とてもシンプルに作られているEC-204。ナカミチでカーオーディオを統一されている最終メンテナンス段階に入ったでしょうか。
これまでのシステムと統一すべく、OpAmpもトランジスタタイプのmuses8820を用いて、一貫性のあるシステムに仕上げてみたいと思います。
はじめに
EC-302やEC-204のクロスオーバ周波数は、5つのスイッチによってデジタル的に、10Hz~310Hzまで10Hz単位で設定できます。
アナログなのですが、この曖昧さがない、再現性のある環境が整うのでとても気に入っています。また、音質の劣化がとても小さいのも、魅力の一つです。
設定の説明は、以前の整備録に記載がございますので、ご参照ください。
ナカミチ クロスオーバ EC-204 カスタム muses02/8820 聴き比べモデル - pp audio blog
カスタムカスタム確認
本EC-204は、状態もよかったので、いつものピアニシモカスタマイズを施してゆきたいと思います。
一次側
入力は、コンデンサが装着されていないので、高調波が見られます。
チップセラコンを用いることで、抑えることができます。
一次側も高分子とセラコンの組み合わせで抑え込みが、いつものようにできていることが、確認できました。
二次側
多少大きめの変動ですが、厳選したコンデンサで無理なく抑え込み
チップセラコンで、鋭角な波形を抑えます。
OpAmp電源
小さな心遣いのようなOpAmpの電源、OpAmpは6個装着されていますが、全てに装着
パスコン追加で、安心できるようになります。
出力波形
標準的な状態には、少し高調波がみられますが
電源対策でスッキリです。
Low(BASS)出力は、高調波で歪みがみられましたが、
こちらもスッキリです。
周波数特性
周波数特性を性能確認としておこないます。
驚くほどフラットです。
EC-204の効果
クロスオーバネットワークを用いた場合、ヘッドユニットのLine出力が弱い場合、音の改善効果が見込める場合があります。
ヘッドユニットのLine出力が数kΩ等、弱い場合
パワーアンプとの伝送距離が遠くなると、高インピーダンスのノイズ等が吸収しにくくなる場合があります。
一方EC-204等を装着すると
インピーダンスが100Ωと、十分低いので、伝送ターミネーションにもなり、外来ノイズを吸収も期待でき良好です。
また、アンプの入力インピーダンスが低い場合にも対応できます。
まとめ
これらEC-204/302のクロスオーバは、ヘッドユニットのライン出力より、出力インピーダンスが小さく、ケーブル伝送や、パワーアンプの低めの入力インピーダンスにも耐え、音質の劣化が小さく抑えられます。
カーオーディオのシステムが大きくなり、トランクにパワーアンプを装着されている方もいらっしゃると思います。そんな時、なるべく、ヘッドユニットの近くにおいて、トランクのパワーアンプに接続すると、より音質の改善が見込まれます。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。