Fujitsu TEN α5000M の2台目のカスタム・メンテナンスです。
このアンプも、チューニングされており、その効果を確認しつつ、ピアニシモ仕様にカスタマイズしてみたいと思います。
おさらい
1台目のα5000Mは、オーディオ用電解コンデンサ、muses8920のOpAmp、ゲイン用のボリュームの交換を施されていました。残念ながらボリューム交換で、GND切断という副作用があることがわかりました。
2台目の本アンプは、ボリュームは、オリジナル、OpAmpがすべて交換されています。
基板状態
その他、同じ様に、部品が交換されているようです。
コンデンサは、オーディオ用のKWを多様していることがわかります。
OpAmpには、OPA2211が採用されていました。
抵抗も、オーディオ用の抵抗に交換されています。
ハンダ面
ハンダ面は、セラコンやフィルムコンの追加がみられます。
よくみると、
カップリングの超高域補正のチップフィルムが追加されています。
これは、電解コンデンサをカップリングに使う場合に合理的な方法ですね。
ナカミチのアンプは、標準でこの方法を用いています。
電源状態
前回と同様、スイッチング電源のノイズを確認してみました。
一次側
このアンプも0.1uと10uのあわせ技を用いていました。
やはり、10uFの方が良好です。両方10uFの方がよさそうですね。
このような状況は、測定するとすぐ分かり、ベストな状態に持ってゆくことが可能。
ヒヤリングでは、難しいです。
二次側
良好な状態ですね。
メンテナンス
電力用電解コンデンサ
コンデンサを取り外した際に、振動対策の接着剤がのこっていました。
基板を傷つけないように、きれいにしてから、取り付けます。
OpAmp
OpAmpは、SOPのOPA2211を採用していました。
低歪でよいOpAmpですね。
もともと、一列タイプ(SIP)のOpAmpですが、
に変換しています。部品が、大きくなり振動に不利ですので、今回は
SIP->SOP
スッキリしました。
OpAmpには、バイポーラ入力タイプのmusesの8820を採用してみました。
電源電圧も不安定になっていたツェナーダイオードも1Wタイプに変更し、安定化ができ、きっちりツェナー電圧が、供給されることを確認しています。
カップリング
カップリングには、高分子のフィルムコンデンサを採用しています。
これにより、低域から高域までスッキリ伝送できます。
その他に
- ゲイン調整抵抗:
”進”の金属皮膜抵抗を採用。
カーボン抵抗5%:1/8W → 金皮 1%:1/4W
チャネル間のギャングエラーを低減 - 入力ノイズフィルタコン
セラミックを、スチロールコンデンサに交換。
圧電ノイズ低減、精度向上になります。
仕上がり状態
その他、プリアンプ回路に装着されていた、大きめの電解コンデンサを通常の容量にもとに戻しています。
電源の制御用も、オリジナルに近いものに修繕しました。
出力確認
きちんとメンテナンス及びカスタマイズができているか、出力状態を確認します。
出力波形
出力状態は
前回標準で見られた、高調波もなく、良好です。
微小信号
念の為、もう少し微小信号(-60dB)を確認してみます
ノイズがわずかに確認できる程度で、とても良好に仕上がっています。
周波数特性
20Hz~50kHzオーバまで-1dBの優れた特性であることが確認できました。
まとめ
今回は、2台α5000Mのメンテナンスを行うことができ、比較しながら、理想状態に仕上げることができました。
高調波対策は、当方の方式が合理的であることも測定で明確にできたと思います。
OpAmpの電源が不安定なのは、ツェナーダイオードの容量不足によるもので、経年変化も影響していると思います。
OpAmpの電源電圧を確認するのは、とても重要で有ることを、再度認識することができたと思います。
前回のα5000のメンテナンスの様子は、下記よりご覧になれます。
α5000 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたナカミチを中心としたアンプを出品していることがあります。ナ数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。