アナログで周波数の設定もスイッチというこだわりのクロスオーバネットワーク 3Way用 EC-302のメンテナンスを再び行います。
今回 パッシブネットワークから、マルチアンプへのアップグレードに用います。
アンプの一つは、PA-302のmuses8820仕様、こちらもmuses8820を贅沢に使います。
はじめに
18dB/Octのクロスオーバ。クロスの周波数設定は、スイッチできっちり行えます。
外見
ケーブルは、1m延長し、丸端子仕様にしました。
カスタマイズ
いつものように標準のEC-302との比較を行い、カスタムの確認を行います。
電源(一次側)
入力側は、コンデンサの追加、一次側は、コンデンサの交換と高分子、セラコンの追加で徹底しています。
無理なく抑え込みができました。
電源ノイズ(二次側)
二次側は、高分子の電解コンデンサの容量を厳選し、対策しました。
容量は、小さくし、高周波の特性の効果で実効値を1/5ほど低減しています。
OpAmp電源
いつものようにラジアルリードタイプのコンデンサをOpAmp7個すべてに追加。
きっちり抑え込みできました。
出力確認
出力の状態を見てみます。
出力状態(High)
きっちり治りました。これで安心して使えます。
Mid側出力
もともとHighCutが働いていたので良好でしたが
きれいになりました。
Low側出力
念の為Low側を確認します。
同等以下です、問題ありません。
周波数特性
最後に周波数を確認。
チャネルごとのバランスも良く、素晴らしい特性です。
安定した、優れたアナログのクロスオーバの特性です。
まとめ
High側のノイズもきっちり対策することができ、また、特性の確からしさを確認することができました。
簡単に見えますが、何台もメンテナンスさせていただいた結果、ここまで仕上げることができました。
- 電源強化、高調波対策
- OpAmpの交換
High:muses8820
MID:muses8820
Low:NJM5532DD - ブラケット研磨、防錆処理
Low側は、musesではなく、該当周波数に適切なOpAmpを選定しました。
EC-302は素晴らしいネットワークです。
パッシブで、サブウーファ等を接続すると、とても大きな長いコイルが必要になります。コイルの長さは、数mから数十mに及ぶことがあります。
また、高いツイータにもコンデンサをシリーズに入れなくてはならず、音の劣化が気になります。
クロスオーバネットワークをつかった、マルチアンプは、このシガラミから開放され
周波数や、レベルも調整可能で、スピーカの能力を極限まで引き出すことができます。
ぜひ、マルチスピーカでつながりが悪いと思われる方には、オススメです。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。