ナカミチ クロスオーバネットワークのEC-302のmuses8820へのカスタム機会に恵まれました。
OpAmpもmuses8820を装着し、DSPのクロスオーバの必要性を感じさせないアナログ・クロスに仕上げてみたいと思います。
はじめに
今回のEC-302はとても状態がよく、樹脂の色焼け等も少なく良好です。
使い方もデジタルで明確。再現性が高く、とても気に入っています。
パッシブネットワーク派の方でも、切り替え周波数や、位相の当たりを付けるのに、評価調整には便利です。
使い方は、以前のブログを参照してください。
https://matsubaraharry.hatenablog.com/entry/EC-302/22-05-01
メンテナンス
メンテナンスは、電源の長寿命化及び高調波対策。それに、GNDのフローティングによる高調波発振を解消します。
- 電源コンデンサ低ESR化
低ESRの電解コンデンサや高分子OSコンを組み合わせ低リップル化。 - 高調波対策
電源のノイズ発信源のもとにはチップコンデンサを用いた低ノイズ化対策 - 二次GNDの接続
RCAのGND側とアース(シャシー)のアイソレーションは、ノイズ対策がありますが、高調波には注意が必要です。実験によるパラメータを用いて低周波から高調波まで低減させます。 - muses8820
おなじみバイポーラ入力タイプのmuses8820をMID/Highへ5つ用います。
もちろんソケット仕様で、パスコンも装着します。
ボリューム板金加工
オペアンプのソケット化に伴い、ボリュームの板金を少し加工します。
真鍮製で、くすみがありますが、綺麗に研磨後、追加工しました。
これで、OpAmpを後で簡単に交換して楽しむことができます。
改善効果(一次側)
電源入力は高周波のインピーダンスが高いため、高調波が目立ちます。
ディスクリートセラコンを追加で、綺麗に抑えることができます。
電源の入力のスイッチングノイズは、何時ものように、OSコンとチップコンデンサの効果により抑え込みます。
改善効果(二次側)
二次側は、あまり大げさにせず
半分ほどの変動に押さえこみました
出力信号の効果
この機体はてとても良好で、高調波もわずかでしたが
高調波対策と適切なGNDの接続パラメータで安定化させます。
同じ様にMidの波形も確認します。
Low側は、GNDのアイソレーションの影響で、機器間の電位のゆらぎが微妙にありましたが
きっちり安定させることができました。
まとめ
これまでの経験にもとづき、適切な電源の改善及び、High側の高調波ノイズの抑制にて安心できるアナログクロスオーバネットワークにすることができました。
周波数特性
最後に周波数特性を確認し完成です。
注意としては、Highは、どうしてもLowCutが働きます。
また、Mid/lowもHigh Cutが働いてしまします。
フルレンジ+SWの場合は、500Hzが最低の周波数になってしまうので、注意が必要です。
万が一の為、入力のバイパスジャンパへ、収縮チューブで絶縁保護を施します。
これでシートの下で、車のシャシーに触れた際のノイズを防げます。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。