クラリオンのヘッドユニットのメンテナンスを綴っていますが、今回、最終仕上げとなります。
前回、電解コンデンサ交換したのは良かったのですが、ほんの少しCDユニットと干渉しているのが判明。同スペックの小型電解コンデンサを試したのですが、さて、どうなるでしょうか。
仕上げ
最終仕上げですが、コンデンサの干渉と、少し電源関係が気になります。
カップリングの再選定
このヘッドユニットのカップリングで使われている10uFの電解コンデンサの特性を測定していますので、ちょっと照会してみましょう。
8mmx5Φのもので、内蔵アンプ用は、同サイズの黒のものが使われていました。
その特性をLCRテスターで確認してみます。
DE-5000 Handheld LCR Meter with accessories
おそらくオーディオ用が青色で、黒色が一般用だと思われますが、測定誤差程度の違いです。振動によるノイズ等の違いがあるのでしょうか。
これを、今回始めに採用したオーディオ用電解コンデンサ(FG)と比較してみます。
BP(無極性)のmuseもFGも程よく高域特性がよくなっているのが分かります。
今回FGを採用したのは、サイズと、性能が程よく改善指定からだったのですが、一部高さがCDと干渉しているのが判明、やむなく、代替品の選定に。
スペックでは、高分子意外、あまり大きな違いが無いので、買い集めてしまいました。
小型タイプ
小型タイプは、高周波特性が落ちる傾向があるので、大きめの容量としてたのですが
低域は、静電容量がおおきくなるので、インピーダンスが下がりますが、高域はほとんど純正と変わりません。
音の傾向が変わってしまうので、今回の採用には不向きと判断しました。
高分子
高分子のOSコンの特性を改めて確認してみましょう。
特徴は、tanδの変化が周波数により小さく、定規で引いたような、インピーダンスとが周波数に対しリニア。
理論的なコンデンサであることが、一目瞭然です。
小型電解コンデンサ比較
これらのコンデンサの代表を比較してみましょう。
小型コンデンサは、高域で、通常サイズと逆転してしまします。
高分子は、やはり圧巻ですね。10uFのPMLCAPも、同等の特性なのですが、実装が今回不向きなので、OSコンとしました。
電源最終確認
前回より、少し電源関係の電解コンデンサも多数交換していますので、最終状態を確認してみます。
一次側
電源の波形が補足なっているのがわかります。他の電源からの回り込みが少なくなった効果です。
二次側
リップルがほとんど消えています。
微小信号
微小信号へ、効果は出ているでしょうか。
さらに良くなっているのがわかります。
重ねてみると。
効果がよく分かります。
周波数特性
周波数特性は、どうでしょうか。
効果は、残念ながら確認できませんでした。どうやら、D/Aの能力が影響しているのでしょうか。
一方、内部アンプの特性もAUXのライン出力と同等の性能で有ることがわかりました。
使い方によっては、良い音を奏でてくれると、期待できます。
(BTL出力なので、ノーマルノイズに有利ですね。)
最終状態
実装状態
最終的には、こんな状態に仕上げました。
いくつかの電源用電解コンデンサを、高分子等に交換。
ペアの信号系と思われるものをオーディオ用コンデンサに交換しています。
パネル研磨
パネルも予備があり、交換できたのですが、外すときのリスクを考え、研磨してきれいになるか、試してみました。
左上が研磨前、右下が研磨後です。
写真では、わかりにくいのですが、細かな傷がほとんどなくなり、スッキリしました。
(研磨は、液体の細目コンパウンドで、シルクをマスキングして行いました)
まとめ
いかがでしたでしょうか。ダイレクトスイッチがあり、直感的に操作できる、オーソドックスなヘッドユニットの隠れた能力と、良さを、感じ取っていただければ幸いです。
これからも、様々な機種をカスタム、メンテナンスして、皆さんに隠れた名機の実力を紹介してゆきたいと思います。
クラリオンのヘッドユニットのメンテナンスは、4回に分けてです。
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