えた、チューンドアンプの状態をまず確認してみました。
電源段の状態は、残念ながら、改善効果は、一部の箇所のみであり、残念な結果でした。一次側は、6Vくらいまでリップルがあり、見たくないデータになっていました。
さて、これから、今までの経験を活かし、細かなメンテナンスしてゆきたいと。
どこまで、改善できるか、楽しみにしていてください。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。