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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-202 ピアニシモ カスタム ('21-11)

状態のよいPA-202が再び流れ着きました。

出力がMIDやツイータにピッタリです。ピアニシモ仕様にして、しっとりとした音を奏でる一台に仕上げました。

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はじめに

PA-202は、およそ 20cm x 20cm 正方形の小型アンプ。とても良質なアナログアンプで名機として名を馳せています。

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小さいながら40W x2 110dBのSN比と10Hz~50kHzのワイドレンジを両立しているとても優秀なアンプです。

状態確認

歳を重ねている名機ですので、まずは、基本メンテナンスをおこないます。

その後、各部が正しく動作しているか、確認します。

電源状態(一次側)

カーアンプは、供給電圧が14Vと低い為、昇圧してアンプの電源を生成しています。

この昇圧がスイッチング方式ですが、少しいたずら好き。

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ときには、大きなスパイクノイズが観測されることがあります。

PA-202はよく考えられていおり数V程度に押さえてあり、標準状態であることがわかります。

電源状態(二次電力用)

アンプの出力電力供給用の電源状態です。

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きちんとチョークコイルが装着されていますので、20mVととても良好です。

電源状態(二次電圧用)

スピーカ出力には大きな電力が必要ですが、一度必要な電圧まで増幅します。

その電圧は、30V程度必要。

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電流が小さいので、ノイズ抑制はコンデンサのみで十分なレベルになります。

多少スパイクがあっても、後段に低電圧回路を備えているため、大丈夫です。

出力状態(微小信号)

-80dBの微小信号です。

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少し高調波は見られますが、はっきりと正弦波が確認できます。

ピアニシモ・カスタマイズ

基本的な動作がきちんと出来ているのが確認できましたので、早速高調波対策を施してみます。

これまでの技術の総集編です。

電源ノイズ(一次側)

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もともと良好でしたので、いつものように、低ノイズに仕上げることができました。

二次側(電力用)

良好だった電力用ですが、トロイダルコアのフィルタを装着

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チップセラコンを併用することで、高調波もきっちり抑え込みました。

二次側(電圧用)

スパイクが少し大きいのですが

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しっかり抑え込むことができました。

むやみに容量を大きくせず、高周波特性が良好なほんの少しだけ容量を大きくしたコンデンサを採用しています。

出力状態確認

最後にスピーカ出力の状態を最終効果の確認として行います。

微小出力

USのアンプは、この10倍ものノイズがみられまが、PA-202は、-80dBをしっかり再生できます。

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高調波対策で、見違えるほど高調波を抑えることができています。

周波数特性

高分子フィルムコンデンサを採用しているため、周波数特性が改善しています。

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さらにワイドレンジになっています。

高域も伸びているにも関わらず、高調波ノイズをきっちり抑制出来たのは、素性がとても素晴らしいアンプであるからです。

まとめ

幾度となく手掛けているPA-202ですが、今回は少し現代風に進化させています。

  • 高分子フィルムのカップリングコンデンサ
  • 音楽を奏でるOpAmp muses8920 
  • メタルシールドタイプのゲイン ボリューム

ナカミチの魂を尊重しつつ、現代の素子を活用し、グレードアップしてみました。

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音はとても素直で、音楽を楽しめる一台に仕上げることが出来ました。

このアンプは、ボーカルや、ストリングス、アコースティックが得意です。

マルチアンプの方で、MIDやツイータにぜひ、使っていただきたい一台です。

 

最後にエンブレムを磨き、

 

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外見を整え

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底板もきれいに仕上げ

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完成です。

 

ぜひ、アコースティックをしっとり鳴らせていただきたいと思います。

 

*****

これまでのPA-202のカスタム記事は、下記よりご覧になれます。

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

 

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

 

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