再びPA-304Sのメンテナンスに恵まれました。
ピアニシモ仕様でしっかり仕上げたいと思います。
はじめに
このPA-304Sの電源にはFETを用いていますので、電源の効率がよく、従来機種よりパワーが引き出すことが期待できます。
その他、この304のSバージョンは、電源にはが密閉タイプのフィルタが装着され、また、いくつかセラミックを、メタライズドフィルムにアップグレードされています。
状態確認
外観
外観は、とても綺麗で、30年以上前のアンプとは思えないほどです。
端子ネジもガレはなく、金メッキも綺麗です。
底面もとても綺麗ですね
内部の基板も液漏れ等は、見上がらず良好です。
基板状態
内部の基板をはずしてみると、OpAmpの電源の発熱によるヤケが確認できます。
コンデンサを外してみると、液漏れがわずかに確認できましたが、とても状態が良いです。
電源状態
OpAmpの電源を一度修理してから、通電を行い、初期状態を確認しました。
出力波形
きちんとアンプがどうさしているかの確認と、ノイズの有無がわかります。
きちんと波形が出力されていますが、少しノイズが確認できますが、オリジナルの標準的なレベルですので、問題ありません。
一次側
電源の状態を確認します。
PA-304のSバージョンは、ノーマルに比べ入力側の変動が小さめです。
一次側は、標準的な状態ですが、3V以上の変動があります。もう少し大人しくしたいですね。
二次側(電力用)
二次側のチョークコイルが、密閉型のものが採用されいます。
とても良好です。カーアンプでは、ナカミチ以外で10mV程度のリップルの電源を見たことがありません。
二次側(電圧用)
スパイクが少しきになる電圧用(40V)ですが
スパイクがありますが、少し振動が見られます。
OpAmp電源
高周波数のノイズがきになるOpAmpの電源ですが
わずかに確認できる程度。少し低周波の波がきになります。
ピアニシモカスタム
ピアニシモ仕様にするためのアイティムです。
これらは、基本的な施工ですが、合理的にノイズを抑制する効果があります。
- 高分子フィルムカップリング
高分子フィルムカップリングは、とても小型で、標準の電解コンデンサからの置き換えが容易、かつ、圧電ノイズや歪が小さいのが特徴な、おすすめのアイティムです。
- RCA GND接続係数
何度か、当方のブログで取り上げていますが、ナカミチ パワーアンプのRCA GNDは、差動入力として使われています。
そのため可聴範囲、OpAmpの応答範囲で、コモンモードノイズを相殺する機能があります。
しかしながら、高い周波数になると、伝送経路やOpAmpの応答でうまく動作しきれません。内部GNDとの接続方法を少し修正してあげるととても良好のなることが、これまでの経験で分かってきました。
一次側
効果が確認できました。
二次側(電力用)
とても良好な電力用電源ですが
僅かなヒゲ等もなくす事ができました。
二次側(電圧用)
Sバージョンはスパイクが小さめですが
さらに改善しています。
OpAmp電源
OpAmpの電源は、電源ラインの反射の影響で高周波数が確認できます。
パスコンで簡単に抑制できます。
低周波数は、メタライズドの0.1uを高分子に変えて対応しています。
まとめ
PA-304やPA-304Sは、これまでの経験でいくつか、改善点が分かってきました。
それらを余すことなく、施すことで、ピアニシモ仕様に仕上げることができます。
単純に部品交換だけでは、到達できない状態です。
微小出力
電源や、GNDの接続係数の関係で大きめの高調波でしたが
いくつかのプロセスできれいに仕上がります。
各チャネルごとにノイズに違いがみられましたが、
きれいに同じ様になりました。
周波数特性
最後に周波数特性を確認します。
4チャネルともほぼ同等の特性で、低域が標準より改善されていることがわかります。
標準的なアンプの基板の実装状態に見えると思います
しっかり、理にかなった実装で末永く使っていただくための現れです。
いつまでも、ナカミチが大好きな方の片隅で、音楽を静かに、ゆったり奏でますように。
メンテナンスご依頼
PA-304は、時を重ねたアンプで、音が出なくて悔しい思いをされている方も多いと思います。
当方では、オーナ様の要望に合わせたメンテナンスを承ります。
シンプルな修理から、ピアニシモ・カスタマイズまでご要望に合わせてきっちりメンテナンスいたします。
お問い合わせは、当方のプロフィールに記載されているアドレスに、お願いします。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。