三年前に当方が基本整備したアンプをアップグレードする機会に恵まれました。
この数年で、かなりカスタマイズ方法も充実し、ピアニシモを謡えるようになり、三年前のPA-202を現在のレベルへ、アップグレードしてみたいと思います。
はじめに
このPA-202は、とても状態がよかったので、基本的なメンテナンスできちんと動作するようになり、嫁いでゆきました。
3年前の写真です。
外見も当時状態が良かったです。
状態確認
基本メンテナンス仕様の状態を電源や出力波形を見てみます。3年間使われていましたが、さて、どうでしょうか。
一次側
一般的にはスパイクがみられますが
入力側は、きちんと抑えられています。一次側も0.5Vですので、標準の半分程度でしょうか。
まだまだ大丈夫そうです。
二次側(電力用)
電力用も
しっかり約20mVと状態が良いです。
二次側(電圧用)
標準状態では、スパイクが見られる電圧用ですが
幾分みられます。
OpAmp電源
標準メンテナンスは、標準に近い状態ですが
少しスパイクが見られますが、大きな変動はありません。
状態としては、良いですね。
グレードアップ
標準メンテナンスから、ピアニシモカスタム仕様へグレードアップしてみます。
高調波対策、各電源の強化、耐熱アップや、音声信号部のグレードアップを施します。
一次側
いつものように、高分子とチップセラコンで対策しました。
入力側は、手を加えていませんが、効果が見られます。また一次側は、500mVが150mV程度におさえられ、リンギングも小さくなっています。
二次側(電力用)
もともとリップルが小さめですが
いつものように、鋭角な波形をなだらかにしています。
二次側(電圧用)
スパイクがきになりましが
しっかり抑えることができています。標準では、レベルが大きいときと小さい時の交互でしたが、一定のレベルになりました。
実は、一次のスイッチングのベース制限抵抗を交換しています。
経年変化で誤差が大きくなったとおもわれます。
OpAmp電源
OpAmpの電源は、musesに対応するため、16V程度にしています。(標準の19Vは、musesの定格、最大18Vを超えてしまいます。)
また、ブリーダ抵抗、ツェナーダイオード、そしてトランジスタを大型タイプに交換し、耐熱アップを図っています。
その上で、OpAmpのパスコンを追加して
スッキリです。
出力確認
電源の整備が終わり、カップリングやVRの交換等細かな作業を施し、最終確認です。
微小出力
高調波が少し気になる出力状態でしたが
きっちり抑えられたことが、確認できました。
これならば、高能率のホーンツイータでも、ノイズが気になることは無いですね。
周波数特性
最後に周波数特性をみてみます。
いつものようにかまぼこのきれいな特性ですね。
まとめ
一度メンテナンスされているアンプは、基板へのダメージが無いため、とてもメンテナンスしやすい為、ピアニシモカスタムに集中できます。
もう一度、清掃を行い、端子ネジを交換して、完成です。
この状態のPA-202を聞いてしまうと、満足してしまいます。
パワーは決して大きくはありませんが、逆に美味しい出力レベルで低歪で歌ってくれます。
もし、お手元に状態の良いアンプをお持ちでしたなら、ぜひ、グレードアップしてみませんか。
当方の手掛けたアンプは、グレードアップ費用のみでリーズナブルにピアニシモ仕様にできます。
また、他の型のチューンドアンプでも、承ることができますので、ご相談ください。
ご相談は、当方のプロファイルのメールアドレスへご連絡お願いします。
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使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。